キヌバリ


体色に横縞があり浮き魚のキヌバリ
 体は丸みがあり円筒状で、頭はわずかにつぶれ、尾部はわりと高く平たい。胸鰭上部に遊離したひれ条をもち、尾鰭の縁は丸く、左右の腹鰭は吸盤状である。
 体色は全体が黄褐色、白く縁どられた黒褐色の横縞が7本あり、横縞の数により日本海型(7本)と太平洋型(6本)に分けられる。
 県内では美しいハゼの一種で、10cm以上になる。
 北海道から九州、朝鮮南部に分布し、内湾や磯の藻場、岩場にすみ、幼魚は夏に群れをなして海面近くを泳いでいるが、成長すると単独行動で1尾〜数尾で優雅に泳いでいる。
 2〜3月の産卵期には群れをつくり、海底の貝殻や岩の下に、第1背鰭の長いオスが入り込み、小さな石ころなど口にくわえ産卵の巣づくりをし、産卵後はオスはふ化するまで巣を守り、衰弱して死亡する。
 甲殻類を主食とし、他のハゼと違って底生性でなく、浮き魚である。
 食用的価値はない。