カ ス ザ メ


海底の住人 カスザメ
 佐渡ではハイザメと呼ぶ。暖海系の底魚で北海道の日本海側から本州、四国、九州に分布する。
 体は上から押しつぶされたように平たく、胸鰭は左右の斜め後方に大きく広がっており、後方への縁は直角となっている。
 頭部は平たく丸みを持ち、尾は細長い。胸鰭の脇に鰓穴が開いている。目から先は短く、口先は真直ぐに近く、海底の生物を食べるのに適しているが、水中の生物を捕食するのは難しい。背鰭は二つあるが小さく、尾の方についている。尾鰭は小さく、尻鰭は無い。
 体色は茶褐色で、全体に多くの小黒点が不規則に散在し、背中に大きい鱗が1列に並んでいる。皮はザラザラしたサメ肌で棘は無く、大きな物は全長2mに達する。
 浅海の砂泥底に生息しているが、冬はやや深い所へ移動する。体の小黒点は砂地の擬装となっている。
 小魚、貝類、エビやカニ、環形類を捕食し、春先から夏に10尾ほどの胎仔を産む。
 肉は美味で煮付や練製品の原材料となり、ザラザラした皮膚(サメ皮)を乾かし、刀剣の鞘や細工物の木をツルツルに磨き上げるのに使う。
カスザメ