カナガシラ


頭部は硬く胸鰭下部を分離して歩く カナガシラ
 頭部が硬い骨質の甲で保護されているので、硬い頭の魚ということで金頭「カナガシラ」といい、県内ではイジミと呼んでいる。
 体は細長く尾部は細く、頭は大きい台形で硬い骨板に覆われている。
 眼は大きく鼻先には短い棘が1本突出して、その内側はぎざぎざになっている。
 体の背部と側部は赤く、腹部は白い。胸鰭は大きくうちわ型で、その後半部に深紅色の大きな斑紋があることが特徴である。
 胸鰭の下部2〜3本の鰭条が、鰭膜から離れ自由に動かすことのできる指状の歩行兼食物の探索器官となっている。
 鱗は大きくて剥がれ難く、全長は30cmぐらいで、水深30〜80m位の砂礫底に生息する暖海系の魚で、産卵期は5〜6月である。
 餌としては、内湾に入り込むカニ類の稚仔、2枚貝の幼生、多毛類を捕食する。
 肉は白身で締まり、刺身、天ぷら、ちり鍋の具や塩焼きにし、赤物魚として冬が旬である。