クロノウシノシタ


靴底形のクロノウシノシタ
 体は細長く長卵形で、眼は小さくて接近し、両眼はヒラメのように背面の一側にだけついて、体表の鱗は細かい。
 体色は眼のある方が暗褐色であるが、青黒いこともある。無眼側は白いが、鱗の付け根のところは黒っぽい。吻はかぎ状に曲がり、口は下方に開いている。側線は3本あって、体長は30cmある。
 暖海性の沿岸魚で、北海道小樽以南、シナ海の浅海の砂泥底に分布している。
 県内ではネズリ、ネズラ、セキタカレイなどと呼んでいる。
 産卵期は7月を中心として晩春から夏にわたり、約20万粒の浮性卵を産み、水温が20度では16時間でふ化する。
 幼魚は橈脚類や端脚類を食べ、成魚は底着性の小型のエビ、カニ類、二枚貝、ハゼ類などの底魚類を砂泥とともに捕食している。
 主に底引き網や定置網によって、夏から秋にかけて漁獲する。
 肉味はアカシタビラメより落ち、少し生臭い余りうまい魚とはいえないが、夏が旬である。フライや煮付け、煮ごり等にすると良い。