コショウダイ


成長の伴い体色が変化するコショウダイ
 コショウダイの体高は高くて側扁し、両顎の歯は微小な円錐形である。
 幼魚は体の側面に3本の斜めに走る紫がかった褐色帯があるが、成長するにつれて黒い斑点だけが残る。
 老成するとこの黒斑が小さくなり、全長2cmくらいのときは、全身が真っ黒で鰭だけが白い。全長60cmに達し、太平洋岸では茨城、日本海側では新潟以南の近海岩礁域にじっとしていて、あまり活発に動かない。
 エビ、カニ、オキアミ類などを捕食している。
 5月頃から6月に産卵し、幼魚は内湾にも入り群れている。定置網や一本釣りで漁獲され、南日本では7〜9月が釣りのシーズンである。
 県内ではカヤカリ、ナマラと呼んでいる。
 味はかなり美味しいが、特に夏の土用を中心に1ヶ月間だけは旨味が増し、値段もタイの2〜3倍になることある。
 刺身、塩焼きか煮付け、一夜味噌漬にしても美味しく、多くは高級料理店に引き取られることが多い。