ケムシカジカ


姿はグロテスクのケムシカジカ
 カジカ類は北の海に分布する魚で、種類も多く、変化に富んでいる。ケムシカジカを別名トウベツカジカと呼ぶのは、北海道南部の当別付近で多獲されたことから名付けられた。
 姿体はグロテスクで、頭の背面には多くの凸凹があり、皮膚はたるんでいて、表面には無数のイボ状突起があってざらざらしている。頭や口の周りには、ひらひらした多数の小突起があって、触るのもいやになる感じの魚である。
 カジカ類中最も大きくなり、全長30cmに達する。
 日本海の東北地方からベーリング海へ分布し、11〜12月頃に浅海に来て産卵する。その頃延縄で漁獲する。県内では佐渡に多少獲られている。
 冬に獲れたものを皮をむいて身をぶつ切りにし、味噌汁にして食べるとなんと美味いダシが出て、鍋の底をつついて壊してしまうほど美味しいことから、北海道ではナベコワシと呼んでいる。
 卵は大粒で醤油煮付けたものは、ハタハタのブリコ同様歯ざわりがあって珍味である。