クルマエビ


長寿のシンボル クルマエビ
 クルマエビはイセエビと並んで、数あるエビ族の代表格で高級品でもある。
 イセエビは外海に面した岩礁に生息しているが、日本海には分布していない。
 一方クルマエビは、波静かな内湾で、太平洋側は九州から松嶋湾あたりまで、日本海側では秋田県まで分布する。
 漁獲の対象となるのは、主としてふ化後1年もので、夏に漁獲が多い。
 エビは曲がった腰と長い触角から、ヒゲの長老を連想させるので、昔から縁起物とされている。
 クルマエビは水深100m以浅の砂泥中に昼間は潜って眼だけ出して生活するが、活動は夜行性である。
 産卵期は夏で水温20度以上上昇した頃、親エビは産卵を開始する。普通のエビは、メスの腹脚に卵をつけて保護するが、クルマエビは卵を直接海中に産み出し、体外受精して海底に沈む。
 クルマエビの種苗生産が各地の栽培漁業センターで行なわれ、漁業資源としての大規模な放流が実施されている。
 日本海は単調で冬は波が荒いが、着実に効果を上げている。