イ  ワ  シ


大衆魚のチャンピオン イワシ
 かつての日本の大衆魚のイワシは、普通マイワシを指すが、ウルメイワシ、カタクチイワシなどを含めてイワシという。
 イワシは日本中の海では周年獲られているが、場所と時期で脂の“ノリ”に天地の差がある。
 マイワシは昭和初期には、年間100万〜150万トンの漁獲があり、その頃は流し刺網で連日大漁旗を靡なびかせ、浜は活気に満ちていた。
 女衆は水揚されたマイワシの頭と内臓を除きタルに入れ塩をたっぷりふりかけ、タクアンを漬ける要領で「ツケ留メ」し、木枯らしの頃に取り出して、鮮菜のくづ煮で食べる味こそ、忘れられぬ古里の味である。
 カタクチイワシは、口の位置がやや下で、眼より後方まで口が裂けている。体は細長く、イワシ類中一番小さく、12〜13cmで、別名ハレボと呼ばれる。
 ウルメイワシは脂肪が少なく、干物にすると美味しい。
 マイワシは体側に明瞭な7個程度の黒点があるので、ナナツボシともいう。
 近年イワシの栄養価が見直され、成人病予防に効果がある。