イ ボ ダ イ


エチゼンクラゲに付いて来遊する イボダイ
 体は楕円形で側扁し、体高は高い。頭部は丸みがあり、口先も丸く鋭い。両顎には小さな歯があり、鱗は剥がれ易く、皮膚には木の葉の葉脈を見るように筋節が良く現れる。
 体の表面からヌルヌルした粘液を分泌する特性がある。背鰭は1基で棘条部の発達が悪く、軟条部との間に欠刻がない。
 胃の前に食道嚢を持ち、その内部に歯をそなえている。
 体色は淡灰青色で、体側と腹部は銀白色、えら孔の上部に不明瞭な黒い斑紋が一つある。全長は30cmに達する。
 北海道以南、シナ海に分布し、水深200m付近までの大陸棚上に生息している。
 大きな群れをなし、成魚は昼間は底層にいるが、夜間は表層近くへ浮いてくる。
 冬季にエチゼンクラゲに付いて来遊することがある。
 産卵期は4〜7月で分離遊性卵を産み、成長すると好んでクラゲや大型動物プランクトンを捕食する。
 肉は白身で柔らかく、焼魚、煮付の他、西洋風や中華風に調理し、干物にもする。