ハリセンボン


体表に長い棘のハリセンボン
  フグ類の仲間で世界の熱帯から亜熱帯地方の暖海に広く分布し、波の荒い外海の岩陰に生息している。
 体は長卵形で膨らみ、体表面が長い棘で覆われていて刺毒はないが、触れると痛い。
 普段泳いでいるときは、棘は体に沿ってねているが、敵に襲われると、棘は体と直角に突立ちハリネズミのようになる。このように棘は立てたり寝かしたりでき、棘の根元が二つに分かれている。棘の数は375本内外である。尾鰭の付け根には棘がない。
 口は小さく、両顎歯は各1枚の癒合歯からなっていて、体はやや大きなふちどりのない黒色斑が散在し、全長40cmぐらいになる。 南の海で生まれた幼魚は、15cm以下の大きさで、本県沿岸まで暖流で運ばれてくるが、真冬水温の低下で凍死して海岸に打ち上げられたり、大量に定置網に入る。
 肉や内臓は無毒であるが食べる部分は少なく、膨らまして乾燥したものを魔除けで漁村の軒下にぶら下げたるする。
 沖縄ではアバサーと称し煮付けて食べる。