ホテイウオ


腹部に丸い吸盤がある ホテイウオ
 体には鱗がなく、ぶよぶよした風船をふくらませた球形で、大小のしわがあり、一見するとオタマジャクシを大きくした姿である。
 口は下顎が長く受け口で、頭は上から押しつぶされたように平らで、腹面には丸い大きな吸盤がある。この吸盤で岩などに吸着し、県内ではイワスエと呼ぶ地方があり、別名をヨキョとも言う。
 寒流系の魚で、神奈川以北の太平洋岸と、若狭湾以北の日本海岸及びカナダの太平洋岸に分布している。
 平素は水深100m以深の岩場に生息するが、春の産卵期に接岸して漁獲される。産卵後メスは沖合いへ去りますが、オスは卵の塊のそばに留まって、卵がふ化するまで保護する習性があります。そのため、オスは成長につれて、胸鰭や吸盤がメスより大きくなり、それで卵を保護している。
 遊泳は不得意で、餌の捕り方はアンコウに似る。
 肉身は軟らかく、アンコウに似た肉質で鍋料理の材料にし、調理する前に魚全体を熱湯をかけて粘液を除去しないと生臭くなる。