ホシザメ


エビやカニが好物の ホシザメ
 沿岸に生息する暖海系のサメで、日本のサメ類の中で最もポピュラーな種類で、北海道南部から本州、四国、九州に分布し、南に多く東北には数が少ない。
 体は細長いが、頭の方は上から押しつぶされたように平たく尾は細い。目は細長く、しゅん膜が良く発達している。目の後方噴水孔が開いている。
 歯は甲殻類や貝類などを噛み砕きやすいように平らで敷石状にになっている。背鰭は2基でよく離れ、何れも前縁に棘がない。
 体色は淡褐色で腹側は白く、側線の上に小さな白色点が並んでいること、背側も白色点が散らばっているので、他のサメとの区別は簡単である。大きさは1〜1.5mである。
 浅海の砂泥底でエビやカニの甲殻類を最も好み、次いで貝類を捕食している。
 初夏に全長30cm程の胎児を16尾くらい産み、親の体が大きいほど生まれる稚魚の数は多い。
 白身であっさりした味で、煮付けにすると軟骨がコリコリして煮こごりが美味い。サメ特有な臭みもほとんどなく刺身、フライ、高級の蒲鉾やはんぺんの材料にする。
 その他、解剖学や生理学の実験材料に用いられるのは、人間と魚の体は異なっているが、大まかな構造がよく似ている点である。