ヒ ラ メ


忍者まがいのヒラメ
 ヒラメは魚の格からも、味、風味、値段などから見ても、タイが魚の横綱とすれば、ヒラメはそれに次ぐ大関格である。
 眼は生まれた時には体の両側にあるが、成長につれて片方に移り、「左ヒラメの右カレイ」というように、ヒラメとカレイ類では体の向きが逆になっている。
 ヒラメの呼び名は全国各地であまり変わらないが、北海道でテックイ、瀬戸内海でオオグチなどとも呼ばれている。
 体表にはウロコがあり、色素もあって、海底そっくりな斑紋を自分の体表に書くことができる。裏側はのっぺらぼうで、色素がないのが普通で、真っ白でウロコはない。
 近年栽培漁業の振興に伴い、各地で人工採卵からふ化事業と、種苗生産をして適地に放流したり、養殖が盛んに行なわれている。
 ヒラメは平素、水深100〜200mの砂礫底に生息し、産卵期は浅所に移動する。
 底刺網、底引網で周年漁獲されているが、寒ヒラメが賞味される。
 肉身は炎白で弾力があり、刺身にすると真珠光沢があって見た目に美しい。