ヒ   メ


原始的な特徴を残す ヒメ
 体は細長く少し左右に平たく、背部は張り出している。頭の後方から背が大きく盛り上がり、眼径は吻長より大きくて吻は尖り、口は大きく、両顎に微小歯がみられる。
 背鰭は大きく高く、第4軟条が長い。背鰭と尾鰭の間に脂鰭があり、尾鰭の後縁は深く裂け二叉する。鱗は円りんで硬い。
 体色は赤灰色をなし、背側は暗褐色を帯び、体側には赤色の斑紋がある。
 鰭には赤色と黄色の縞模様があって美しく、オスの背鰭には大きな赤色の斑紋があるので、メスと区別することができる。
 ヒメは分類上ハダカイワシ目魚類で、最も原始的な魚である。全長は20cmくらいである。
 東北地方以南各地、ハワイに分布し、暖流系の沿岸砂泥底に生息している。
 産卵期は晩夏で接岸し浮性卵を産む。底引網で獲られるが多くない。
 水族館では案外餌を食べないので飼育しにくいという。
 雑魚扱いで天ぷらやお吸い物に使用し、蒲鉾の原材料にする。