ハ   モ


獰猛な ハモ
 鋭く尖った歯が大きく裂けた口にずらりと並び、ギョロリとした眼は見るからに猛々しい。
 やたらに噛みつく魚なので、その食むがなまってハモになったという。
 ウミヘビ科の魚のようだが、ちゃんと尾びれもあって、むしろアナゴ科に近い魚である。
 日本では中部以南に広く分布し、特に瀬戸内海に多く、関西では珍重されている。
 親になったハモは産卵期を中心に回遊する。
 平素は水深60m〜120m以浅の砂泥底に棲み、砂の中に潜ったり、砂泥底に続く岩礁の海底近い岩穴に潜んでいる。
 エビやカニを好んで捕食し、寿命は大体10年くらいで、大きさも大体1m位になるが、時に2mに近い丸太のように成長する。
 日本海地方では、ハモとアナゴを混同するところもあるが、アナゴはハモより頭も口も小さく、優しい顔付きをしているから、比べてみれば区別される。
 関西では珍重されるが、小骨が多いために関東では面倒がられて人気がない。
 旬の夏はハモの産卵期でもある。
 吸い物の種、照り焼き、酢の物と色々な食べ方がある。
 関西では蒲鉾の材料に用いる。
ハモ