ハコフグ


硬い甲板におおわれる ハコフグ
 読んで字のとおり箱のような形のフグであり、毒はないが、体表は堅い甲に覆われ、体の断面は正方形に近く棘はない。佐渡ではマクラフグという。
 ハコフグの仲間は日本沿岸に何種類か生息するが、ほとんどみな体の断面の形が違うのは面白い。
 断面が六角形のイトマキフグ、三角形のハマフグ、台形に近いウミスズメとシマウミスズメと多士済済といってもよかろう。
 ハコフグの体色は全体が黄色から黄褐色、口はオウムのくちばしのようであり、大きさは45cmに達する。
 日本海では定置網に入ったり、晩秋から冬にかけて強い季節風の吹いた後、ハリセンボンと一緒に砂浜などに漂着したのが発見される。
 多くの地方では捨てられるが、食べる地方もあり、丸ごと焼いて殻を割り、中の肉身は白色で無毒、千葉県や長崎県では名物料理にさえなっている。
 ハコフグは昂奮状態になった時、又は健康状態がおかしくなった時、体表からパフトキシンと呼ばれる毒を含む粘液を分泌して、他の魚と同じ水槽で飼育していると、弱らせたり死亡させることがあるので注意を要する。
ハコフグ
イトマキフグ
ハマフグ