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扁平な海底魚
 魚類分類上は軟骨魚類のエイ類で、体は円盤のように平たく、上下から押しつぶされたような形である。
 団扇みたいな左右の胸鰭を鳥が羽ばたくように動かして泳ぐが、あまりスピードはない。
 全身は滑らかで、ぬるぬるした粘液で覆われている。 佐渡地方で獲れるエイ類の主なものは、アカエイ、トビエイ、ガンギエイである。
 尾は鞭のように長く棘があって、うっかり刺されようものならすごく痛み苦しむ。漁師はひどくこの棘を恐れて、エイ類を捕らえたときはこの長い棘を切り取る。
 水族館で飼育されているエイに尾がないのはこの危険を防止するためである。
 万一刺されたら過マンガン酸カリか硫酸マグネシウムで傷口を洗うとよい。
 熱帯地方の海には、お化けのようなエイが生息している。 夏が旬で冬は味か落ちる。肉は上等品でないが、骨のままぶつ切りにして利用する。
 肉は赤くて煮付けると煮ごりが出るのは軟骨からゼラチンが溶出し、それが冷えてゼリー状になる。