ボ   ラ


水中を跳躍する ボ ラ
 県内でボラと呼ばれているものには2種類あって、ボラ(マボラ)とメナダである。一般に両者を区別せずにボラと呼んでいる。
 両者とも頭が平らで鱗が硬く、側線はないが、メナダでは口の先端部が赤みを帯びている。
 両者とも沿岸の藻場や内湾、汽水湖などに棲むが、ボラは川の中流まで上がるが、メナダは河口域に留まり表層近くを群れて泳ぎ、勢いよく水面を跳び上がることがある。
 世界の熱帯から温帯にかけて生息し、メナダは北方にも分布している。
 成長するに従って呼び名が変わる出世魚として、昔から縁起のよい魚とされている。
 ボラにはヘソと呼ばれるソロバン玉のような胃があって、水底の有機物や海底動物を捕食している。
 産卵期は11月頃、熟卵から作ったカラスミは、古くから珍味とされ、酒の肴に賞味される。
 寒ボラとして冬が旬で、刺身、洗い、塩焼き、煮付にし、調理に際しては水でよくさらして泥臭身を抜くとよい。