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バイ篭て漁獲する 
 全体が卵形で殻質は厚く陶質で、貝殻の表面には褐色の斑紋があって殻高7cm、殻の径3cm程度の大きさである。
 北海道南部から沖縄までの内湾的環境に生息していて、水深が10〜20mの泥や砂の海底に棲んでおり、平素は砂泥底に潜んで生活している。
 水管だけを砂泥質からのぞかせて生活し、これで水のにおいを感知し、食物のにおいがするとすばやく行動を起こす。この餌に集まる習性を利用して、ネズミ捕りの篭のようなバイ篭漁業がある。
 入り口が径10cmくらいの穴で、中に好物の魚肉を吊るしておく、食いしん坊のバイが入ってくると篭の中にストン。出るに出られず、中に吊るしてある餌にも届かず、漁師はときどき篭を揚げ、餌を補給して2〜3日海底に放置しておくだけでよい。
 産卵期は6〜8月で不透明な四角状の卵を40〜50個産んでいる。
 春から夏にかけて多く獲れ、佐渡ではイソバイと呼んでいる。
 砂糖、醤油で煮て肉身を楊枝にからめて引き出して食べ、酒の肴にするとよい。