ババガレイ


体表がぬめぬめした ババガレイ
 別名をナメイタカレイともいう。体表は粘液が極めて多く、摘み上げると牛のよだれのような粘液が長く尾を引き、手に粘りついて気味が悪い。佐渡ではヤマブシという。
 体は長楕円形で尾柄が極めて短く、口は著しく小さい。唇は分厚くて門歯状の中広い歯は、上下両顎とも無眼側に各1列しかない。
 鱗は小さくて皮下に埋没している。唇はゴカイ、クモヒトデなど砂泥中に潜む小動物をほじくり出すとき円筒形にのびて、役立つようになっている。
 体色は有眼側が暗褐色で、輪郭の不明瞭な斑紋があるが、千差万別で底質や模様に合わせてかなり自由に変化し、無眼側は白色である。
 北海道太平洋岸、三陸海岸に多獲され、水深50〜450mの砂泥底に生息し、余り大きな移動はしない。産卵期は3〜4月である。
 東北地方では、カレイ類中最高級品として賞味する。
 煮付けて食べるのが一般的で、小さい物はフライやから揚げにし、高級なちくわの原料にも用いる。