ア   ジ


紋章は側線のゼイゴ マアジ
昔は大衆魚だったアジが、すっかり高級魚扱いになりました。「アジは味なり」と賞賛される特有のうまみと、刺身やタタキ、焼物、干物など、用途の広さも人気のもとです。
 わが国のアジ類は、20種近くもいるが、一般にアジと言えば体側中央に並ぶ硬くて大きな鱗(ゼイゴ)が頭の後方から尾鰭のつけねまで続いているマアジのことで、1年中出まわっているが、5〜8月頃が旬とされている。
 マアジは対馬暖流域で、適温を追って移動し、その多くは九州沿岸で産卵し、稚魚は流れ藻やクラゲのカサのもとで保護され、時に身を休めつつ、暖流に乗って南から北へと運ばれる。
 マアジのうち、沿岸の瀬に生息するやや黄色みを帯びよく太ったキアジと、沖を移動し住みかを持たないクロっぽいやせたクロアジの種族を区別しているが、えさの豊富な沿岸帯に住むキアジの方が味はよく、値段も高い。
 サバより脂が少なく、イワシより身が硬く、ゼイゴに注意して料理する。