ア ワ ビ


磯のアワビの片思い
 アワビは食べる方では貝類の王様で、美しくて美味しい、古い歴史と広い社会性を有している。
 「磯のアワビの片思い」という言葉があるが、これはアワビを枚貝と見誤って、2枚あるべき貝殻が枚しかなく、もう片一方がないから片思いだとこじつけたもので、アワビはれっきとした巻貝だから、もともと貝殻が2枚あるはずかない。
 日本近海のアワビ類は9種類知られており、貝殻の表に1列の呼水孔が4〜8個ある。
 重要なものは、南方系のクロアワビ、マダカアワビ、メガイアワビ、トコブシ、北方系のエゾアワビの5種類である。
 生息場所は、外海の海水清澄なところ、温水、比重が高く、潮通のよい岩礁帯に密着している。
 昼間はあまり動かないが、夜間に移動する。
 殻長2前後から海藻を主餌料とし、アラメ、カジメ、ワカメ等を好んで食べている。
 近年はアワビの人工採苗技術は進歩し、人工種苗生産が可能となっている。
 海女達の素潜りで採捕し、食用にするとコリコリして美味しい。