ア イ ナ メ


体色が七変化するアイナメ
 日本海各地沿岸の海藻の多い岩礁帯に生息するが、大型魚は水深70メートル位のところにも生息している。魚体に側線が5本あるのが特徴で、体表は細かいウロコに覆われ、体色は薄い茶色が普通であるが、個体変化が著しい。晩秋になると、雄は橙黄色が濃くなり、雌との区別が鮮明となり、これを“婚姻色”と呼んでいる。
 釣り魚としては人気者、釣り人が竿を出すとアイナメの大きいものからかかり、だんだん小さくなっていくが、これは縄張り意識の強い習慣からである。
 アイナメは白身で淡白な味で、脂分はほどよく含まれ、味は一年中余り変わらないといわれているが、一般的には春が旬とされている。県内ではアブラメ、アブラコとも呼ばれている。近似種にクジメがあるが、尾ビレの後縁が丸いことで識別でき、味もかなり劣る。
 鮮度落ちが早い魚であるので、下ごしらえは手早くする。白身で肉質が厚いので扱いやすいが小骨がある。刺身、椀種、空揚げは絶品である。