子どものおもちゃU
01

次の中央への出張は休日を跨いだらしい。

それを知ったのは何故か大佐からではなく、軍法会議所にいるヒューズ中佐からだった。しかも、大佐が会議中で席を外していた時に、わざわざオレあてにかかってきた電話で、だ。もうそれだけで不穏なイヤな空気が電話から漂っている。
その上、ヒューズ中佐は次の出張はホークアイ中尉が同伴できなくて、オレが一緒に中央へ行くハメになると言い切った。

「―――いいか、ハボ。俺様の趣味は昔からカメラだった。どうだ。偉大だろう」
オレの困惑など歯牙にもかける気配はなく、電話口から淀みなく流れ続ける、その話の流れが全く分からないのはオレの頭が悪いからではないハズである。こうもコミュニケーションに支障があると頭が良すぎると言うのも大佐と一緒でビミョーだ。
「カメラはいいぞ。変わり行くものを刻々と記録できる」
長電話になりつつあるオレに、ブレダがサボってんなと言わんばかりに隊から上がってきた日報の束を机の上に置いて行った。自分が隊長であることを思い出す一瞬だ。そうだった。このままヒューズ中佐の電話の相手をしていたら大佐と同じで、ただの給料ドロボーである。それだけは何としても避けたい‥。
「――あの、アンタが何を言ってんのか全く理解できないんスけど?」
「何で、これでわかんねえんだ。脳ミソ、家に忘れて来ちまったのか?―――俺が、士官学校にカメラ持ち込んでたって話してんじゃねえかよ」
「‥‥‥‥‥」
「その頃の秘蔵のアルバムを見たかったら、この出張中の休みを俺に献上しろ」



―――つまり、ヒューズ中佐の電話はオレに丸一日エリシアとのお留守番と大佐のお守りを命じたものだった。

事の顛末は実に簡単でグレイシアさんの友人の結婚式の仲人を頼まれたヒューズ夫妻は、早々にエリシアをお留守番と決めた。が、こんな場合、いつもエリシアを預かってくれる中佐とグレイシアさんの両方の実家がたまたまその日家を空けることになっていて、さてどうするかとなった。
そしたら、エリシアがお留守番の相手を自らリクエストしたと言う。
「エリシアがロイと一緒にお留守番するって言うんだ。エリシアちゃんはちゃんとお留守番できるだろう!―――が、ロイと一緒にしたら、よくない予感がする。いや、確信がある。いいか、ハボ。ちゃんとロイを見張ってろ。俺のスイートホームを燃やしたり、倒壊させたりさせんなよ。いいな」
1人1人ならまだしも2人揃ったら確かに予測の付かないことをしでかす気はするが、さすがの大佐であっても友人の家を壊すようなことはないだろうに。
だが、オレはそんなことよりも今までその存在を隠されていたアルバムの方が気になる。大佐のお守りはいつものことと言えるし、エリシアは面白い。特に、大佐と一緒にすると格別だ。勝手のわからない中央を1人でうろつくぐらいなら、大佐とエリシアと留守番した方が面白いだろう。
「はあ。あー、でも、大佐、留守番すんスかね。あの人だって、中央での丸々一日の休暇ってすんげえ久しぶりじゃないんスか?目に見えて、嫌がりそうっスけど?」
「はっ!一体、何年、奴とつるんでると思っているんだ。そんなの訳ないぜ!」
んじゃ、よろしく頼むぜ、と言いたいことを言った中佐は唐突に電話を切った。



しかし、その日の午後、あんなにカッコイイことを言っていたヒューズ中佐が大佐に低姿勢で拝み倒していたっぽいことをオレはたまたま行った執務室で電話を受けていた大佐の雰囲気から察した。


02

「別に、私に付き合う必要はない」
釈然としない表情を隠しもせず、中央での出張の間の休みの日に早朝からヒューズ中佐の家に向かう大佐について行く。ヒューズ中佐の秘蔵アルバム見放題の約束がされている、このオレの行き先も同じだった。しかし、その存在は隠しておけとヒューズ中佐に言われて、休みの日にわざわざ大佐と一緒にヒューズ中佐の家に行く理由を考えなきゃならなかった。―――結局ぎりぎりまで、いい考えが浮かばず、田舎者が中央でナンパしても相手にされないだろうから、オレも大佐に付いてきますとかなり捨て身なことを言ったら、全く怪しまれなかったどころか、同情に満ちた目を向けられて癪に障った。





ヒューズ邸に付いたら、いつものようにエリシアがドアを開けて出迎えてくれた。きゃーっと歓声を上げて大佐に抱きついてきたところを、大佐が抱き上げると、エリシアの目線がオレと近づいて、オレがいることに気が付いたエリシアがにこっと笑ってハボー!と歓迎してくれた。
大佐や中佐、周りの人たちの言葉じりをよく真似するようになったエリシアが、オレのことをハボと呼ぶということは、日頃エリシアの周りの人がそう呼んでいるからだろう。ヒューズ中佐にそう呼ばれるというのは馬鹿にされている以外にない。でも、だからと言ってオレに現状を変える術などない。

次いで、正装したヒューズ中佐がエリシアを追いかけるように出てきた。誰の目にも明らかな、仕立てのいい高そうなモーニングを着こなすその姿は、洗いざらしのGパンを着た薄給のオレのひどく劣等感を誘った。
「グレイシアはもう、出ているのか?」
「ああ、準備に時間がかかるからな」
ヒューズ中佐は、もう、時間がないんだと言って、オレにお茶の在り処を教えとくからと言って、大佐とエリシアをリビングへ追いやった。大佐はそれが、さも当然だという顔で頷いた。

「外に散歩に行くことを推奨する。そん時のエリシアの防寒具はここだ。10時のおやつはここ。3時のおやつはここ。お昼はここ。グレイシアのお手製だ。お前の分もある。ありがたく思えよ。――で、絵本はここ。おもちゃはここ。お昼寝の毛布はここ。掃除器具はここ。風呂釜の洗剤はここ。夕飯の食材はここ。――んで、例のアルバムはここだ。くれぐれも汚すなよ」
正装のヒューズ中佐に家の中をくまなく案内された。その口ぶりは、ハウスキーパーに対するもののような気がしてならなかったが、手渡されたアルバムの思った以上の厚さに何も言えなかった。

「じゃあ、行ってくるよ。エリシアちゃん。――ハボック、くれぐれも家を頼んだぞ!」
大佐に抱っこされたエリシアはご機嫌に中佐を見送った。とりあえず、ムカつく男はいなくなった。





日差しが出てるのに、風の冷たい日だった。

エリシアは、リビングの陽だまりの中に大佐とオレを座らせ、お気に入りの絵本を読み聞かせてくれた。そして、時々、さむい?と尋ねてくる。いつも、自分に言われていることを言っているんだろうと思う。エリシアにとって、ヒューズ中佐やグレイシアさんがそうするように、大佐を気遣うことは当たり前のことなのかもしれない。

10時になって、第1回目のおやつの時間がやって来た。オレは、中佐の命令通りキッチンに用意されたおやつとお茶を入れる。グレイシアさんが今日のために作ってくれていたおやつは、異国の米で作られた「おこわ」という一風変わったものだった。薄っすらピンクがかった「おこわ」に栗や黒豆、枝豆、小豆、銀杏などが入って、とってもカラフルでファンシーに仕上がっていた。


03

大きな窓から注ぐ明るい日差しが時間と共に動いていくのに合わせて、大佐がエリシアと一緒にリビングを少しずつ移動していく。

「―――ぎんなんは自分で殻をむくと、きれいなヒスイ色なんスよ」
ほんの少し甘い「おこわ」というファンシーで都会の香りのする、はじめて食べるおやつ。入っている黄色いぎんなんに、田舎にいた頃、よく拾いに行かされたことを思い出した。夢中にはむはむと食べていた大佐と、大佐の膝の上に座って、同じようにはむはむ食べていたエリシアが、同時にオレを見て止まった。

「ぎんなんですよ?」
「知っているのか?」
「知らないんスか?銀杏の実ですよ」
大佐とエリシアがへーと同じ表情で関心してくれた。そして、手で摘めるように小さく握った「おこわ」に入った黄色いぎんなんを2人してじっと見つめる。3歳になろうかとしている女の子と知識レベルが、どこか同じなところが大佐らしい。
「銀杏か。確か、セントラルパークにあったんじゃないか?今、実ってるか?」
「―――あー‥、ええ、鈴なりでしたけど‥」
あんなにぎんなん臭かったじゃないかと、思って答えれば、大佐の目がきらりと光るのを見て、どうやら自分は余計なことを言ってしまったことに気が付いた。

大佐がすくっと立ち上がる。エリシアも大佐の真似をして、すくっと立ち上がった。
「よし!ぎんなん採りに行こう!」
「いこー!」
「ええー‥、寒いっスから、止めましょうよ」
陽だまりはあったかいけど、今日は今年一番の冷え込みを感じさせる日だった。
家にいて、家を破壊するかもしれないと危惧される2人組みが、外に出てったら、一体どんな迷惑を引き起こすかなんて考えたくない。
「では、お前はここに残ってたらいい!」
「いいー!」
2人は手に手を取って玄関に向かおうとする。

3人というのがよくない気がする。常に2対1に分かれるから、どう考えてもオレの立場がどんどん弱いものになって行く。
「ちょっと、待ってくださいよ!マジで行くんなら、ちゃんと準備しないとっ!」
「お前は大げさなんだ!」
「なんだー!」



2人をリビングのあったかい場所に待たせて、でっかい家の中を必要なものを探して走り回る。リビングからは、速くコールが聞こえていた。
―――軍手に、ビニール袋。エリシアのコートに、帽子に、マフラー、手袋。



保父さんだ。これじゃあ、マジで保父さんだ。
日頃、お世話してんのが一応は成人だったから、あまり意識したことはなかったけど。
ライフルを背負って山ん中を走り回ったこととか、一応は特殊部隊にいた経歴とかが、遠いものになって霞んで行った‥‥


04

落ち葉を踏む音がかさかさと耳に心地よい。落葉樹の並木道を大佐とエリシアが手をつないで歩いて行く。時々、大量に降ってくる黄金色の葉っぱにエリシアが歓声を上げて、両手を空へ、大きく伸ばした。

オレは、その2歩後ろをタバコを咥えて、ぎんなん拾いの道具を手に付いていく。



セントラルパークは、アメストリス最大の公園である。全長3キロのマラソンコースや、ボートの浮かんだ大きな池を備え、その面積の大部分を芝生が覆っていた。管理の行き届いたきれいで人工的な公園は常に人で賑わっているようだった。程よく植えられた木立近くに置かれたベンチには、多くの人たちが座り談笑する姿が見れた。

大佐とエリシアは、舗装された道ではなく木立近くを歩く。時々、どんぐりやくぬぎを見つけては手を伸ばしながら、鮮やかな真っ赤になった葉っぱをエリシアがその小さな手に集めて歩いていた。

その内、あったかくなったのだろうエリシアが、マフラーを嫌がって解きだしてしまった。そして、取ってしまったマフラーの置き場所に困ったように、隣りを歩く大佐を見上げて、ロイーっと呼んだ。マフラーを両手で広げたエリシアの前に大佐が苦笑しながらも、大人しく膝を付く。エリシアは、グレイシアさん手作りのピンクの毛糸で編まれた、毛糸のボンボンのついたマフラーを大佐の首に巻きつけ、マフラーを片付けて、また、落ち葉拾いを再開し始めた。

夢中になってどんぐりを拾うエリシアに付き合って、大佐も参加しはじめてしまった。こんなことにすら興味が尽きない錬金術師は謎そのものだ。今度は5歩離れたところから、タバコに火を付け、2人の行動を眺める。その時、オレの後ろを女性2人組が、かわいい!歳の離れた兄妹ね!と言って通り過ぎていった。オレは、その言葉に、思わず火を付けたばかりのタバコを落としてしまった。周囲を見回しても、それらしき兄妹の姿は影も形もない。そうなると、彼女たちが言ったのは、やはり、オレの目の前の上司と上司の友人の娘のことなのか?そうなのかっ!?

愕然とした。中央は恐ろしい‥‥。とにかく、できるだけあれを、人の目にふれないようにして、とっととあの家に戻らなくてはならないと思った。

「あー、ぎんなん採りに来たんスよね?」
「そうだとも!」
「ともー!」
「んじゃあ、向こうっスよ」
銀杏の群生する、黄色い木立を指差したら、2人が足元から顔を上げた。
「黄色のとこだな」
「だなー!」
ぎんなんーっと言って、エリシアが一直線に向かって行くのを大佐が追いかける。

おそろいの帽子とマフラー、手袋を2人で分け合っている大佐とエリシアは人目を引いた。歩道を散歩する人たちやベンチに座る人たちが、2人が通り過ぎるたびに、振り返っていく。何か、オレはいたたまれなくって、6歩後ろを付いていった。



「臭いな」
「くちゃいな!」
銀杏の木の下は、ぎんなん臭に満ちていた。
「だから、止めましょうって言ったでしょ?ぎんなんは臭いんスよ」
それでも、2人は鼻を摘みつつ、黄色一色の落ち葉の最中に進んでいった。


05

「エリシア、足元にぎんなん」
大佐がそう言うとエリシアがキャーと言って避けた。もちろん、大佐も踏まないように、はじめからぎんなんを避けて歩いている。2人とも鼻を摘んで、後ろを振り返っては、オレに向かってぎんなん、ぎんなんと言う。―――ぎんなん、拾いに来たんじゃないんスかと言ったら、だって、臭いんだもんと返ってきた。

その臭いもんを、オレに拾わせようとするのは、一体全体どういう了見なんだ。



「全員揃って、ぎんなん臭くなる必要はないだろう。それとも、私がぎんなん臭くなってもいいのか?」
「ダメーっ!」
エリシアがその言葉に焦って大佐の足にぎゅっとしがみ付いた。
「私も、エリシアがぎんなん臭くなったら悲しいよ」
エリシアを抱え上げながら、大佐が堂々と言った。
ロイ!エリシア!と目の前で、お互いの愛を確認し合う2人は、オレの存在を眼中に入れていない。ナチュラルに無視だ。さすが、ヒューズ中佐の遺伝子を半分も持たされてしまっている子なだけはある。

「―――じゃあ、オレが臭くなるのはいいんスか?」
「お前が臭いのは今さらだ。タバコ臭い。オイル臭い。汗臭い。今更、ぎんなん臭くてもたいした差はない」
「―――‥‥」
大佐は、何を今更なことを、と言った。時々、もしかしてと思うことはあっても、深く考えたことはなかったが、オレは、もしかして、大佐に愛されてない、んじゃないのか?
―――いや、そんなこと、ない‥‥
タバコ臭いのはどうしようもないけど、オイル臭いのや汗臭いのは仕事上、仕方ないことだと思う。銃のメンテナンスにオイルは事欠かせないし、肉体労働専門を自負する以上、外を走り回っていくらだ。そんなオレに、臭い臭いって、香水やら何やら付けろって言ってんのか。――それに、街でそんなこと言われたことないし、ちゃんと風呂にだって入ってるし、そんなに言うほど、オレは臭くない、はず‥‥

大佐が、ぐっと黙り込んだオレに、これ見よがしに大きな溜息をついた。
「―――わかった。鬱陶しい奴だな。この軍事国家であるまじき、民主的多数決で誰がぎんなんを拾うか決めてやろう」
「えー‥」
それは無意味だろう?疑問を挟み込む前に、大佐が口を開いた。
「では!ハボックにぎんなんを拾わせてあげてもいいと思う人!」
エリシアと大佐が手を上げた。これを軍国主義的と言わずして何というのだろう。オレの肩が落ちたのを見て、大佐が高らかな笑い声を上げた。



両手に軍手を2重にはめて、言われるままにぎんなんを拾って、持ってきたビニール袋に入れていった。

持ってきた袋が大きかったせいで、拾っても拾っても、ちっともいっぱいになった感覚がしなかったようで、エリシアも大佐も夢中になって下を向いてぎんなんを捜して歩いていた。
そんな中、エリシアがふと、空を見上げた。
思わず、伝られるようにして、オレも上を向いた。見上げる空には、ぎんなんが鈴なりの銀杏の木立しかない。
「ロイー!ぎんなん!」
エリシアが空を指差して、大佐を呼んだ。

あっ、と思ったときはすでに遅かった。エリシアの意図を察した大佐は、にこやかに、コートのポケットに入れていた発火布を手にはめて、指を弾いていた。


06

オレの想像としては、大量のぎんなんが降ってくる、という感じだった。臭いぎんなんが大量に空から降ってきて、逃げ場がなくなった大佐も遂にはぎんなんまみれになる‥。
しかし、現実は、もっと非現実的だった。

大佐が、あ、と言ったのと同時に、エリシアがきゃーっと明らかに楽しげな歓声を上げた。



天気のいい日と言えども、銀杏の木立の中に入れば薄暗く、木々の間から注ぐ日差しが鮮やかなコントラストを作っていた。
―――この平和的で美しい空間に無数の火の玉が振ってきた。

エリシアは全く怖がる気配すらなく頭上を見上げ、大佐は呆けている。反射のように、5歩分の距離をジャンプで一息に距離を縮めて、大佐とエリシアを庇って地に伏した、はずだった。大佐の肩に手を触れるか触れないかのタイミングで、大佐が振り上げた手がオレの手にぶつかった。それでも、オレは、できるだけ速く、2人の体を少しでも低い位置に移動させたくて、大佐とエリシアを力ずくで押し倒した、が、逆に、振り上げられた大佐の手に押し倒されたのはオレだった。押され所が悪かったせいか、あまりにあっさりとバランスを崩して尻もちをついたオレの上に、大佐とエリシアが容赦なくどんっと腰を落とした。視界には、無数の火の玉が迫る。―――その時、再び大佐が指を弾いた。



そして、世界は元通りだ。
まるで、オレが幻を見ていたかのように、そこには再び、静寂が広がっていた。
「邪魔をするな。危なかっただろう!」
大佐がオレの腹に座ったまま、言った。
その口ぶりに、大佐とエリシアを身を挺して守ろうして伸ばしたオレの手にぶつかったと思った大佐の手は、ぶつかったのではなく、振り払ったのだと確信した。大佐が失敗した阿呆な練成を練成で何とかするために、邪魔だと!
「アンタ、何したんスかっ!」
「別に、たいしたことはしていないぞ。ぎんなんを落とそうと思ったのだが、ちょっと、加減を誤って、――ぎんなんが熟し過ぎていたせいだが、火がついて燃えてしまったんだ。そして、それを、地面に落ちる前に燃やし尽くした、ということだな」
なんて、迷惑極まりない!

だが、これで、セントラルパークのぎんなんはなくなった。よって、オレたちは、拾うものがなくなった訳だから、帰ることを余儀なくされたのだった。オレが持っている袋に入った大量のぎんなんの臭さに辟易したエリシアと大佐に否はなかった。
袋に入ったぎんなんは、ビニール袋を何重にも重ね合わせたら、やっと臭くなくなった。そしたら、エリシアが持つと言い出して、オレは素直にそれを渡した。



2人は、それでも、鼻を摘みながら帰り道を行く。
「臭い」
「くちゃい」
「ハボック、お前、臭いぞ」
「ハボたん、くちゃいぞ!」
当たり前だ。オレは、アンタらを庇ったせいで、ケツでぎんなんを潰してしまったんだから。
「それで、家に入ったら家中ぎんなん臭くなるな」
「――アンタ、オレにずっと外にいろって言ってんスか?」
「そこまで、言っていないだろう。あー、外の水場でその臭いGパンを洗って来たまえ」
「たまえー!」

大佐は宣言通り、オレがヒューズ邸に入る前に玄関を閉めて、オレを締め出した。洗って来いと付け加えて。この寒空の下で!



辞表を出すかどうか迷った挙げ句に、今日の成果である例のものがまだヒューズ邸にあることを思い出して、結局、尻だけ濡れたGパンをはくオレ‥‥。パンツまで洗うことになんなくてよかったと胸を撫で下ろす自分に人知れず涙した。


07

―――きっと、グレイシアさん手作りの3時のおやつは、あの人たちに食べられちゃってるんだろう。オレの分を仲良く半分に分けて、食べている光景が容易く思い浮かんだ。10時のおやつが目新しいものだっただけに、せめてどんなものかくらい見ておきたかったんだけど‥‥

自分のぎんなんがへばりついたGパンを洗うついでに、拾ってきたぎんなんを庭に穴を掘って埋めておく。きっとこういう手間を知らない、あったかい家の中にいる人は、ヒスイ色のぎんなんを見るにはまだまだ時間がかかると知ったら、絶対、すぐに興味を失うんだろう。
日が傾き始めてきて、風が一層寒く吹いてきた。タバコから立ち昇る紫煙が、瞬時に掻き消えてしまう。早く、あったかい部屋に入るべきだった。



1回目のドアベルは軽く無視された。想定内だ。2回目からは、ドアが開くまで叩き続ける。昼寝でもされていた日には、軍法会議所中佐邸侵入訓練になる。何で、せっかくの休暇にそんなことまでしなくちゃならない。ドアベルを叩くリズムが、自然と速くなって行った。なかなか開かないドアに、焦りが募ってきた頃に、ようやくドアが開いた。

「――どなたでしゅか?」
やっと応答のあったドアはチェーン錠がかけられたままで、わずかに開いたドアの隙間からエリシアが恐る恐る顔を覗かせた。
この状況で、オレ以外がドアを叩くなんてないからっ!エリシア!
叫びたい気持ちを抑えて、ハボですよ、と笑顔で言った。寒さに少し、引き攣ってしまったけど。エリシアに誰が来たか確認するように言い含めたり、あえてドアにチェーンまで掛けておいたりと、オレへの嫌がらせに余念がないとこがほんっとにロイ・マスタングだ。

ドアの外にオレを見て、エリシアがほっとした顔を見せた。頭上のチェーン錠を外そうと精一杯背伸びして手を伸ばすが、エリシアには、まだ届かない。隙間から手を差し込んで、外すのにコツがいるチェーン錠を外して、やっとあったかい室内に入る。大佐は出迎えにも出てこない。
「あー、エリシア、大佐は?」
「ロイは、おでんわちゅうー!」
エリシアは、そう言うとオレの人差し指を掴んで、ぱたぱたとリビングに向かった。指先から伝わってくる子供特有の体温の高さが冷えた体に心地よかった。

「ハボたん、おててがちゅめたい!たいへん!」
今日、はじめての優しい言葉に、木枯らしに吹かれて荒んだ心が癒されていった。リビングには、ちょうど電話を掛け終えた大佐がいて、なんだ、チェーン錠、外せたのかと言われ、挙げ句に、今度、外から外せないチェーン錠の構想を陳情しろとまで言われた。
また、心に木枯らしが吹いてきた。



「今、夕飯の材料を注文していたんだ」
その唐突な一言と共に渡される一枚の紙切れ。そこには、料理のレシピが書かれていた。手書きの紙切れに、野菜の皮のむき方から切り方まで詳細に書かれたその字は、明らかに大佐のものだった。
「エリシアの絵本に書かれていた、食べ物が食べたくなったんだ。異国の料理だったが、ファルマンに電話をかけたら知ってたよ。さすが私の部下だな」
「ここまで、丁寧に書かれてんじゃあ、アンタにもできますよ。きっと」
今度は、夕飯の仕度か!やりたくない。やりたくない。
「本当にそう思うのか?ハボ?」
野菜を切るのすら、ままならないことを自覚している大佐が、ほんの少しだけ、羞恥に頬を染めて言った。

「――イイエ、オモッテマセン」
この言葉でなし崩しに、キッチンへ追いやられた。胃が痛くなるものを食べるのがいやなら、自分で作るしかないんだと言い聞かせる。

オレが野菜を切ったり、どこぞの店から届けられた干した魚のスライスから出汁を取ったりしてるのを、2人は飽きもせず、後ろから見学する。その内、エリシアがオレの尻だけ濡れた無残なGパンを見て言った。
「ハボー、おしり、ちゅめたい?さむい?」

冷たくて、寒いのは尻じゃなくて、心だ。


08

エリシアが突然、大佐の袖口を引っ張て、キッチンを飛び出していった。
ロイー、あのねー!と、廊下で、そう大佐に言うエリシアの声が聞こえてきた。





大根、人参、じゃが芋、こんにゃく、卵、蛸、牛すじ、形が凝ってる練り物、わざわざ結んだこんぶ、‥‥生麩、焼き豆腐、がんも、はんぺん、はじめてみる異国の食べ物がふんだんに届けられていた。さらに、でっかい「土鍋」というものも。
その「土鍋」にはじめに取った出汁に入れて、このちっさい食べ物を、煮込んでいく。これは「おでん」という異国のポピュラーな食べ物らしい。
しかし、オレに留守番のお守りを頼んでいったグレイシアさんは、夕飯にと、でっかいカニを丸々一匹用意して行ってくれたのだった。オレはカニが食べたい。おでんと言うものよりも。とにかく、このでっかいカニをどうやったら食べられるか、ずっと悩んでいたが、チャンスは唐突に到来した。エリシアと大佐がいない今うちに、そっとこの土鍋に一緒に入れて、蓋をする。料理なんて作ったモン勝ちである。



おでんを後、煮込むだけになった頃、賑やかな2人分の足音が聞こえてきた。
「ハボたん!おめめ、つぶって!」
振り返る前に、そうエリシアに言われて、足に抱きつかれた。慌てて火を弱火にするが、下から、エリシアにじっと見られて、やむなく目を閉じた。
とくかく、鍋の蓋を取られなければいいんだ、と自分に言い聞かせる。

濡れたGパンに、ひやりとした感触があって、その後、べしんと尻を叩かれた。尻にわずかな重さを感じ、何かがぶら下がったのがわかった。
「あのー、もう、目、開けていいっスか?」
「ん?まだ、だめだな。接着剤が乾くまで待て。速乾性だからすぐだぞ」
「はあ?接着剤?」
思わず、目を開けて振り返りつつ、後ろに手を伸ばしたが、大佐にぺしんと叩き落された。しかし、オレの尻にくっつけられたものをオレは見てしまった。
――ライトブラウンの細長い毛皮。まるで、犬の尻尾のような。
「きゃー!わんこちゃん!」
エリシアの甲高い声が、オレに現実を教えていた。

「あ、あの、エリシア?」
「だって、おしりがちゅめたそうだっだんだもん!これで、あったかい?」
エリシアは、少し不安そうに首を傾げて見上げていた。純粋な善意なのだろう。何してやがる、このガキ!なんて、オレには口が裂けても言えそうになかった。
「あ、あったかいっスよ‥‥」
「じゃあ!わんこちゃんは、わん!」
エリシアは、満面の笑みを浮かべて言った。

「―――――わん‥」

目の端には、それはもうご機嫌な大佐が笑いを堪えている。
「で。『おでん』とやらはできたのか?」
「はあ‥‥」
「ははは!違うぞ!わん、だろう!」

「――――――わん‥」
大佐の顔と同じサイズのでっかいカニを食べるまでは帰らない!
その一念が、オレに一鳴きさせたのだった。



リビングの低いテーブルに、わざわざ「土鍋」を運んで夕飯となった。エリシアが率先してフォークやスプーン、取り皿を運んでくれる。
「似合うぞ。ハボック」
「――どこから、こんなもの用意したんスか?」
「ヒューズの書斎から」

書斎にこんな犬の尻尾があるなんて、やはり、前々から怪しいと思っていたが、ヒューズ中佐は変態だったのだ!
今後、半径3メートル以内には近寄るまい、とオレは心に決めた。


09

もともと、料理のできない自覚のある人だ。できあがったものに、そうそう、文句を付けるようなことはない。

背の低いテーブルの上におでんをセットして、全員が床の上に座る。こうやって食べるのが、おでんを食べる正しいスタイルらしい。そして、ようやく、蓋を開けたら、2人からどよめきのような歓声が上がった。直径45センチの土鍋の中に3分の1だけ沈んだでっかくて、真っ赤なカニがその存在を主張している。そしてその周りには、色とりどりの野菜やら練り物やら一口サイズの食い物が散らばっている。あまりに芸術的だ。

2人からは危惧したようなブーイングはなかった。どうやら、おでんというものには、カニを入れてもよかったらしい。ブーイングが起こったら、オレはオレの責任において、カニを丸ごと一匹独り占めできたのに。

「ハボック!取り皿!カニ用の!」
オレに命令する大佐の声は明るく弾んでいた。一言、言ってやりたかったけど、口を開けば、また、ワンワン言えって言われそうな気配を察知し、無言で席を立つ。後姿に、エリシアと大佐の熱い視線を感じた。そんなに、尻尾が気に入ったのなら自分の尻に付ければいいのに‥‥。



取り皿に、カニ用のフォーク、カニの殻入れを3人分用意して戻ったら、驚くべきことに、2人とも大人しくフォークを握ったまま、何も荒らさずに待っていた。相変わらず、2人の視線はオレの歩くと揺れる尻尾に合ったままだ。

持ってきた皿を渡して座ったら、逆に、大佐に皿を渡された。カニとはんぺんとだいこんとたまご、と言いながら。そして、大佐のその傍若無人な様を見た、エリシアが大佐のマネをするように自分の皿をオレに向けて、カニ、と言った。
――なんかもう、ハイハイという気分で、皿を受け取った。あったかい部屋に、いい匂いのする湯気の立つ土鍋には、でっかいカニが一匹。怒ってる場合じゃなかった。

「あー、そういえば、ぎんなんはどうした?」
「あー!ぎんなん!」
「今まで忘れてたんですね。やっぱり‥‥」
練り物はまだ熱くて、大佐もエリシアも口に入れられなくて、まず、カニに手を付けた。
「――気を利かせて、おでんに入れるぐらいのことができたら、今のようなうだつのあがらないままじゃなかったろうに」
カニ身が上手く取れない大佐が、いつものように、オレに八つ当たりをする。
「――3時のおやつ、オレの分はどうしたんですか?」
カニ身が上手く取れるオレは、余裕をもって、いやみをいやみで返すことができた。
「たべたのっ!ねっ!ロイ!」
エリシアがにっこり笑った。
「あ、ああ、そうだね。エリシア。――ハボ、そう言う事だ」
さつま芋のお菓子だったと大佐は言った。これも10時のお菓子と同じ異国のお菓子で、芋ようかんというものだったらしい。
カニの前では、大佐得意のいやみも長くは続かない。

土鍋は保温効果が抜群で、いつまでもあったかい湯気を立ち昇らせていた。言われるままに、取り皿に食べたいおでんのネタを取ってやったり、カニを取り分けてやったり。エリシアも大佐もカニが上手く食べられなくて、悪戦苦闘しているのを見ながらの夕飯はなかなか楽しかった。何より、メシを食ってる限り、この2人がこの家を破壊する余地はないはずだ。黙り込んで、カニを必死に突く2人の姿は見てて飽きないし、なんかかわいい。きっと、その内、オレが剥き身にしといたカニが、オレの前に山盛りにあることに気付いて、いかにこれを我が物にしようか頭を悩ませるのだろう。

「――そういえば、ぎんなんは拾ってきてすぐは食えないんスよ。果肉を腐らせるために数日は、土の中に埋めておくんです。だからね、エリシア、今日、拾ってきたぎんなんは、来週になってからグレイシアさんに剥いてもらうんだよ?」
「きれいなぎんなん?」
「そうだよ。ヒスイ色のぎんなんだ」
「ロイたんのは?」
「あー、大佐、見たいっスか?」
「見たい!私だって、拾ったんだぞ!」
「拾ってないっしょ。あー、んじゃあ、イースト・シティで探してみますよ」
「ロイたん!」
エリシアがよかったねと、大佐にぎゅっと抱きついた。



カニが入ったおでんはびっくりするほど美味しかった。
カニも腹いっぱい満足のいくまで食えて、でっかい幸せを感じた。うまいカニだった。


10

長時間に渡った夕飯が食べ終わる頃には、エリシアにはもう、おねむの時間になっていた。大型のソファでうとうとするエリシアに、リビングの明かりをスポットライトだけにして、毛布をかけたら静かに眠ってしまった。それを確認して、静かに夕飯の後片付けをはじめた。でっかいカニを用意しておいてくれたグレイシアさんに、帰ってきてすぐにキッチンに立たせるようなマネはできない。そして、あまりに美味しかった夕飯は極悪人の心を改心させた。大佐が率先して後片付けを行う日が来るなんて、夢の中でしか来ないと思っていたのに。

大佐が皿を割ったり、その後始末をオレがしてたら、もうじきヒューズ中佐とグレイシアさんが帰ってくる時間になっていた。――例の、大佐の仕官学校時代のアルバムは、朝、その置き場所を教えられたときに触っただけだった。まだ、開いてない‥‥。
オレのマヌケぶりを罵るヒューズ中佐の声が聞こえてくるようだった。いや、すぐさま、それは現実になる。こんなに腹一杯で気分がいいのに、バカだ、アホだと‥‥。



うん、もう、例のアルバムは貰って帰ろう。オレは、それだけのことを、やりとげたし。

腹が満たされてると、どうやら気が大きくなるようだった。心が決まってしまえば、時間との勝負だ。大佐を適当に言いくるめて、さっさと、アレを取りに中佐の書斎に向かって、入って――、一瞬と言わず、有に1分は息が止まった。

朝、静寂に満ちていた書斎に、床の絨毯が見えないほど大量の、切り刻まれた毛皮の残骸が散らばっていた。しかも、長毛のライトブラウンの毛皮‥‥‥。
オレは自分の尻に付けているものが、何からできているのか瞬時に理解した。おそるおそるその残骸の最も大きいものに手を伸ばして持ち上げてみる。
―――これは、おそらく、コートだったのではないか?
そんな名残が伺えた。オレは身震いを止められなかった。床には、これが入っていたと考えられる、高そうな箱が空っぽになって、放置されている。

オレがメシを作ってたとき、ちょっと目を離した隙があった。きっとそのときだ。あの2人が、この高そうなものを、オレの尻に付ける尻尾の形に切り刻んで、遊んでいたのは。

まさにその時、ドアベルが鳴り、ヒューズ夫妻が帰ってきたことを知らせた。

オレは迷わなかった。自分の今日の目的であるアルバムを掴むと、Gパンの腰口に無理やり突っ込んで、オレは何も見なかったと自分に言い聞かせてから、書斎を出た。玄関口からは、大佐たちの話し声が聞こえてきて、全員、玄関にいることがわかった。ちょうどいい。大佐のコートを取りに行き、自分の上着はさっさと着て、何とかアレの気配を隠した。ついでに、尻尾も。

努めて、いつものように近づいて、面倒臭げに、大佐、コート、と言って、いつものようにコートを広げれば、大佐はヒューズ夫妻と話しながらも、いつものように袖を通した。コートを着せてしまえば、もう、帰るのは決定だ。誰も、疑問に思わず、大佐とオレは帰る雰囲気になってきて、エリシアが眠そうな目を擦りながら、わんこちゃん、また来てねと言ってくれた。それ以上のことをエリシアは言わなかった。カニを分けてあげた効果かもしれない。オレは帰りの挨拶をして、ヒューズ邸を無事脱出することができたのだった。





外の冷えた空気が気持ちよかった。まだ、深夜というわけではないが、帰りを急ぐ車が時折目に付き、街頭を行く人影も少なかった。そんな中、背後にヒゲとメガネの男が追ってくる気配もなく、胸を撫で下ろしていたオレに、大佐が、一杯、飲んで行くか?と、機嫌よく言い出した。もちろん、アンタのおごりなら、いつでもどこでも付いて行くとも!
オレは、でっかい仕事をやり遂げた達成感に満たされていた。



今年、解禁されたばかりのワインのボトルを抱えて、大佐はかつてないほどご機嫌にしゃべった。

「ああ、あれはリンクスだ。先日、私が知人のつてを頼って、オークションで落札したんだ。なんでも、グレイシアの兄君の奥方がそれはそれは見事なシルバーフォックスを着ていたそうだ。それを見たヒューズが、その毛皮に勝る毛皮をグレイシアに送ろうと、阿呆な見栄を張ったばかりに、私どれだけ走り回ったかっ!!」
――つまりは、その毛皮を子供のおもちゃにしてしまったと‥‥?
「ヒューズが書斎に隠しておいたあのリンクスをエリシアが引っ張り出してきて、お前の尻尾にしてと言ったときは、さすがヒューズの娘だと思ったよ。同じ毛皮に目をつけるんだからな!あの家と同じ価格の毛皮を切り刻むのは気分がよかった。あの雰囲気だと、まだ、ヒューズはグレイシアにアレを落札したことを言っていないだろう!はははっ!書斎のあれをどう説明するのかと思うと笑いが止まらない」
――あの家と同じ価格って‥‥?
「エリシアは人を思いやれる、優しい子だ。ヒューズもグレイシアも、自分の教育方針に自信をもつだろう。エリシアを、叱ることはあるまいよ」

この毛皮の件があったから、ヒューズ中佐は大佐にこの留守番を頼んだときに、あんなに低姿勢だったのだろう。なぞは解けた。



今頃、あの人があの書斎のあり様をみて、呆然としてると思うと酒が異様に上手く感じた。もしかしたら、今年のヌーボォーの出来がすごくよかったのかもしれなかったが。
大佐と、今日何回目になるかわからない乾杯を、高らかに交わした。
10000HITを踏んで下さった∪・ω・∪さまへ!
シチュエーションは、「3人でお留守番」です!!

10000HITにいただいた、お題は「あったかいお話」でした。
陽だまりとカニと思いやる心で、あったかさを表現してみたのですが、どうでしょうか?

∪・ω・∪さまへ!
拙文で恐縮ですが、以上な感じになりました!お題、ありがとうございました!

2005.11.01〜2005.11.16