アラスカ行記




2日目(2月3日) フェアバンクス(1)

「…て。…おーい。…起きて。」
「んー。」
「12時だよぉ。」
「…」
妻に優しく起こされる。

 確かこのロッジの朝食兼昼食は11時…。寝坊したーーーー!!顔も洗わずダイニングに下りると昨日の親子が食後のコーヒーを飲んでいた。そしてキッチンからブレンダが顔を出す。あー…、ソーリーブレンダ。でもやさしいブレンダは笑顔。目玉焼きとスクランブルエッグ、どっちがいい? 我々夫婦はイングリッシュ的にスクランブルエッグしかわからなかったので当然そっち。でもおいしいブランチ。あ、ランチになっちゃったけど。カリブーのソーセージはピリッとスパイシーで臭みもなくとっても美味。でもほんと、彼女のお料理はとってもおいしい。でもそんなブレンダの口から衝撃の告知が。「ごめんね、今日犬ぞりは乗れないらしいの。」えぇーーー!犬ぞりチャンスは今日しかないのに。来年いぬ年の年賀状のネタにしようと目論んでたのに。ガク…。なんでもマイナス20℃を下回った時は走れないらしい。それは昨日聞いていた。so cold ? いいえ、他のお客で一杯なんですって。まーしょうがないか。さて、気を取り直して何しよう。


 散歩しよう

 カメラ、デジカメ、ビデオカメラを持って出発。小高い丘が見えたので上ってみることに。あそこならマッキンリーもきれいに見えるはず。マイナス20℃もろともせず登る登る。いやー遠そう。でも10分で登頂。しかしそこから見る景色は実にアラスカ的。ほんとに美しい。
…あれ、マッキンリーどれ?見えなかったので下山。

 どうしても犬ぞりを諦めきれない妻はロッジからそりを引っ張ってきた。青いプラスチックのやつ。で、斜面登ってってワーって、私の横を通り過ぎて行った。妻がそりで向かったその先にはディジー(犬)。そりで滑った後犬とたわむれる妻であった。犬+そり?え、それでいいの?

 ひとしきり遊んで体の芯から冷え切った。なにせポケットの中の目薬が完全に氷塊と化していたぐらいだから。温かいの飲みたくなってダイニングに。ブレンダがコーヒーを入れてくれる。そして hungry ? って。ふたりで「うんうん」したらナッツとかチーズをてんこ盛りで持ってきてくれた。窓の外にはさっき見ることができなかったマッキンリーが夕日に染まり、足元にはテーブルの下から顔を出してるディジー。
今までこんなに幸せなティータイムは経験したことがないかも。のんびりした時間が流れ、1時間が良い意味でとても長く感じられた。ブレンダはキッチンに入りっぱなし。もうすぐご飯かぁ。今日のメニューはなんだろう。というわけでとなりの晩御飯作戦開始。2人でキッチンに忍び寄る。そこでふたりが見たものは!?

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