アラスカ行記




1日目(2月2日) 成田〜シアトル〜フェアバンクス(2)

 フェアバンクス空港に到着し、現地ガイドのマサコさんを発見。発見って言ってもそんなに人多くないからねぇ、すぐ出会えました。空港ではこの地特有の動物たちが剥製となってお出迎えしてくれました。ちょっと怖い。そして荷物をピックアップし空港の外へ

   …何だこの空気はー!!

寒いとか冷えるとか、もうそういうレベルじゃないのです。おなじ空気とは思えない。違う気体に包まれた感じ。口で息するとむせます。私はラーメンすすると熱い空気でむせるけど、冷たいのもダメってことが判明。で、鼻で息をすると鼻粘膜が急速冷却。よく鼻毛が凍るって言いますよね、あれです。ジーパンの下はまだパンツだけで、正直この装備で外に居続けたらヤバイ。なんだか色々言いましたけど、この時外気に触れていた時間は1分くらい。たったそれだけでここまで感じるこの寒さ。ちゃんとダウンジャケット着てたんだけど、マイナス30℃の前ではこれだけじゃだめなのね。ということでマサコさんの車で一路「Mtオーロラフェアバンクスクリークロッジ」へ。スキーランドにある小さなロッジで、オーロラ観測にはもってこいの場所らしい。車内ではマサコさんがフェアバンクスに関するいろーんな話をしてくれた。ここではひとつだけ紹介するね。フェアバンクスでは写真みたいに煙突の煙が直角に曲がって流れる。何で
も上層と下層で温度差が大きいからこんなふうになってしまうらしい。この構造がほかにも様々な現象を引き起こす。でもおかげで山の上のほうに滞在する私たちは市内より10度も暖かいおもいをすることができた。ま、それでもマイナス20℃なんだけど。

 興味深い話を聞きながら走ること30分。車はいよいよロッジに到着。ブレンダとゴールデンレトリバーのディジーが迎えてくれた。先客として日本人の母子が来ていた。夕食時、4人でいろいろな話を。昨日見たオーロラ、旅することの幸せ、身の上話…。ブレンダが作ってくれたおいしい料理に話も弾むのである。伸子さん、ドイツで元気にやってますかー(^o^)/~~
 我々がおいしいステーキにかぶりついているとブレンダのだんな様がやってきてそっと耳打ちする。「今日はブレンダの誕生日なんだ」。わー、何て素敵なタイミングで訪れたんでしょう、私たち。ってことで…?デザートを食べているときに「今日の料理はどうだった?」って感じでやってきたブレンダ。すかさず!4人が1〜2秒で目配せし全員起立!ハッピーバースディ斉唱。とってもうれしそうだった。

 さてさて、夕食も終わりいよいよオーロラ観測の時間が近づいてきた。現地でレンタルした防寒着の出番。日本で色々と情報収集していたときから、妻はこの防寒着のデザインを重要視していた。赤いのがイイとか青いのはちょっとつらいとか。でも今回我々が借りたモノは青い袋に包まれている。今のところ青優勢だ。いよいよ紐を緩める。緊張の一瞬。さぁ、出てくるのはやはり青なのか、逆転の赤なのか!!
 
     え
紺色!?

相当不意打ちですから、これ。で、上下の色が少し違う…。さらに夫婦で微妙にデザイン違ってる時点できっちりトドメさされました。
 22:00に下に降りるとブレンダの息子さんのトロイが待っていてくれた。近くの観測小屋まで車で連れて行ってくれるという。つうか5分だって!近い・・・。
 ロッジから外に出るとすでに巨大なオーロラが出ていた。言葉を失う。こんなにスグに見れるなんて。見上げてるとトロイが「イキマショカー」だって。訪れる日本人の多さが垣間見れるよ。観測小屋はとっても快適。暖かい飲み物が自由に飲める。トイレもある。ガラス張りの真っ暗な部屋もあって中で待機もできる。うーんまさにオーロラのためにある建物って感じだ。…って、のんびりしてる暇はない。すでにオーロラは出ているのだ。カメラを担いでいざ外に。やっぱすごい。夢中でシャッターを切る。
テンション上がって開放時間が短くならないように注意した。ピ、ピ、ピって電子音が鳴るレリーズで撮影したんだけど、オーロラに夢中になって何回も経過時間を忘れた。緑色に怪しく輝くオーロラは神秘的で、この旅行の長〜い1日の疲れを忘れさせる。オーロラがその形を変えていく。シャッターの音が乾いた空気に響くたび、アラスカを肌で感じていく。

  
あー…、至福!








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