- 安心
- 医者がホームをやる最大のメリットは「安心」です。
お年寄りには、医療も介護も必要です。具合が悪くなったら退所してと言われるのであれば、安心して老後を過ごすことが出来ません。街中の少人数のホーム
なら、私も毎日往診に行ける。一方で私の医院では介護が中心のお年寄りも
多く、治療を急ぐ人がベッドの空きを待っている現実もあります。医療と介護の場の機能を分けつつ、連携させていく必要性を痛感しています。
- 普通の生活
- 食事、散歩、買い物という普通の暮らしを自分だったらしたいし、偉そうなことを言えば私という医師を頼ってくれるお年寄りには最後まで幸せでいてほしい。人を預かるのですから、グループホームに入ったことで生活の質が低下するようでは問題外です。既存のグループホームと横のつながりを持ち、介護や医療のネットワークを作る必要性も感じています。
- 理想の空間
- グループホームの建築前に3〜4年間、職員と研究を始めました。間取りを一つにしても、居住・共用・管理のスペースを分離させない方がいいとか、居室と共用の中間的な空間があるといいことが分かった。一から建てることで理想を形にできた、ということです。
- マチ医者
- 先進医療より地域医療。ごく自然な流れです。医者が地域に根付かないと、お年寄りは精神的にも肉体的にも大変な苦労をします。私はここで生まれ育ったので、医院やグループホームを『赤字になったからやめます』と投げ出すことはできません。マチ医者の務めは自分で診れるかどうかを判断して的確に都会の病院にリレーすること。なかなか難しいし、先進医療と同じようにやりがいのある仕事です。