肝臓病

目次
  • 肝臓の働きと仕組み
  • 人体の化学工場
  • 肝臓の疲れ
  • 注意したい肝臓の病気
  • 主な検査と数値の見方
  • 注意したい症状
  • 東洋医学からみた肝臓の働き
  • 肝臓の働きと仕組み

    一番大事で中心になることを「肝心かなめ」といいます。
    古くから伝わる言葉が示すとおり、肝臓は人体の中で、大変重要な働きを担っている臓器です。
    肝臓は人間の身体の中で脳に次いで大きな臓器であり、生命活動を維持するためのさまざまな働きをしています。
    そのために障害を起こして、機能が悪化するとたいへんなことになるわけです。
    しかし、肝臓はダメージを受けても弱音を吐かず、痛みも現さない「働き者」です。自分でも十分注意してるつもりでも、知らず知らずのうちに酷使して、肝臓を痛めつけていることに気づいてない人も多いのです。

    肝臓の働きと仕組み

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    人体の化学工場

    人間の身体にとって重要な働きをしている肝臓ですが、その仕組みと働きは実に複雑で多岐に渡ります。よく肝臓は「人体の化学工場」に例えられます。肝臓の主な働きは次の通りです。

    人体の化学工場

    代謝機能

    人間の身体は食物から消化、吸収した栄養素をそのままの形では利用することができません。
    そこで、栄養素を分解したり合成したりして身体が利用できる形に作り変えなければなりません。
    このような栄養素の作り変え作用を代謝といいますが、この代謝作用が肝臓の仕事の中でも最も重要なものです。

    解毒作用

    食べ物や飲み物の中には、栄養となるもの以外に時として有毒なものが含まれていることがあり、有害物質の多くは腸から吸収され肝臓に集まってきます。
    また体内でも食べ物を分解する過程でさまざまな有害物質が生じます。
    肝臓は自分の持っている解毒作用の働きによって、これらを無毒化して体外に排出し、有毒物質が全身に回るのを未然に防いでいます。

    胆汁の合成

    肝細胞でつくられる胆汁は消化液の一つで、脂肪の消化・吸収に欠かせないものです。
    また。脂溶性のビタミンであるビタミンA,D,E,Kなどの吸収も大切な役割です。
    また、肝臓で処理された老廃物や身体に必要のないものを排除するのも大切な仕事の一つです。
    肝炎や胆石などの障害があると胆汁の合成や排出がうまくいかなくなり、黄疸となって現れます。

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    肝臓の疲れ

    肝臓の疲れ

     

    肝臓の疲れが出ている人は4人に1人

       

    肝臓は全身に栄養を送り、全身の老廃物を処理しています。よって毎日休むことなく働き続けている臓器です。そして、2500億個の細胞の一個一個が独立した化学工場として働いています。ですから、肝臓をいたわってあげないと化学工場がオーバーヒートをおこしてしまいます。健康診断や人間ドックなどで肝臓の働きを調べる「肝機能検査」をすると肝臓の疲れの出ている人が4人に1人もいるのです。コレステロールの高い人や高血圧の人より多くみられます。

     

    肝臓の働きが低下すると・・・

      
    • 疲れやすい
    • お酒が弱くなった
    • だるい
    • 元気がない
    • 疲れが抜けない

    などの症状が現れます。

    肝臓の元気はこんなときに低下します。

    • 1 アミノ酸(たんぱく質)不足
    • 2 ビタミン不足
    • 3 脂肪過剰摂取
    • 4 アルコール、薬の服用
    • 5 ストレス
    • 6 休養不足

    日常で注意したいこと

    • 1良質なたんぱく質を十分に摂る。また、代謝に必要なビタミンBを多く摂る。
    • 2食後は1時間ほど横になること。(食後しばらくは肝臓への血流が流れやすい状態でいることが大切
    • 3お酒、香辛料は適度に。
    • 4ストレスは早めに解消する。(ストレスは肝臓の働きを一番低下させる)

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    注意したい肝臓の病気

    日本で一番多い肝臓の病気はウイルス性肝炎です。
    原因となるウイルスはいくつかありますが、一般的に問題となるのはA,BCの3種類です。
    肝炎ウイルスに感染すると、まず急性肝炎をおこし一部が慢性肝炎へ移行します。
    また、ウイルス性肝炎や長年のアルコールの取りすぎによるアルコール性肝障害が進行すると肝臓の個脳が極めて悪化する肝硬変となり、肝臓がんが発生しやすくなります

    A型肝炎

    A型肝炎ウイルスによって感染します。ウイルスに汚染された水や食べ物(主に生ガキなどの生の魚介類)などを摂取することにより感染します。
    適切な治療でほとんど治ります。

    B型肝炎

    B型肝炎ウイルスによって感染します。
    1~6ヶ月で発病し最初はカゼや急性胃腸炎に似た症状があり、やがて黄疸が出てきます。
    大人になってから感染した場合は大部分は2~3ヶ月で治ります。

    C型肝炎

    C型ウイルスが原因で輸血や血液を介して感染します。
    2週間~6ヶ月で急性肝炎を発病したり、徐々に発病する場合があります。
    身体のだるさ、発熱、食欲不振などカゼに似た症状で始まることが多いのですが、自覚症状がまったくない場合もあります。
    急性肝炎が治っても慢性肝炎に移行する場合が多く肝硬変や肝臓がんへと進行することもあります。
    C型肝炎を詳しく見る

    慢性肝炎

    肝臓の炎症が6ヶ月続いている状態です。
    原因のほとんどはB型・C型肝炎ウイルスの感染によるものです。症状はだるい、疲れやすい、食欲不振など目立たない軽いものですが、採血して検査すると肝機能に障害があります。
    症状はたいしたことはありませんが、この状態が十数年続くと、肝硬変に進みさらに肝臓がんになる可能性もあります。

    肝硬変

    肝炎などの肝障害のために肝臓が何度も繰り返しダメージを受けると組織が繊維化し肝臓全体に広がり、表面がでこぼこに変化してしまいます。
    一度繊維化すると元には戻らず、その部分の肝機能が失われてしまいます。
    肝硬変は慢性肝炎をはじめとする肝臓病の「終着駅」といわれ、肝臓がんのほとんどが肝硬変から発生します。

    肝臓がん

    肝臓にできる悪性の腫瘍で、最初から肝臓の組織に発生したものを原発性肝がんといいます。
    肝がんは進行した肝硬変に合併して起きることが多く、特にウイルス性肝炎から慢性肝炎、肝硬変に移行した人では肝がんの発生率は高くなります。
    症状は相当進行するまでありませんが、進行すると黄疸、体重減少、腹水、嘔吐などの症状が現れてきます。

    脂肪肝

    肝細胞の中に脂肪(中性脂肪、コレステロールなど)が異常に蓄積された状態を脂肪肝といいます。
    原因の多くは肥満、糖尿病、アルコールの飲みすぎによるものです。
    脂肪肝はほとんど自覚症状がないのが普通ですが、肝炎を合併しやすいという特徴があります。
    太り過ぎの人は減量を心がけることが大切です。

    注意したい肝臓の病気

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    主な検査と数値の見方

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    注意したい症状

    肝臓は人体にとって大切な働きを黙々と続けています。
    肝臓が弱ったり、病気になっても、それに気づかずに酷使していると気がついたら肝臓病に進んでいたというようなケースもあるので、油断はできません。
    肝臓が疲れたり、病気の初期にはまったく症状が出ないかというと決してそうではありません。
    次にあげるようなさまざまな症状が現れたら、肝臓が疲れていたり、病気になっていたりする可能性がありますので、注意が必要です。

    注意したい肝臓の病気

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    東洋医学からみた肝臓の働き

    漢方では肝臓を「肝腎要(かんじんかなめ)の肝」といって腎臓につぐ重要な働きをし、身体を襲う あらゆる外敵と戦う臓器ととらえています。東洋医学では、肝臓のことを「肝は血を蔵す(やどす)」という言葉で表現します。

     ■ 「肝は血を蔵す(やどす)」とは・・・・・

    症状がひどくなり悪化して血を出す病気(たとえば、喀血や吐血する胃潰瘍など)がありますが、現代医学的にみて一番多量に出血するのは、肝硬変のために食道に静脈瘤ができ、その静脈瘤が破れたときです。
    私たちの身体のあらゆる部分に栄養を与えていくには、血液が必要です。
    身体のいろいろな臓器が十分に機能していくにも、皮膚がうるおいを保つにも、呼吸するためにもすべて血液が必要です。
    この血液を多量に持っているのが肝臓です。
    「肝は血を蔵す(やどす)」とはこのことを指します。

    肝臓と腎臓
    私たちが日常健康でいるために、この二つの臓器に負担をかけないようにすることが「肝腎(かんじん)です。」

    肝を病んだときの症状

    肝が弱ってくると、どんな症状が起こるのでしょう?

    皮膚 皮膚に潤いがなくなり皮膚枯燥という症状が起きてきます。
    肝は血液を貯えて、それを全身に回していますが、血液が少なくなると皮膚に十分に回らなくなります。
    そうすると皮膚が栄養失調にかかり、皮膚に艶がなくなりカサカサしてくるのです。
    両手や両足 両手や両足のひらなどが熱くほてってきます。
    そのために夜中に布団から足が出したり、ほてっているためになかなか寝付かれないといった状態が起きてきます。
    西洋医学でも、手のひらが赤くなっていることを手掌紅班とよんで、慢性肝炎、あるい肝硬変診断のひとつの目安にしています。
    目にいろいろな症状がでてきます。
    目が疲れる、目が痛い、酒を飲むとすぐ目が赤くなる、朝起きて目を見ると充血しているなどがあります。
    針灸の経路の一つに足の厥陰肝経というのがありますが、これはその連絡経路のなかで、肝と目とはつながりをもっていると考えています。
    精神面 肝が交感神経の分野をつかさどっていることから、イライラして夜もろくに眠れない、むしょうに腹がたつなど「肝しゃく」という言葉どうりの症状が起きてきます。
    その他 神経過敏症、舌に白苔、吐き気、口が苦い、胸脇の圧迫感などの症状が起きてきます。

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