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第22回 『MPS報』

MPS報の歴史

頭からいきなりのお知らせです。今回を以って「MPS報」の第1号〜181号全ての掲載は終了しました。依って、「復刻!MPS報」のコーナーは最終回となります。在塾していた頃の「MPS報」をもう一度読んでみたいという方は、卒業生の談話室(人によっては宴会場 ?)に、過去の文集、新聞だけでなく、MPSの資料、写真、当時の教科書、問題集等を保存してありますので、ご自由に閲覧ください。
 卒業生の方の多くはMPSの思い出として、activeな行事であった夏季キャンプ、卒業旅行、マラソン大会、クイズバス旅行などのことが頭を過ぎると思いますが、私自身は三宅学習塾の精神の根底には「MPS報」が脈々と流れていたからだと考えています。派手さはないのですが、「MPS報」のお陰でいろいろな行事は盛り上がり、長く続いたのだと思っています。
 塾で新聞を作ろうということになったキッカケは、1972年に映画「どぶ川学級」を塾生と見に行ったことでした。そのストーリーは、教育にはズブの素人で、鉄工所でアルバイトをしている大学三年生が、どうしようもない怒りと不満をグレることによって発散している少年たちや、授業からおいていかれる少年たちと、真剣勝負ともいえる集団学習の場である「どぶ川学級」を通して、心のふれあいの中から、ともに生きる目標を見つけながらそれぞれ成長していく姿を描いたものでした(だったような気がします)。
 塾を始めた当時、学校では教えない一味違う「学びの場」を考えていました。それは、「モラル・協調」「楽しみ・喜び」「誠実」の「心」でした。10代前半までの自分を振り返る時、大学受験までの活字嫌いだったことを自省し、「新聞」を塾生の絆にしようとしたのかもしれません。
 MPS報の前に「中学時代」・「MPS」という文集があり、1969年〜72年に7号まで発刊されました。そして、2年後の74年に新聞形式の「MPS報」が創刊されましたが、4年ほどで休刊になってしまいました。その理由は、当時はまだガリ版(謄写版)印刷であったため、製版、印刷にかなりの労力と時間を費やしたからです。しかし、三宅学習塾の精神を理解してもらうためには、塾生に私と同じ轍を踏ませないためにも、「MPS報」をなくしてはならないという思いはありました。
 しかし、1980年代になると科学技術(特に電子工学)は急速に進歩し、そのお陰で事務機類は特に進化しました。更に、MPSの塾生も中学生の部は1学年40名前後になり、定期テスト問題も独自に作成していましたので、オフセット印刷機、和文タイプライター、カラーコピー機、PCなどをウン百万円で同時期に購入し、1981年に『MPS報』は5年振りに復刊しました。そして、復刊された『MPS報』は1995年10月まで15年間続き、181号で廃刊になりました。
 『MPS報』廃刊から10年経った2005年1月に、この『三宅学習塾OB会』のHPが開設され、今日に至っています。還暦に近くなって、この歳になったからこそ解かることがあるということを知り、PCに詳しい卒業生に協力を依頼し、還暦前後から今日までの所見、主張、見解を、エッセイにして続けることができました。ここまでご足労を掛けた鈴木正紀君に感謝し、この場を借りてお礼申し上げます。
 本来、人と人との付き合いは、face-to-faceが基本であるという考えを今日まで持ち続けている私ですが、私からの一方的なメッセージであっても、2〜3年以上MPSに在塾した卒業生ならば、私がどんな人間であるかは分かってもらえていると思い、書き続けてきました。
 「目は口ほどに物を言う」という諺があります。人間が喜怒哀楽の感情を最も顕著に表すのは目であるということです。何もしゃべらなくても、目の動きや表情から、相手の真意が掴みとれたり、偽りや誤魔化しも見抜くことができます。更に、face-to-faceなら相手方の態度、仕草、身なりなどから人間性も推測できるという範囲まで、拡大解釈できると思っています。
 現在でも多くの卒業生が塾に遊びに来てくれますが、彼あるいは彼女たちの多くは、私のことを当時(50年前、30年前)と変わっていないと言っています。やはり私は馬鹿なんです。進歩していないんです。そんな人間でも長く生きていると、歳を重ねるごとに知り得る感情、感覚があります。それらを主に「GREEN放言」「三宅老頭語録」「狂育原論」の中で書いてきました。
 愛読していただいた卒業生におきましては、数編の随筆文あるいは説明文の中に、1編くらいはこれから先のあなたの人生に多少なりとも役立つものがあったことを願っています。今年の「新年の挨拶」の中で書きましたように、定期的に更新することはこの6月を最後にし、これからは「三宅はまだ生存中ダヨ」というモールス信号の代用として、不定期に更新したいと考えています。とりあえず、今は「心」シリーズを書きあげることに苦しんでいます(笑)。

最終回特別付録
 「MPS報」以前にあった、1969年5月発刊された文集「MPS」創刊号を特別に掲載します。49年前の塾生が書いた文章をお楽しみください。

「文集MPS」創刊号
 

   
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