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第三回 『クイズバス旅行』その1


イズバス旅行は’84〜’94までの’91を除く毎年お正月の5日に、計10回行われました。延べ参加人数は761名、最多参加者は第5回(‘88)の102名です。この行事はMPS卒業生のほとんどが一度は参加したのではないでしょうか。OB、スタッフまでが飛び入りで参加したこともあります。キャンプのように大規模なものではありませんが、朝の7時〜夜19時までの12時間を、1日フルに楽しみました。8箇所のチェックポイント(CP)とバス車中でクイズをしながら、学問の神様である湯島天神にお参りに行くものでした。
 小田原駅の第1CPは恒例のジャンケンでバス乗車を決めます。ジャンケンに負けたチームは各種交通手段を駆使してバスを追いかけ、次のCPに先回りします。第2CPからは3択クイズで4点先取したチームから順次乗車していきます。勝ち残ってバスに乗車できたチームは、車内でもクイズが行われ、ビリ2チームは次のCPで降車決定、すなわちクイズ参加剥奪、即追っかけ組になってしまうという過酷なゲームでした。バスの中でも安心して乗っていられませんでした。しかし、追っかけ組はもっと大変です。次(あるいは次の次)のCPにバスより先着しなければいけません。是非バスに乗車できるようにと、クイズに参加した時点で温情1点が与えられのですが、それでもダメなチームがあります。バスの中で出題されるのと同じ問題の書かれた紙を握り締め、最寄の駅へと走っていきます。クイズバス旅行で「信号機」と渾名された生徒がいました。我々日本人は黄色人種で素の顔の色は黄、走り続けて赤、そのうち気持ち悪くなって青、このように顔面の色が変化していたそうです。貰ったばかりのトラの子のお年玉を出し合いタクシーを利用して、当時のお金で、3000円〜5000円を使ったチームもあったようです。
 この行事をはじめるにあたり、先生と当時のスタッフにはキャンプとは違ったかなり細かな苦労があったようです。CPは近くに大型バスが停車でき、約100人の人間が集まることができ、更に追っかけ組みのために、なるべく駅の近くにしなくてはいけません。第3回くらいまでは、実際にCP間の所要時間を測りながら、数回の場所見をしたようです。初期の頃には、横浜山下公園、たまプラザ、羽田空港、神宮外苑、東京タワー、皇居前広場、東大などのCPもありました。クイズ問題も、コミック漫画やテレビ番組から、科学、時事問題まで、幅広く出題することによって、中学生にあまり不利にならないよう工夫されていました。トリビア的問題も多く取り入れていました。CPの変更、クイズ形式の改良を重ねながら、次第に面白さを増すクイズバス旅行になっていきました。東京都心についてからは約3時間の自由時間がありました。それぞれが原宿、新宿、上野など、思い思いの場所で仲間と楽しみました。
 当時、クイズバス旅行は『知力、体力、時の運』の三拍子が揃わないと勝てないと、MPS報によく載っていました。夏期キャンプが行事の王様なら、クイズバス旅行は行事の星野仙一かタイガー・ウッズというところです。あれほど仲間と楽しんだり、歓声を上げたり、悔しがったり、怒ったりした一日は、MPS生だったから体験できた知力、体力を使い切った懐かしい思い出です。

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