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心 その18・現代の地球を考察する  ESPECIAL ! 

の青い地球で70年生きてきました。素晴らしい惑星だと思っています。宇宙には2,000億個の恒星(自分のエネルギーで輝き、星雲状ではない天体で、太陽もその一つ)があり、また地球のように1つの恒星の周りを周回するだけではなく、宇宙空間を漂ったり、恒星間を大きく周回したりしている惑星もあり、それらを含めて、惑星の数は合計で1兆個を超えるであろうという新説が、2年ほど前に発表されました。過去には、既に恒星の死(大爆発)によって同時に消えて逝った惑星があり、その惑星には人類より進化した生命体も存在していたかもしれません。現宇宙は約138億年前に誕生したということが現在の定説になっていますが、日本の国立天文台研究チームは、宇宙の寿命は現在の年齢の10倍、約1,400億年はこれからも存続可能であることの論文を発表しています。
 現在の宇宙を考える時、人類は過去および現在において、おそらく10指に入る知脳の進化をしているのではないかと勝手に考えています。地球上においては圧倒的に他の生命体を脅かす存在となり、まさにこの地球上の独裁者になっています。この広い宇宙には人類より科学技術において進化している生命体がいてもおかしくないと思っていますが、何しろ宇宙は想像を遥かに超える大きな空間です。人類はこの1世紀の間に太陽系の惑星についての知識は増してきましたが、宇宙全体の知識に関しては、まだ未知の部分が多くあり、解明されずにいます。
 地球の誕生は45億年前、宇宙の誕生は138億年前であるということを考慮すると、広大無辺の宇宙には地球より何億年、何十億年前かに誕生し、まだ繁栄し続けている生命体の存在を完全に否定することはできません。未確認飛行物体(UFO)を目撃したことがあるという人がいたり、テレビで怪奇現象の番組などが現在でも取り上げられたりしていますが、浦島効果(現象)の利用、身体を一時的に小型化し、本来の身体にも戻せる技術、宇宙空間地図の作成など、現時点の人類の頭脳では当分不可能なことのいくつかをクリアしなくては、この太陽系内部から外部へ飛び出すことすら、暫らく不可能と考えています。このことは、太陽系外部の惑星にいる生物にも同じことが言えます。
 宇宙の広さを考える時、その広大さのために光の速度を使います。真空中における光速の値は299,792,458 m/s(約30万キロメートル毎秒)と定義されています。中学1年生の理科の授業で、太陽から地球に光が届くのは約8分と教わりました。太陽が水平線から顔を出した時より8分前に、「今日も一日頑張れよ」と、眩しい光を放ってくれているということです。現在では、太陽から地球まで8分20秒(8分19秒となる場合もあります)となっています。参考までに月から地球までは、2秒もかかりません。
 光の速度を基にして考えただけで、太陽系の枠の外に出ること、他の銀河系に行くことがどれだけ大変なことか理解してもらえたと思います。太陽から太陽系の端っこ(オールトの雲の端っこ)までの半径は、約15兆Km、約4.22光年あり、光の速さの飛行物体に乗っても4年3カ月弱くらいかかります。太陽が属している天の川銀河の直径は約10万光年くらいあり、km に直すと約100京kmとなり、天の川銀河を抜け出すには、光の速さの飛行物体に乗っても、10万年の時間が必要になり、現在の常識では物理的に不可能です。
 天の川銀河を抜け出すだけでも、どれほど大変なことであるのかを、ひとつの具体例で示します。天の川銀河を地球の大きさにすると、地球は掌に乗る直径10Cm足らずの硬式野球ボールの大きさになってしまうのです。このことが、他の銀河に人類より進化した生物がいる可能性はあっても、天の川銀河の外からの未確認飛行物体の飛来はないと思っている根拠です。両手の掌を合わせて球を作ってください。それを私たちの住む地球とするなら、天の川銀河の大きさは地球ということになります。その上に数百個から数千個規模の銀河が集まった銀河団(銀河が1000に満たない場合は銀河群)があり、それを構成している空間が宇宙となります。地球の住所は、宇宙⇒うお座・くじら座超銀河団⇒おとめ座超銀河団内・局部銀河群⇒天の川銀河⇒オリオン腕⇒太陽系⇒第3惑星です。宇宙で道に迷ったら、この住所を言えば、地球に連れ帰ってもらえるでしょう。(笑)
 ちなみに、膨張し続けている宇宙の容積は求めることはできていないようです。求める式を書いてある記事もありましたが、文系人間にはチンプンカンプンでした。5万年、10万年先は判りませんが、10回〜100回程度のgeneration交代(子孫の代)までの近未来においては、外部の太陽系からの地球攻撃はないと考えています。ただし、未確認飛行物体(UFO)襲来以外の地球壊滅の可能性のシナリオは、他にも何通りかあり、その確率も高いと考えられています。
 まず、地球の公転軌道を通過する小惑星が隕石として地球と衝突する可能性です。小惑星との最大の衝突は地球誕生直後のことで、月の岩石の観察から、それによって現在の月が形成されたと考えられています。その次に大きな衝突は、現在のメキシコ・ユカタン半島北部に衝突した、約6,550万年前の小惑星の落下で、チクシュルーブと呼ばれているクレーターが海底に残っています。隕石の直径は10〜15Kmと推測され、恐竜絶滅の原因とされています。衝突した場所の近くは、衝撃による地震、熱風、高温津波、破壊された岩石の落下など、想像を絶する恐怖であったと思います。否、落下地点から半径数千Km以内の全ての生物は、全て即死だった可能性もあります。
 隕石の衝突は大きさにも因りますが、地球全体にかなりの打撃を与えます。しかし、ミサイルで撃ち落とせるという説もあり、隕石と地球の相対速度から、最も遅い隕石で5万km/時で、高速になると25万km/時になると推測されています。25万km/時を秒速にすると、何と70km/秒になり、東京〜小田原間を1秒で落下して来るのです。ミサイルを搭載したロケットが、この速度で落下してくる隕石を、上手く命中して粉々にできるのかという疑問は残ります。
 近年では、1908年にロシアのバイカル湖の北約1,000Km付近にあるツングースカに隕石が落下しています。直径60m?100m、衝撃力はTNT火薬換算で10〜15メガトン(ビキニ水爆級)と推定されていますが、幸運にもシベリアのタイガ(針葉樹林地帯)であったために、人的被害はありませんでした。しかし、1,000Km先の家の窓ガラスも割れ、爆発によって生じたキノコ雲は数百km離れた場所からも目撃されたそうです。爆発から数夜に亘ってアジアおよびヨーロッパにおいても夜空は明るく輝き、ロンドンでは真夜中に人工灯火なしに新聞を読めるほどであったという記録も残っています。21世紀の現代でも「地球に隕石が衝突する可能性は確実に存在している」と科学系メディアのPopular Scienceが記しています。また、米航空宇宙局(NASA)も、直径500mを超す巨大小惑星「ベンヌ」が、2135年9月22日に地球に衝突する可能性があると発表しています。



 最後に、地球環境について考えてみます。まず内部のマントルの移動によって引き起こされる地震と火山があります。特に、日本の陸地は、関東以北は北米プレート、中部以西はユ―ラシアプレート上にあり、東北沖には太平洋プレート、東海沖から沖縄諸島沖にかけてはフィリピン海プレートがあります。この4つのプレートが複雑に絡み合って、相互に圧迫し合い、この歪の開放が地震や火山ということになります。
 いかなる物事(事象)には表と裏があります。日本国は小さな島国ですが、美しい自然に溢れています。火山や造山活動のお陰で、富士山のような曲線の美しい山が多くあります。北アルプスを筆頭に、日本各地には険しい山々と渓谷があり、海岸線には断崖絶壁や海食洞があります。しかも、春夏秋冬の四季の彩りも素晴らしいです。温泉もあります。確かに、地震、噴火は恐ろしい自然現象ですが、地球上には、北極、南極などの極寒の地、砂漠とその周辺の乾燥地、年間4,000mm以上の降水量をもたらす熱帯雨林地帯など、生活するには厳しい場所は多くあります。
 M8以上と言われている東海地震、東南海地震、南海地震は、今後30年の間に起きる確率は、90%〜60%で、この3つの地震は3年以内に連動して起こると言われています。また、南関東地震、東京直下型地震、茨城県沖地震も最大でM7程度ですが、90%〜60%の確率で起こると言われています。富士山噴火については、何年先までに何%という情報はありませんが、江戸時代の宝永噴火以来、300年噴火していないので不気味ではあります。日本国はこれらの天災は避けることはできません。大地震や大噴火は頻繁に起こる訳ではありませんが、各地方での大地震、噴火は近年増えているように思われます。その日のためにも日々の意識、備えがとても大切になります。
 更に、地球とそれを囲む大気、海洋にも大きな変化が起こっています。このことについては、『その15・番外編 太陽と人類』の冒頭部分にも書きましたが、人類の経済至上主義、大量消費型生産からの大量廃棄物の影響による大気汚染、温暖化、気候変動、オゾン層破壊、酸性雨、熱帯林の減少、砂漠化、海洋汚染などが深刻化しています。これらの環境問題は国際的レベルで議論し、列強国や先進国は我田引水、唯我独尊の主張をせず、世界の国々は危機感を持って相互に協力し合い、個々の環境問題を解決していくことが重要であると考えています。
 また、地球上のあちらこちらで局地的な争いも続いています。テロも多くなっています。核使用の戦争もボタンを押せば、いつ起こってもおかしくない情勢が続いています。地球の独裁者となった人類は、自らの手で母なる地球を廃墟の惑星にしてしまうまで暴走し続けてしまうのでしょうか。広島、長崎の原子爆弾投下、1986年のロシア・チェルノブイリ発電所事故、2011年の東日本大震災による福島第一原子力発電所事故から、その悲惨さは証明されています。その場所近辺は死の土地になってしまいます。第3次世界大戦になったら、地球全体が廃墟になってしまうことは、火を見るより明らかで、世界中の国民、民族は「絶対に戦争をしてはいけない」という意識を、しっかり胸に焼きつけておくことが必要です。



ここに掲載写真    コンピュターの分化表

 ヒトはどこまで進化していくのでしょう。特にこの半世紀のコンビュターの進化は目覚ましく、ヒトの労働の多くはコンビュターがしてくれるようになりました。多くの人は、「コンビュタ−」という言葉をよく使いますが、基本的にどのよな概念を持ち、どのような分野で利用しているのでしょう。私の場合、30年くらい前から仕事上必要でしたので、PCを使用していましたが、利用していたのは、主にワード、エクセル、仕事に必要なソフトと、ネット接続くらいでした。
 今日ではコンピュターは、電気を動力として計算処理を自動で行う計算機、即ち「電子式汎用計算機」と定義されています。しかし、現在では計算機というより、むしろコンピュターを心臓部とした、A I (人工知能)、I T(Information Technology)、I o T(Internet of Things)を映像、センサー、ロボットなど、従来のインターネットに接続されていなかったモノ(家電、乗り物、電子機器など)に接続される様になりました。すなわち、ネットワークを通してサーバーやクラウドに接続されることによって、これまで埋もれていたデータを処理、変換、分析、連携することができるようになったことで、応用範囲が格段に広がってきました。
 現代の各分野の学問、産業などのほとんどがその恩恵に浴しています。個人的な使用物としては、携帯電話(スマホなど)、映像機(カメラなど)、各種家電製品もお世話になっています。このこと自体を否定するつもりはありませんが、「ヒトは何か一つ新しいものを手に入れたら、何か一つ大切なものを失ってしまう」という父親からの言葉を思い出します(このことに関しては「心」の問題ですので、最終回に詳しく書くつもりでいます)。1960年以前、冷蔵庫、洗濯機、掃除機などが一般家庭に普及していない時代、家族の人数によって多少異なりますが、主婦が家事をこなすには8〜12時間掛かってしまい、家事をしているだけで1日の大半が終わってしまう生活でした。
 コンピューターの進化によって多くなった自分の時間を、現代人はどのように使っているのでしょうか。第2次世界大戦直後に比べたら、かなりの余暇を持てるようになっています。しかし、最近の社会動向や時代精神を観察していると、古い人間には想像をはるかに超えた、笑うしかないほど馬鹿げたヤツばかりです。特に若者たちは、SNSの動画の影響を受け「こんなのアリか」とか、「俺にはこんなこともできる」みたいな安易な気持ちで感化され、それが拡散して社会全体に広がっている感じがしています。私がガキの頃によく使われていた「アイツ、おかしいんじゃないの」の部類に入る人間が、老若男女を問わずかなり多くなりました。それらを報道したり、掲載したりしているテレビ局やネットサーバーの低俗な規範しか持ち合わせていない感性にも問題があります。特に若者にとっては、自分のこれからの長い人生を、明るく、楽しく、幸せな生活を送れるようにするためにも、余暇を有効利用してもらいたいと切望しています。
 言い換えれば、どのように自分のために使っているかということです。まず、多くの人は趣味に使いたいと考えるでしょう。円満な家族、何でも話せる友人、頼りになるメンターは、長い人生を幸せにするための基本的な必須要件であり、その人たちとの時間を共有することも大切です。独りの時間を作って、運動したり、読書したり、思考することも大切です。自分を取り囲む地域、職場などの環境も快適な人生のためには重要になります。総じて言えることは、「ヒトとして生まれてきてよかった」と、人生の幕を閉じる時に思えるような、そんな基本的な生活を心掛けて欲しいと思っています。
 この地球上で、ヒト(ホモ・サピエンス)は絶対的支配者になりました。他の類人猿との知脳の開きも大きくなるばかりです。寓話「裸の王様」が頭に浮かびます。不思議な布地を作ることができるという二人組の仕立て屋が王様のところにやって来て、彼らは「自分の地位にふさわしくない者や、手に負えない馬鹿者の目には見えない不思議な布地を造ることができる」と言います。ところが、側近や家来が出来上がった服を見ても、裸としか見えません。家来たちは困惑するのですが、王様には自分には布地が見えなかったと言えず、仕立て屋たちが説明した布地の色と柄をそのまま話すことにしたという物語です。
 上に立つ人間が博識、品格、客観性を備えている人物であるなら、このようなことはないのですが、近年の政治家、公務員、会社員とか、ガッチリと枠型ができている組織の中で仕事をしていると、資質、能力に欠けていても、家柄によって権力を握った人間、僥倖によって名声や富を得た人間が上役になっていることが多く、彼らの部下の人物もその上司と似た腹黒なC調(軽薄で調子のいい)人間が多くなったのではないかと思っています。私のような人間は自営業でよかったと思っています。
 人類全体にも同様のことが言えると思います。ヒトは他の全ての生物より遥かに頭脳が進化してしまっていて、地球上の他の生き物から助言をもらうことはできません。地球上の76億人の全人類が地球環境を悪化させないように、万国共通のルールを遵守し、各人が心地よく平和に暮らしていくしか方法はありません。そのためには、主観(自我中心)だでなく、客観、すなわち第三者の立場で、物事を見たり考えたりすることを万人が習慣付けなくてはいけません。誰にも主義、主張はあります。享楽や欲望は各人各様です。「自分がされたくないことは、他人にしてはいけない(Never do others what you don't want to be done.)」ということだけは、肝に銘じておくべきです。このことが言動の最低限のルールです。
 ヒトの未来は必ずしも光り輝く未来になるとは限らないと危惧しています。前述したように、太陽系外部からの侵略はないと思っています。恐ろしいのは、第3次世界大戦です。原子爆弾が投下されたら、地球が廃墟になる可能性はかなり高くなります。現在でも世界には既に15,000発もの核弾頭が存在しています。ウイルス兵器も恐ろしいです。そしてもう1つの懸念は、一部の技術者によると、わずか数十年後にコンピューターの”特異点”が訪れるということです。これは世界のA Iシステムのネットワーク化された演算能力が爆発的な向上を見せ始めることで、この時点でヒトとコンピューターが対立するという予言です。
 映画『2001年宇宙の旅』において、このようなヒトとのコンピューターの対立する場面があります。最新型人工知能「HAL(ハル)9000型コンピュータ」を搭載した宇宙船ディスカバリー号は、5人のクルーを乗せて木星探査に向けて航行していましたが、その途上でHALが探査計画に対して疑問を抱いていることを打ち明けます。ボーマンとプールの二人の乗組員はHALの不調を疑い、いざというときはHALの回路を切断することを決めますが、それを知ったHALが反乱を起こす――、というストーリーです。なんと、この映画は半世紀前に製作されました。
 この青い地球にどんな未来が待っているのでしょうか。いよいよ「心」シリーズ連載も次回が最終回になります。「心」シリーズの文章が、あなた方の今後の人生に多少なりとも心に残ってくれるように、最終回では、この地球が争いのない平和な惑星にするためには、「心」の在り方がいかに大切であるかを中心に記したいと思っています。

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