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各世代の呼び名とその特徴

は誕生年、成長した時代環境によって、異なる感性、価値観を持つようになる。その共通性によって分類されたものを「世代」と呼ぶ。私の属する「団塊世代」は堺屋太一の小説に由来し、巧い言葉を付けたものだと感心したことを覚えている。それ以降も、既成の若者像と異なる若者たちが現れると、その世代に相応しい呼び名がマスコミやマーケティング会社などによって名付けられてきた。
 A・B・O・AB型の4種類にざっくり分類されている血液型に比べれば、世代区分の場合は多少なりともアンケートをとったり、歴史的背景を考察したり、会社などでの仕事に対する姿勢や考え方の印象を加味しているので、決してその世代の人間全てがそうではないが、そういう傾向の人間が多いということは言えると思う。人間観察に役立つかもしれないという程度に、楽しんで読んでみてください。

昭和一桁世代  1926〜1934年生まれ
 29年生まれ以前の前期と、30年生まれ以降の後期に分けられる。前期の人々は戦地への動員、軍事工場での労働などで戦争に参加している。後期の人々は学童疎開を経験していて、焼け跡世代とダブる部分がある。
 50歳代にオイルショックがあったが、定年のころにはバブル景気の最中で、社会人と定年後の生活は相当幸せな世代であったといえる。
 この世代の特徴としては、戦争の時代を生き抜いたという自負と、高度成長を支えてきたことから、非常に上から目線であることが上げられる。
焼け跡世代  1935〜1946年生まれ
 この時代は激動期で、より細分化されることがある。太平洋戦争中に小学校に入った39年3月生まれまでを「少国民世代」、後半期を「戦中生まれ世代」と呼び、また一方で40年までを「安保闘争世代」、41年以降を「全共闘世代」と区分していることもある。
 この世代は第2次世界大戦の悲惨さや食糧難を体験した最後の世代であり、「少国民世代」は認識、思想、価値観が一変するパラダイムシフトを経験している。
 この世代の特徴としては、子どもの頃の体験が強烈過ぎて、「日本の文化」「歴史と伝統」「環境や社会秩序」の維持に関心がる。同時に社会的地位や名声を得たいという価値観も強いと言われている。
団塊の世代  1947〜1949年生まれ
 この3年間になんと806万人が生まれ、生まれた瞬間から同学年間の競争が始まり、その突出した人口構成からいろいろな面で日本社会に大きな影響を及ぼしてきた。
 学生運動が盛んな頃で政治や社会に関心を持ち、社会に出てからも人口比率が多いことから、良くも悪くも世間からの注目を浴びてきた。
 この世代の特徴としては、自己チュウで自分のことしか考えていないこと、敗戦直後、高度成長などの熱気のある時代を生きてきたために攻撃的な人が多いことである。
 また、子どもの頃からの強い競争心から自己主張が強い人と、多数派に付和雷同しやすい人が多く、この両極に二分されると言われている。人口の多い世代のために、悪い奴と狡猾な奴が多くいて、他の世代から非難の対象になってきた。
しらけ世代  1950〜1964年生まれ
 バブルが崩壊する前までに成人した期間で、世代区分の中で最長の15年間あり、共通一次試験が開始される前に大学に入学した前期(60年代生まれ)「新人類世代」と、70年代生まれの後期に二分されることもある。団塊世代への対抗心からか、社会に関心を持たない「今が楽しければいい」という世代である。
 この世代の特徴としては、「無気力、無関心、無責任、無感動」の風潮が顕著になり、ノンポリ、個人生活優先主義に徹する傾向が強くあると言われているが、逆に考えれば「しらけ」という言葉が示すように、たいした特徴のない世代とも言える。「しらけ鳥」のがずっと個性的であった。
 団塊世代までとバブル世代に挟まれ、日本の流れが大きく変わる過渡期と捉えることもできる。
バブル世代  1965〜1971年生まれ
 バブル景気による売り手市場時に大卒生が新入社した世代を言う。しかも高度成長期に生まれ、概ねずっと右肩上がりの時代に育っている。校内暴力発生件数が多発したのもこの世代が中・高生の頃である。
 この世代の特徴としては、いわゆる「ちょっと変わっている人」が多く、金銭感覚がおかしく、見栄っ張りも多いと言われている。怒られ慣れていて、反省もせず、ケロッとしている人が多く、団塊の世代同様、他の世代からの非難の多い世代である。アッシー、メッシ―、ミツグ君の世代で、軟弱な男性、ヒステリックな女性を多く見かける。
 クレーマーが多くいて、「人材の不良債権」とか「根拠のない自信過多」と揶揄されてもいる。
団塊ジュニア世代  1972〜1974年生まれ
 世代人口は団塊世代の次に多いことから、団塊世代の子供世代であることは容易に推測できる。団塊世代の母親が24歳〜28歳に出生した子どもたちが多くいる。
 「イチゴ世代」と呼ばれることもある。「15(いちご)世代」を捩ったもので、この世代が85年頃に15歳前後になった時、高校生になると小遣いも増額し、この年齢層を狙った商品がヒットする確率が高いということから生まれた。
 大学入試は「受験戦争」と呼ばれるほどの競争を強いられ、卒業時には「就職氷河期」に遭遇し、「貧乏くじ世代」とか「不運の世代」とも呼ばれている。
 この世代の特徴としては、一握りの神がかりの成功者もいるが、多くは敗者のトラウマに苦しんでいるという辛辣なことが言われている。それ故、些細なつまらないことをいつまでもこだわり続ける傾向にある。躾と礼儀は厳しく教育されているので、上の者に理不尽なことを言われても実行する、根性論が通用する最後の世代でもある。
ポスト団塊ジュニア世代  1975〜1981年生まれ
 いじめや機能不全家族の問題はあったが、多くの親の年収は増加傾向にあり、一般的に言えば安定した少年少女時代を過ごした世代である。しかし、中高生時代にバブル崩壊が起こり、高卒時、大卒時は就職氷河期の真っ只中で、職探しに苦労している。特に97年は「超氷河期」と呼ばれていた。95年以降の携帯電話の普及により、新しいネット文化の担い手の中心になっている。
 この世代の特徴としては、不確実性の高い社会に対して希望を失っているという傾向はあまりなく、格差是認についても比較的肯定する割合が高く、すぐ上の団塊ジュニアとの断層が見られる。親密な人間関係の重視こそが彼らの生活価値の第一条件で、何よりも重要視しているのは家族との繋がりのようである。
 ポスト団塊ジュニアという、取って付けたような安易な世代名からもわかるようにさしたる特徴はなく、おとなしい世代のようである。
プレッシャー世代  1982〜1986年生まれ
 社会への関心を抱く頃にはすでにバブルは崩壊していて、成長過程で「失われた10年」を目のあたりにしている。いろいろな場面状況に耐えてきて、比較的プレッシャーに強い世代ということから名付けられた。
 この世代の特徴としては、日本の景気のよかった時代を知らないという時代背景により、生きていくことにプレッシャーがあることを当然と思って育ってきたと言われている。明るさの中にもピリッとした一面もあって、ここ一番で力を発揮する人が多いと、評価の高い世代である。
 ネット界、ビジネス界、学問分野で、最近この世代の台頭が注目されている。友人を大切にし、生活への満足度が高いところもあり、この点においてはポスト団塊ジュニア世代と似通っている。
ゆとり世代  1987〜1996年生まれ
 御存知「ゆとり教育」を受けて育った世代である。ゆとり教育は87年生まれの人が中3の時に始まり、2001年生まれの人が小1の時に終わる。1学年でもゆとり教育を受けた子どもは15学年にも及ぶ。義務教育の9年間が全てゆとり教育(移行措置を含む)であったのは、95年と96年生まれとなる。
 平成不況、リーマンショックの中でデフレが進み、学校は土曜日を休みとして完全5日制となり、学力は低下し、校内暴力は増加し、就職も2003年には大卒の就職率が過去最低の55%までに落ち込む。選ばれし者が就職したにもかかわらず、社会に出ても仕事をすぐに辞めてしまう人が多いことが問題になった。子どもたちの成長の中で、学校教育は家庭・社会環境とともにとても大切な要素であるのに、国の教育の犠牲になってしまったことは不幸な世代でもある。
 この世代の特徴としては、全体的にゆる繋がりを大切にすると言われている。指示待ち人間が多い。常識知らずで、自分中心に世界が回っていると考えている。自信満々だが実践力がない。打たれ弱い、などなど。他の世代から滅茶苦茶に言われていて、一番嫌われている世代のようである。結局、何を考えているのか他の世代からは理解されず、宇宙人とも呼ばれている。
さとり世代  1997年〜 2003年生まれ(範疇未確定)
 「ゆとり世代」は蔑視用語ということで(どこが差別用語か理解できないでいるが…)、若者層(当事者)から掲示板「2チャンネル」を通して自然発生的に広まったそうで、「さとり世代」≒「ゆとり世代」の範疇になる。ここでは、ゆとり教育後半の90年後半生まれ以降の区分とした。
 いずれにせよ、このあたりの年代層はまだ中高生〜大学生であり、一人前の人格形成はできていないので、彼らが実社会で働くようになってどのように分類されるか分からない。
 この世代の特徴としては、欲はなく、恋愛に興味はなく、無駄な努力をすることはなく、無駄遣いもすることはない。若いのにまるで悟りを開いたように、穏やかな精神を持った人たちが多いようである。私も現在、数名の中高生を個人指導していて、似たようなことを感じている。考え方によっては気持ち悪い世代でもある。

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