三宅学習塾OB会 > トップ > 狂育原論 > 就職に強い大学 


就職に強い大学

読書のひとつである「週刊ダイヤモンド」が、就職に強い大学ランキングを特集した。昨年10月にダイヤモンド社はアンケート用紙を全国731大学に郵送。その回答をダイヤモンド社独自に分析、数値化し、就職に強い大学ランキングを作成したものである。回答率は75%(国立94%、公立92%、私立70%)で、無回答の大学は除外されている。
 近年、経済格差、学力格差ばかりでなく、「心」の格差も2次曲線の広がりを見せている。子どもや学生ばかりでなく、成人にも大きな格差を感じる。感情、理性、意志活動を総称するうまい言葉が見つからず「心」と表現したが、具体的には一般常識、エチケット、モラル、忍耐、行動などの不備の目立つ人間が多くなってきたことを伝えたかった。職場、近隣、サークルにも、何を考えて生きているのか理解できず、付き合いにくい人物が多くなってきた。
 自由・権利の横行。ステイタス・物欲の権化。主義主張ばかりで、他人の迷惑を顧みない人物。このような世の中で、自分の子どもだけはよい環境の下で、自活できるにさせようと思うのが親心なのだろう。そのためには、まず大学と考える。しかし、現代の大学の質は地に落ちた感が強く、高い月謝を払って行かせても、それに見合うだけのモノを recoverできるようには思えない。率直に言って、2011/04/16に作成した「関東私立大学・大学別格付け一覧」のDランク(できればCランク以上)の大学でなければ、授業料を別の何かに投資したほうがいいかもしれない。
 ランキング特集の中でも、大学就職部の必死さや、悩み深き大学教育の現場が描かれている。大学側も大学選びの主軸は就職実績にあることを自覚し、就活のためのセミナーに力を入れている。ゆとり教育・少子化・推薦入学による学力低下と、社会人になるための人間性の指導には、かなり手を焼いているようである。基礎学力の不足、常識が通用しない、人間関係をうまく構築できないというのは本当の話らしい。
 そろそろ大学へ行くことが、人生の得になるという呪縛から抜け出さなくてはならないのではないか。スポーツ、芸術などで身を立てることは今でも難しいことではあるが、子ども自身の価値観、興味、特技などを生かす職業を選択肢に加える時期に来ているような気がしてならない。
 どんなに学校の勉強ができても、それで終わってしまう人間、あるいは魅力を感じない人間はたくさんいる。心身ともに健康で、生活力があり、人生を楽しんだり、人との摩擦を少なくしたりする術を知っている、そんな総合的な能力を備えた人間が、幸せになる確率も、人から魅力的に思われる確率も高い人間になるのではないかと思う。MPSの創立同時からのキャッチフーズである「心・知・体のバランスのとれた人間」こそが、これからの時代、幸せな人生を送ることができるのではないのだろうか。
 次回、就職に強い大学ランキングを掲載します。

住 所
〒250-0034 小田原市板橋647番地 三宅学習塾OB会事務局
事務局への投稿などはこちらへ
三宅先生への連絡などはこちらへ