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「子供たちへの手紙」シリーズ 〜 その1 〜
 
はじめまして

じめまして。おじさんは三宅といいます。小田原で田舎塾を40年やってきて、1000人くらいの生徒を教えてきました。お母さんやお父さんから私の話を聞いたことがありますか?おじさんの歳はもう50も後半で、校長や副校長と同じような歳です。お母さんやお父さんを教えていたのは、20年〜30年も前のことなので、おじさんがあなたのお母さんやお父さんより若い頃に、中学生か高校生だったお母さんやお父さんを塾で教えていたことになります。
 おじさんは歳の割には若い考え方をしているとよく言われます。大人の中ではかなり本音と本気で生徒に接してきた方だと思っています。口も悪いです。授業中、本当はこんなきれいな言葉は使っていません。今までに1度も生徒に「あなた」や「君」など使った記憶がありません。(一応、このホームページは公共の場なので、よそ行きの表現になっています。)授業中は、「お前はどこまでバカだ!塾来る前に病院に言ってこい!」こんな言葉を日常的に使っているどうしようもない先生です。そんなことを言うと、勇気ある生徒から「先生、バカは差別用語です。」と言われます。私は「わかった。訂正する。これからお前は頭が不自由にする。」と言い返します。すると、その生徒は「それならバカのがいいです。」と言って、みんな一斉に笑い出します。そんな感じの塾の先生です。だから、「関係ねーこと言って、ウザッたいオヤジだ。」と言わずに、まー少しおじさんの話を聞いてください。
 おじさんのモットーは「人生は楽しむためにある。」です。だから、今も「食べる」ためと「楽しむ」ために働いています。本当は隠居(仕事をやめて、のんびり暮らす生活)をして、好きなことだけをしたい歳なのですが、日本国の事情で働かされています。それでも、ゴルフが好きで、平均すると、週に1回コースに行っています。美術館に行って、絵を見るのも好きです。格闘技も大好きで、会場まで生を見に行きます。本も読みます。DVDも見ます。競馬の馬券を買って、喜んだり、ガッカリしたりもしています。このように歳の割には、幅広くいろいろなことをして人生を楽しんでいます。
 そんなおじさんでも、悲しいことや苦しいことはたくさんありました。今もあります。それらと戦って生きてきました。おじさんは子供の頃から自分勝手なやんちゃ(いたずら)坊主でした。親にもたくさん心配をかける親不孝者でした。ところが、私のような我がままな人間は、それから先の人生で、人の何倍も自分の欲望と戦わなくてはいけないのです。一生を自分の欲望のままに生きられる人はほとんどいません。そうなると、欲望を抑えることを早く身に付ける必要があります。時には嫌いなこと、苦しいこともしなくてはいけません。学校の勉強などはその一つかもしれません。そうしないと並みの大人になれないと、親から言われていたのです。気の向くままに好きなことだけを、いつまでもし続けることは、歳をとれば取るほどそれだけ苦労します。おじさんはもういつ死んでもいい歳ですから、今はそうでもありませんが、あなたの歳の頃のおじさんは、欲望が強い上に好奇心も強く、一歩間違えれば、警察のお世話になるようなこともしました。
 おじさんにはこの歳まで、両親をはじめ、私を支え、応援してくれる年上の人が、いつもそばにいてくれました。これはとても幸せなことであったと、今思っています。学生時代からの友人も数人いますが、友人とは違った意味で大切な存在でした。おじさんはなぜか10歳、15歳くらい年上の人にとても可愛がられる性格のようでした。中学生の時に、とても優しくしてくれる当時大学生だった9歳年上の人に出会ったのが最初でした。おじさんには兄弟はなく(妹が1人)、その人を兄のように慕っていました。今日まで何とか人並みに生活でき、人生を楽しむことができたのは、このように私を支え、応援してくれた人たちのお陰であると感謝しています。両親には血の分けた家族ということで、歳をとっても生意気な口をきいていましたが、お兄さんのように慕っていた人たちの意見は、子供の頃から不思議と素直に聞けたのです。
 ところで、あなたは毎日親に怒られていますか?小言を言われていますか?そして、そんな親に口答えしていますか?おじさんも、子供の頃は口うるさい両親をウザッたいと思っていました。ある程度それは仕方のないことだと思います。大切なのは、あなたが30歳を過ぎた時に、親に感謝する人間になっているかどうかです。この時に親の教育が正しかったのかどうかがわかります。だから、今は耐えることを覚えて、しておくべきことをしてください。気の向くままに、好きなことだけをして生活するのではなく、親の言うことをほんの少し努力することから始めてください。尊敬できる年上の人がいたら、その人の話も聞く耳を持ってください。
 おじさんは、中学生から20代後半は、「人生の選択」の時代と名付け、人生を決定する一番大切な期間だと考えています。この期間に、神様は「大いに悩め!」といろいろな問題を投げかけてきます。未熟だからこそ、「それに打ち勝って、一人前の大人になれ!」と言っているのです。だから、あなたが毎日のように、イライラしたり、ムカムカしたりするのは当たり前です。それは心の試練です。神様がそのように人間を創ったのです。お母さんやお父さんも、若い頃は世の中の常識や将来の不安や自分の不甲斐なさ(弱さなど)と戦って生きてきたのです。おじさんは職業柄、このようなことを授業中に生徒に話してきたので、昔のことを覚えているのですが、お母さんやお父さんは思い出す機会がなく忘れてしまっているのです。
 あなたは若い。うらやましい限りです。あなたの人生は限りなく広く、どこまでも澄んでいます。そんな素晴らしい人生を自分から捨てるようなことはしないでください。あなたの人生の主役はあなたです。人生を楽しむためには何をしたらよいのか考えてください。好きなことばかりしているのは心の偏食(食べたいものしか食べないこと)です。少しずつでも、我慢することと努力することを覚えていってください。現代は物の豊かな時代で、心の貧しい時代だと言われています。そんな時代にしてしまったのは、確かにおじさんを含めた今の大人たちの責任です。でもバランスよく知識、体力、心を発達させれば、この豊かで便利な時代を楽しむことができるはずです。
 小学校高学年〜中学生のあなたにわかってもらえるように、なるべく易しく書いたつもりです。この文章を掲載するにあたり、小5〜中3のちょうど真ん中にあたる中1生に、授業の合間にこの文章を読ませ、難しい言葉や表現は一応チェックしましたが、それでもあまりよく理解できなかった人にはごめんなさい。もう少し大きくなったら、また読み直してみてください。何か伝えたいことが頭に浮かんだら、また書きます。おじさんの文、また読んでみようかなと思ったあなた、See you soon.

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