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★はじめに

業生から今でも多くの年賀状をいただいています。ありがとうございます。私のために一言添えてある言葉の中に、卒業生の今の生活を思い描くことができます。それに反して、義理チョコならぬ『義理年賀状』には、どこにも自文や自筆がありません。相手方の名前まで血の通わない『ギーギー』という機械で打った物扱いです。そんな年賀状なら出さないほうが、あなたの人間性を疑われないだけましです。来年から出すのをやめなさい。
 話は横道にそれましたが、一言添えてある年賀状の中で一番多いのが、子供の教育のことです。特に40代、30代後半の女性の卒業生に多くあります。子供がもう大学生だという卒業生はごめんなさい。OB会の幹事と事務局に文句を言ってください。私自身はもっと早く卒業生のためにお役に立ちたかったのですが。
  ここに箇条書きにしたのは、田舎地方都市で40年間学習塾を経営してきて、常々感じていたことを正直に述べたものです。お役に立てば幸いです。塾選びの参考にして下さい。何よりも大切なことは、ご家庭の教育方針とお子様の性格、能力に合った塾を選ぶことです。

学習塾の虚像と実像

三宅 亘  

★誇大広告に注意

* 派手な宣伝をする。広告、チラシが多い。特に、電話攻撃のしつこい塾は最悪である。
* 「徹底的に‥‥」「弱点克服」「確実に‥‥」「万全な‥‥」「何もかもアップ」 このような親心をくすぐるフレイズを信じてはいけない。現実に全ての生徒がこのようになっている塾なら、広告を出さなくても生徒はどんどん集まってくるはずである。
* 学力至上主義をうたっていながら、進学実績を公表していない。
* 何かと各種塾の組合、協会名を表記している。
* このように、チラシや案内書の中には塾の見栄や嘘が見え隠れしているので、注意が必要である。

★塾の基本方針を知る

* ご家庭と塾の指導方針が合っていることがまず大切。
* 中・小規模の塾の場合、塾長が塾の中で何をしているのかを見抜く。わからないときは、説明会の際や、その塾に通う父母に尋ねる。塾はどんなに大きくなっても、塾長のワンマン経営で、全権を握っていることが多い。
* 塾長は事業家タイプ、教育家タイプ、教祖タイプの三つに大別できる。
* 大規模塾やチェーン塾の分校・分教室の場合、その分校の善し悪しは塾名(ネイムヴァリュー)よりも分校責任者の力量で決まる。
* 生徒をつなぎ止めておくために、ご家庭に迎合する塾が多くなってきている。塾の基本方針(塾長の信念)に沿った愛情ある厳しい指導が感じられなくてはいけない。

★教育は人材が命

* 大学生のようなアルバイト講師の場合、その講師の人間性によって生徒指導と授業内容にかなりの開きが生じる。
* 当然個人差はあるが、知識、熱意、体力、経験のバランスを考えると、理想の先生は40才前後!?
* 塾に通わせる最低の判断基準は、1 授業がよく理解できる、2 生徒を引きつける人間的魅力がある、の2点である。
* 塾も通っているだけではダメ。「塾へ入れたら後は塾任せ」では、よい結果は得られない。通塾後はその塾(あるいは講師)と子供との関係がうまくいっているかを重視する。

★授業料に塾の本質があらわれることがある

* 月謝が一括払いや前納制である。
* 必要以上に特別講習が多い。月謝以外の諸費用が多い。
* そのような塾は『学力至上主義』ではではなくて、『経営至上主義』と考えるべきである。

★授業形態と適正人数

* 個人指導は3人まで。
* 生徒一人一人の個性にあったきめ細かい授業は6人〜8人。力量のある先生でも10人〜12人が限界。
* 一方的に受験テクニックを伝授するだけの授業は、受講生が何人でも構わない。むしろ受講生が多ければ多いほど人気があるといえる。講演会の演説のようにとらえるとよい。

★最後に・・・

 塾の評判は口コミが最も信頼できる。広告を出さない大規模な塾は、まず本当によい塾と考えてよい。ただ、そのような塾が必ずしも自分の子供に合う塾とは限らない。よい塾=子供の性格に合う塾ということにはならない。基本的には学習塾も商売である。他の多くの職業と同じで、いろいろな塾がある。あまりに営利目的が目に付く塾と、内容に嘘の多い塾はさけた方が無難である。

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