三宅学習塾OB会 > トップ > 会員からの寄稿 > 人生を通して大切にしたいもの

人生を通して大切にしたいもの

人生にとって一番大切なものは何ですか?」と聞かれたとき、「家族や友人」と答える人が多くいると思います。実際、私もその一人でした。確かに、生きていくうえで家族や友人はとても大切な存在です。しかし最近、毎日の生活の中で触れ合っている一人一人の考え方や生き方に耳を傾けることも大切だと思うようになりました。
 戦時中の日本では君主権が強く、国民一人一人の意見がほとんど尊重されていませんでした。反対意見を口にする人は厳しく処罰され、二つの原爆による大きな被害が出るまで、戦争を止めることをしませんでした。国民の意見にもう少し耳を傾けていたら、違った結果になっていたのではないでしょうか。
 近年問題になっている「いじめ」にも通じるものがあると思います。弱い人の生活権を奪って、身体的、精神的苦痛を与える「いじめ」は、第二次世界大戦まで日本政府が国民に強いてきた状況に似ていると思います。「いじめ」によって思い悩み、自殺をしたり、登校拒否になったりした人は少なくありません。
 もし誰かが勇気を持って止めに入っていれば、いじめられていた人たちの人生は変わったものになっていたかもしれません。気にくわないというだけで、生意気だということだけで、集団で一人をいじめることは、その人の人生を奪うことになります。いじめる側の人にも理由はあるのでしょうが、人間には基本的人権が誰にも与えられています。自分の意見や感情を抑えなくてはいけない場合もありますが、個人の意見が権力や集団によって潰されてしまうことのがずっと多くあります。
 今、「人生にとって一番大切なものは何ですか?」と聞かれたら、私は「家族と友人、そして一人一人の考え」と答えます。困っている人、悩んでいる人がいるとき、勇気ある人、親切な人の言葉や行動がその人たちの考え方や生き方を変えることがあると思います。これからの生活の中で一人一人の考えに触れることを大切にしていきたいと考えています。
 日本や世界が抱えている問題、すなわち地球の温暖化、世界金融不安、食糧不足などについて、もっと国民一人一人、世界中の一人一人がそれぞれの意見を出し合うことが大切だと思います。その意見が大きくなれば、権力者や強者に立ち向かうことができると思います。一人では何もできませんが、だからと言って、考えること、発言すること、行動することを止めてはいけません。私は人の意見を直接聞いたり、本を読んだりして、自分の意見や考えを持った大人になりたいと思っています。

(ちょっと変わった中学生)

住 所
〒250-0034 小田原市板橋647番地 三宅学習塾OB会事務局
事務局への投稿などはこちらへ
三宅先生への連絡などはこちらへ