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TV桟敷洋画劇場

月のOB会で原稿を頼まれてはいたものの、メールもケータイもないアナログな我が身。とても遅くなってしまったことよなあ…。嗚呼、このまま私は、次回OB会に出席できるのであろうか(いやない)。などと思いつつ、漠然とした恐怖を背に、文案に思い悩んでいた矢先。
 拙宅に1通の封書が到来。裏返せばA学院高等部の印刷。誰もが知ってるOBの署名(軍人将棋で三宅先生が大将だとすれば、中将です。いわばMPSの副将軍)。開封前に御内意しかと承りました。今ここに、しみじみと痛感するMPS伝統の緊張感とタテ社会の怖さ。ごめんなさい。私が悪うございました。観念します。それにつけても、意表を突く手段といい、絶妙のダメ押しといい、明るい圧力といい、ン十年変わらぬソツのない仕事ぶりですな。あはは…。でも、久々で新鮮。
 で、思い出しちゃったのが、ジャックリーヌ・ビセット(そのわけはMPS報の「スタッフ紹介」を参照して下さい。古すぎて無いか、普通)。女優です。まず、ポイントは「ヌ」にある。高校の英語の授業で、Examinationを「イグザミネィション〜ヌ」と発音する先生がいた。そんなの変、と思っていたけど、TV西部劇「ローハイド」の主題歌も「ローレン、ローレン、ローレン〜ヌ」と聞こえた。nの発音は難しい。スペルは知らないけど、彼女も「ジャックリーン〜ヌ」とか呼ばれているのだろうか?
 で、また思い出しちゃったのが、映画「ブリット」だ。彼女は、スティーブ・マックィーン主演するところの刑事ブリットの妻である。白い長袖Yシャツだけを身にまとい、素足を惜しげもなく露わにして、まだベッドに横たわっているマックィーンに朝食を運んでいた。その鮮烈な映像は今でも脳裏に焼き付いている。本当はパンツくらい履いてたんだろうが、何事も、何もかも判っちゃうとつまらないもので、判りそうで判らないのが世の中のおもしろいところだ。そもそもアクション映画だから、彼女自身、全編を通して大して出番はない。けれども、男の下心をわしづかみにしてしまう、この1シーンだけで充分存在感を示している(と私は思う)。古き良き美人女優のお手本を演じている。
 で、吹き替えがいい。この映画は、衛星放送のない時代にTVでしか見たことがないので、字幕を知らない。けれど、何度も放送されていたので、日本語のセリフを覚えてしまったところがある。マックィーンの仇役ロバート・ボーンは「チャルマース上院議員だ。証人はどうした?」なんて、広川太一郎の声でのたまう。大した出番はないと言ったけど、ジャックリーヌもマックィーンに向かって「死体を見ても平気なの!」とか、「わたしたち、もうおしまいね」とか言い放つ。ん〜。いいですなあ。
 まあ、最近はTVで放映する洋画に吹き替えなしの字幕も多くなってきた。それはそれとして、カレーやラーメンも、お茶の間では、本場インド風や本格中華よりも和風アレンジの方がしっくりくる。ドイツ兵が「民間人の服を着ているな」と詰問する「大脱走」や、ユル・ブリンナーが「金の夢を見ろ」と仲間を看取る「荒野の七人」みたいな娯楽大作をTV桟敷で見るには吹き替えの方が和風の味わいがあって楽しい。いやあ〜、TV洋画って本当にいいもんですね。それでは皆さん、サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ。

(ペンネーム B.B.キング・コング)

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