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『賃貸借物語』

在、私は居住用賃貸借業務に携わっている。職業柄、様々な人間模様に遭遇する。いらっしゃいませー!本日、最初の申込客は、18歳の華の御水だ。鼻の穴は不動裕理だ。やたらとよく喋りハハハァーハハハァーと甲高い笑い声が耳につく。申込書を記入しているが、漢字が苦手でなかなか進まない。保証人は、父親に勘当されてるので叔父らしい。後で営業マンに聞いた話だが、見かけによらずしっかり者で結構貯めこんでるらしい。水商売なのに朝一来店は御立派だ。
 午後一の客は、最近よく来る無口な40前のお帽子被った独身男性だ。息子もお帽子被っているのかは見たくもない。毎回服装が決まって同じだが、悪臭までは放っていないようだ。営業マンもどうせまた決めないと思ってるので、直案(一人で物件を見に行かせること)らしい。四時間経ってもまだ帰って来ない。いったい何をしているんだろうかと話題の最中やっと帰って来た。お帰りなさいませー!どうせ鍵返して帰るのだろうと思いきや申込。何考えているのか全く分からない。四時間かかった理由が、小春日和に誘われて爆睡!結論何も考えていない。数日後、飛行機の音がうるさいのでキャンセルしに来た。出入り禁止処分が下された。
 電話も鳴り出すときりがない。仕方ないので一本とってみる。家主の○○ですが、××号室の△△さんが6ヶ月家賃払わないのですが、払うように言って下さい。しかし、半年も滞納者をよく放置したものだ。危機感のなさが、滞納を助長する位のことが分からないものか情けない。 あまりにも鳴り捲るので店長が3回線の内2回線つぶした。先日、全回線つぶしたら支社の部長の逆鱗に触れ携帯が鳴ったそうだ。こんなナゲー間話中のわけねーだろー(喝!)
 本日最終申込は、三十路前の丸顔美人だ。子供と2人入居は離婚したばかりの証だ。元夫が東急勤務の為、小田急沿線限定でのお部屋探しらしい。接客した営業マンは24歳の新婚ホヤホヤでフィジーからちょうど帰ってきたところだ。○○○のリング素敵ですねと誉められ苦笑いしながら、○○さんのお名前もとても素敵ですねと切り返した。年の瀬のこのお部屋探し出て行く後姿がどこか寂しい気がしてならない。有難うございましたー!
 老人が1人でお部屋探しにくると空しくなる。家主も貸したがらないし借りれるのは、年金収入等が確実で近所に保証人がいる者に限定される。今後、高齢化が進行するが、当社も一案練るべきだ。
 ともあれ当社当店経由にて入居された方、これを機に幸福をつかみ取って頂きたい。さらばグットラック!      ペンネ−ム OB会のOB打ち

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