三宅学習塾OB会 > トップ > GREEN放言 > 自然災害・人的事故・病的犯罪 その4

自然災害・人的事故・病的犯罪 その4
 〜 人的事故は必然の結果(転結) 〜

業は営利目的のために、相も変わらず談合したり、脱税したり、贈収賄をしたり、いろいろな悪事を繰り返しています。この文章を書いている今も、鋼鉄製橋梁の談合のニュースが流れています。
 企業体質が歪み、腐敗してくると、特に自動車メーカー、運輸事業、病院、医薬品会社、厚生労働省など人命に係わる業種では、今回のJR西日本の事故のように、恐ろしい事故、事件につながっていきます。あれから雪印、三菱自動車の企業体質はどうなったのでしょう。経営者は勿論、部長、課長クラスまでの総入れ替えという抜本的な改革をしなければ、会社の再建はおそらくあり得ないでしょう。三菱自動車は前期5000億円の赤字であると新聞に載っていました。JR西日本でも、今回の事故が起こらなくて、今と同じ体質が続いていたならば、トップを含めた全ての社員の誰かが、いつか別の形で何らかの事件、事故を起こしていたでしょう。今回の事故は必然の結果で、このような企業が日本に増殖中であるならば、日頃から『人災も忘れていたら降りかかる。』という意識が必要だと考えています。JR西日本の経営者は全て国鉄時代からのキャリアで、社員も40歳以上がほとんどという異常な構成です。まさに、法に守られ、赤字であっても何の心配もいらない親方日の丸時代の企業体質のまま、営利最優先の営業方針で民間企業に対抗しようとした結果です。事故の直後、JR東日本が会見をして、JR西日本とは違うというところを強調したのに対し、近鉄、阪急などの近畿私鉄各社はだんまりを決め込んでいます。こんなところにも、企業の体質を垣間見ることができます。弱い犬ほどよく吠えます。嘘の多い企業ほど、言い訳が多くなります。
 戦後60年、日本の風土、日本人の精神構造は大きく変わりました。国家は法律至上主義に走り、企業は効率と合理主義に徹し、個人は自分のことしか考えません。運輸業、流通業、小売業などのサービス業、あるいは国や自治体が加害者になった場合、相手の全く言い返すことのできない立場を見越して、激しい口調で詰め寄る光景をよく見かけます。JR西日本の記者会見の際、読売新聞記者のあまりの横柄な口の利き方が問題になりました。利用者側にも、自分の利益、都合優先の態度を要求していることが多くあります。自分の子供が不注意で川に落ちても、原因はどうであれ、国や自治体が柵を作らないからだ、と文句を言う親がいます。その子供が、後日誤って友人を怪我させてしまっても、そんなバカ親はウチの子が悪いのではないと、言い張るでしょう。今の人間は公正、公平さをもって考えられないのです。自分の子供が可愛いのは、どの親でも同じです。人を殺してもいい自由とは、あなたを殺してもいい自由であるという、基本的なことを理解していません。自分が他人にしていることは、他人もあなたにしていいということです。国の秩序が乱れてくると、悪循環で、国家は何でも法成化します。悲しいことに、法治国家では悪法のが良心より強いのです。だから、法に触れなければ、何でもありの世の中になってしまったのです。良心はなくなり、一方的に他人を責めたり、他人に迷惑をかけたりするモラル、マナー違反者が多くなってしまったのです。日本中、心に潤いがありません。周りのことを何も考えません。現代社会は国も、会社も、個人も『自分だけ』なのです。自分の都合、自分の権利、自分の家族、自分の立場、自分の会社、何でもかんでも『自分の・・・』です。特に国、自治体、マス・メディアが良心と公正さをなくしたら怖いです。このように、自己中心の人間と企業が多くなってきていることが、人災の元凶と考えています。
 このままでは、ますます日本人の心や企業の精神はエゴに凝り固まっていくと考えられます。こんな日本中に蔓延している精神構造を変えなければ、企業の犯罪も個人の犯罪もますます多くなっていくでしょう。

〒250-0034 小田原市板橋647番地 三宅学習塾OB会事務局
info-mps@dance.ocn.ne.jp

mr.golf@amber.plala.or.jp