努力と運

馬のＧ�Tレース桜花賞の３連複、８４００円をゲットしました。いくら買ったかは内緒です。麻雀、宝くじ、ＴＯＴＯ、競輪など他のギャンブルはしませんが、私は長いことＧ�Tレースだけは楽しみで馬券を買っています。Ｇ�Tレースのある前週火曜日から金曜日まで、スポーツ紙を見て素人なりに予想をたてるのが楽しいのです。今週は皐月賞の検討をしています。Ｋ一郎君が私の競馬予想の師匠です。そのお礼にゴルフレッスンをしているのですが、腕のほうはなかなか上達してくれません。今でも彼とは親しく付き合っています。
　競馬の予想を立てながらよく考えることがあります。先日も競馬で１０１４万円の大穴が出ました。２分経ったら１００円が１０００万に化けたのです。これは単なるギャンブルですから運なのでしょうが、人生の浮き沈みも単に本人の努力だけで決定されない悲しい現実があり、そこにも運がかなり作用していると思っています。一生懸命働いても、会社が倒産したり、リストラになってしまう人。一方、仕事も満足にせず、のほほんと安穏と生活している人。健康に細心の注意を払っていても病魔に襲われてしまう人。一方、深酒、喫煙の上に、不摂生な生活をしていても、至って健康な人。若い頃、いつも一緒につるんでたむろしていた二人が、一人は有名なＴＶタレントになり、片方は犯罪者になり下がってしまうこと。似たような小説を書いていても、一人は芥川賞を、他の多くの作家志望の人は一生陽の目を見ずに終わってしまうこと。このようなことは日常生活のあらゆるところで目にすることができます。
　ヤンキースの松井君とマリナーズのイチロー君が大リーグで活躍しています。もちろん松井君とイチロー君は子供の頃から我々の想像をはるかに越えるような努力をしてきたことは想像がつきます。しかし､野球界には彼ら以上に努力している人はたくさんいます。そんな中でどうしてあの二人はヒーローになれたのでしょうか。そこにはＤＮＡ、もって生まれた野球向きの才能、後天的環境もあるのでしょうが、彼らの生まれた時代と、人との出会いがかなり大きいと思っています。当時オリックスの二軍だったイチロー君と仰木監督の巡り合わせは有名です。自分の人生がどう転がるか、特に芸能界、芸術、スポーツ、発明、ＩＴ分野などの世界では紙一重のような気がします。
　そもそも６０億いる人類の中で、私たちが日本人として生まれてきたことは、それ自体かなりの幸運であったと考えられます。ここではあまり政治的、哲学的なこと、幸福論は考えないでください。日本の中にも貧富の差はありますが、北朝鮮、アフリカ、中東の人々のことを考えると、何倍も幸せな環境に暮らしていると思います。私はよくあなた方が学生の時、嫌いな勉強をやらせるため『勉強のできるヤツは、それだけ努力しているからだと思え。』と、よく口にしました。努力と成績は必ずしも比例しないことは当時からわかっていましたが、そう考えないと、人間は努力しなくなってしまいます。実のところ、勉強のできる人は、勉強に向いている性格をしていたのです。金の亡者は、金を儲けるような性格をしているのです。そう考えることのほうが、人生を楽しく過ごせるように思うのです。名声や必要以上のお金が幸せの必須条件ではありません。幸せは絶対的なもので、あなた自身が決めるものです。
　人間は進化(？)するにつれ、自己の欲望を満たすことだけを追い求め、次第に狡猾になり楽をしたいと思うようになってきています。今時の若者の行動を見ればわかってもらえると思います。行政の無能さと我が子だけが可愛いという親バカがいけません。先達はいいことを言っています。『人事を尽くして、天命を待つ。』 私のこれまでの経験から言えることは、まず人間は努力です。それは自分のできる範囲の努力でいいのです。それが自分ですから。そして人間性です。類は友を呼び、そこから派生する出会いは人生を大きく変えます。あとは人間の英知や科学では解明できない、その時代の超自然的な統治者(神でもいいです)によって支配されていると、割り切って考えることのほうが幸せな人生を送れるような気がしています。努力しているのに、報われないと凹んでいる人は、『時代の神のお慈悲』がないと思うことです。私はそれを運と考えています。