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40代は人生の踊り場

はよく40代を『人生の踊り場』と言います。踊り場とは階段の途中にある、あの広い場所のことです。私はその言葉の本来の意味を知りませんが、勝手に次のように理解しています。『40になって、人生も折り返し。少しここらで休んで、昔を振り返えりながら、これから先のことを考えてみたらどうだろう。踊り場は下の階も、上の階も見えるちょうどいい場所だから。』40は過去を振り返える最後の歳であるような気がします。
 MPS初期の卒業生はもう40代の中頃になっています。昭和40年代生まれの人も今年から40代の仲間入りです。私も40代前半はいろいろなことを考えました。そして知らない間に10数年が経ち、もう50も後半です。もう少しで上の階に届きそうです。下の階はとうに見えません。今では、昔のことは刺激を与えてもらわないと、思い出せません。それでもこのように、思い出させてくれる場所があるだけ、周りの人より幸せなのかもしれません。30年、40年前のことは、ほとんどが表の脳ミソには付いていません。外から五感に刺激を与えてもらい、文字通り脳裏から過去を剥がして、思い出している状態です。
 現代社会は1年ごとに目まぐるしく変化し、それに比例して将来はますます不透明になってきています。10年後の地球や日本を誰も予測できません。人間の経済活動と技術革新のために、ガイア(生命体としての地球)は崩壊寸前、人の心は無味乾燥してきています。自分のエゴの隠れ蓑として、すぐに家族だ、子供だ、孫だとわめき散らす人間が多くなってきています。自分の家族さえよければいいのです。マクロな視野からの愛を考えることをしなくなっています。近年、これだけ世間が物騒になり、価値観も多様化してくると、ある程度仕方のないことですが、度を越えているような気がしてなりません。最近の社会の風潮や生徒の父母を見ていて、昔とはずいぶん違うな、と感じています。これがMPSの行事を徐々になくしていった大きな理由の一つです。
 こんな「何でもありの風潮」の時代だからこそ、猶の事、40歳になったら、人間として、社会人として、そして親としていろいろなことを考えて欲しいのです。とりわけ、このような混沌とした時代に、これからの自分の生き方を探すことと子供を育てることは難しいことです。しかし是非、あなたらしい生き方をすることと、真に子供たちを幸せにすることのためには、どのようにこれからの人生の後半を生きていったらよいか考えてください。どんなに自分の子供だけを可愛がっても、地球が崩壊したら、全て終わりです。未来のガイアを考えてください。このままの方向に進んでいったら、人類は近い将来にきっと自滅します。そうなれば、あなたの何代か先の子孫はその瞬間に遭遇するということになります。人類は技術の伝承の積み重ねと欲望の追求で、今日の繁栄を築いてきました。これからは心の継承です。若者や子供たちにあなたの思いや考えを伝えてください。それが世代責任です。
 話が飛躍してしまいました。いろいろ書きたいことが頭に浮かび、それが取り留めのない内容になってしまいました。私なりにいろいろなことを考えて生きています。残念ながら、そのどれもが難しいテーマばかりで、私自身、その考えがまとまっていません。外部からの刺激があったときに、あれこれと気の向くままに考えている程度ですから、おそらく答え(私的人生観)の出ないまま、あの世に行ってしまうのでしょう。この紙面に載せられる程度にまとまったものができましたら、また書かせてもらいます。私も第4期『余生の時代』に入りました。≪※第4期『余生の時代』については、『狂育原論』のページをご一読ください。≫これからは、のんびり、明るく、楽しく、自分の好きなことができたらいいな、と考えています。(とは言っても、こんな時代です。どこまで楽しめるかわかりませんが。)そして同時に、せっかくこの歳まで、父母をはじめとする多くの人々のおかげで、健康に大過なく生きてこれたのですから(感謝)、日々の生活の中で自然に頭に浮かんだことくらいは、人の務めとして考えなければいけないのかな、と思って生きている今日この頃です。

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