G1 Master Classes Inprovisation and Performance Techniques for Classical and Acoustic Guitar (1985)     21st Century Music Publications



By Ralph Towner

[Contents]
Introduction
Ralph Towner
Expectation In Music
Table Of Symbols
Damping Technique
Polymetrical Rhythmic Groupings
Simultaneous Finger Combinations
Chordal Plucking
Solo Guitar Playing
Innocenti
Vessel
Serenade
Distant Hills
Left-Hand Exercises
Right-Hand Exercises
Arpeggio Study
Harmony, Scales, And Voicing
Beneath An Evening Sky
Along The Way
Conclusion

全82ページ


[練習曲]
1. Innocenti
2. Vessel
3. Serenade
4. Distant Hills
5. Zephyr
6. Juggler's Etude (部分)
7. Beneath An Evening Sky
8. Along The Way


私は、当時この本の出版についての事前知識はなかった。雑誌にも紹介されず、日本では全く話題にならなかったと思うが、東京の某楽器店で偶然見つけて購入した記憶がある。内容的には、アルペジオやインプロヴィゼイションなど、クラシック、ジャズ・ギターに関する各種エクササイズの譜面と解説が中心で、ラルフの作曲におなじみの曲が練習曲として掲載されている。譜面はスタンダード・ノーテイションによるもので、鉄弦のフィンガースタイルのようなタブ譜は付いていない。楽譜自体は簡単なもので、テーマとコード進行が記されている。私はラグタイムやジョン・レンボーンなどのギターを弾くが、ここでの練習曲は、どれもこれも難しそうで、実際に試したことはない。でもラルフが書いた教則本をパラパラと眺めるだけで満足を覚えてしまうのは、少しマニアックかな?

序文、プロフィールの後、しばらくアルペジオ、コード、単弦奏法のエクササイズが続き、40ページ目で最初の練習曲 1.「Innocenti」がでてくる。これはメロディーとコードのふたつのパートに分かれていて、2台の楽器で演奏する譜面となっている。テーマのメロディーとコードが表示された16小節 2ページの簡単な譜面だ。次にギターにアレンジした 2.「Vessel」。ラルフは、「Roots In The Sky」1979 O11では、ピアノでこの曲を弾いており、ギターによるプレイはゲイリー・バートンとの共演盤「Slide Show」1986 R12で聴くことができる。6弦をDに下げたチューニングによるものだ。48ページ目の3.「Serenade」は、テーマの譜面とソロのためのコードが掲載され、続く4.「Distant Hills」では、テーマのメロディー、コードと、あの独特なアルペジオ・パターンのサンプルが記されている。6弦をEフラットに下げるチューニングがユニーク。

63ページには、アルペジオの練習曲として5.「Zephyr」のパターンとコードが、67ページに 6.「Juggler's Etude」の断片がある。続くコードとスケールの解説では、「Courtesy of Paul McCandless」の記載がある。74ページは、7.「Beneath An Evening Sky」の詳しい解説と3ページにわたる譜面とコードが、78〜81ページは、最後の曲として 8.「Along The Way」が載っている。