E5 In Concert Live At Boston (1988) |
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James Taylor: Acoustic Guitar, Vocal
Bob Mann: Electric Guitar (Except 1,2,6,16,17)
Dan Dugmore: Pedal Steel Guitar (2,3,5,11,16), Electric Guitar (4,5,7,8,9,12,13,14,15)
Don Grolnick: Keyboards
Lee Sklar: Bass, Back Vocal (13)
Carlos Vega: Drums, Percussion 3
Arnold McCuller, Rosemary Butler: Back Vocal (5,7,8,9,12,13,14,15,16)
1. Something In The Way She Moves A1 A15 B3 B10 B18 B41 E14 E15
2. Fire And Rain A2 A15 B3 B5 B16 B40 B41 E1 E4 E7 E8 E10 E13 E14 E15
E17 E21 E25
3. Song For You Far Away A12
4. Your Smiling Face A9 A15 E1 E2 E4 E7 E8 E10
5. Only One A12 A15 E4 E10
6. Shower The People A8 A15 B16 E6 E8 E14
7. How Sweet It Is [Holland, Dozier, Holland] A7 A15 B16 E1 E4 E8 E10
E13 E21
8. Up On The Roof [Gerry Goffin, Carole King] A10 A15 B16 B40 C1 C4 E1
E8 E15 E28
9. Everyday [Norman Petty, Charles Hardin] A12 E4 E8 E10
10. Don't Let Me Be Lonely Tonight A4 A15 B16 C67 C74 E1 E8 E25
11. Angry Blues A7
12. The Twist [Hank Ballard]
13. Sweet Potato Pie A13 C81
14. Never Die Young A13 B43 C85 E14
15. Steamroller A2 A15 B9 E1 E8 E10 E11 E14
16. Carolina In My Mind A1 A1 A15 B3 B10 B16 B22 B25 B26 B41 B46 E1 E10
E14 E15 E25
17. Sweet Baby James A2 A15 B3 B5 E1 E4 E7 E10 E14 E15 E17
録画: Boston Colonial Theatre 1988年3月
放送: PBS, WNET (Channel 13)
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1988年1月に発売された「Never Die Young」A13のためのツアーで、マサチューセッツ州ボストンのコロニアル・シアターにおけるライブを収録したもの。ニューアルバムの録音メンバーがほぼそのまま参加している。Night
Owl ProductionがPBS(Public Broadcast Service)と製作し、全米のケーブルテレビ局に配給したもので、当時私が住んでいたニューヨークでは、WNET(Channel
13)で放送された。このケーブル局は、スポンサー企業による広告はなく、視聴者の寄付により運営され、放送の合間には司会者が盛んに寄付の電話の要請をしていた。その後一般向けにビデオが発売された。ただし発売されたビデオでは、3,11,12,13がカットされた。
まず冒頭に会場の入り口が写り、入場する人々とJTコンサートの看板が写る。会場のシーンでJTが登場し、立ちながら弾き語りで1. 「Something
In The Way She Moves」を始める。ギターはヤマハでサウンドホールにハウリング防止のフタがついている。JTの頭はだいぶ薄くなっているが、てっぺんにはまだ少し髪の毛が残っている。本作は全体的に茶色・赤色が強調された色調で、暗めだけど落ち着いた感じで悪くない。数台のカメラによる撮影も変化に富んだアングルがあり、見ていて飽きない。2.
「Fire And Rain」 が始まると大きな拍手が起き、JTの歌に合わせて口ずさむ人々のショットが頻繁に挿入される。JTの第2の故郷マーサ・ヴィンヤード島はボストンの近くにあり、そういう意味で聴衆に地元意識が感じられ、目が潤んでいる女性の姿も映る。3.「Song
For You Far Away」ではダン・ダグモアのペダル・スティール・ギターが光る。4.「Your Smiling Face」では二人のギタリストの息がぴったり合って心地の良いうねりを生み出している。5.「Only
One」でバックコーラスの二人が登場するが、ローズマリー・バトラーは鮮やかな青のドレスで、少しおばさん風であるが、それなりに魅力的。彼女は、バーサという女性ロックバンドを経て、西海岸で活躍するセッション・ボーカリストとなり、ジャクソン・ブラウン、マリア・マルダー、リトル・フィート、ボニー・レイット、リンダ・ロンシュタットのアルバムに参加、「No
Nukes」E2ではドゥービー・ブラザースと一緒に「What A Fool Believes」を歌って大活躍していた元気一杯な女性。日本では角川映画のための洋楽主題曲のシンガーとして人気を博し、1982年の「汚れた英雄
(Riding High)」は日本のみの大ヒットとなった。アーノルド・マックラーは縞のYシャツにネクタイという、イカシタ格好で、単なるバックコーラスには留まらない、二人の存在感がバンドの演奏を引き締めている。6.「Shower
The People」でテープレコーダーがステージに登場。JTが弾き語りで歌い、コーラスのパートでテープが作動し、彼自身の多重録音のバックコーラスが流れるという趣向だ。JTの巧みなギターに目が釘付けになってしまう。7.「How
Sweet It Is」はR&B風の聴衆との掛け合いのシーンが続き、いつになく太い声でシャウトし、乗りに乗っている。背景が都市の夜景のセットになり、8.「Up
On The Roof」が歌われる。バディ・ホリーの9.「Everyday」は軽快でレコードよりも乗りの良いプレイだ。一転してしっとりと演奏される
10.「Don't Let Me Be Lonely Tonight」におけるドン・グロルニックのピアノソロは最高!! 11.「Angry Blues」ではダン・ダグモアのペダル・スティールが、オリジナルでローウェル・ジョージがプレイしていたスライド・ギターの向こうを張って頑張っている。
12. 「The Twist」はチャビー・チェッカー1960年の大ヒット(全米1位)で、バックコーラスの二人が踊りながらのプレイは圧倒的。13.「Sweet Potato Pie」ではバックコーラスと3人並んで歌う。アーノルドと掛け合いのパートもあり、ボブ・マンのギターソロの切れ味も良く、オリジナルよりはるかに生き生きとしている。ここではリー・スクラーもバックコーラスに加わる。14「Never Die Young」はレコードとほとんど同じ演奏。15. 「Steamroller」は数あるこの曲の演奏のなかで最も過激な内容で、長いイントロのあと始まる本編のボーカルも自由奔放、ダン・ダグモアのハードなギター・ソロ、ストライド・ピアノのスタイルで始まり、だんだん盛り上がるドン・グロルニックのソロが素晴らしい。再びボーカルに戻り、いつものようにエンディングになるが、なかなか終わらない。延々と掛け合いをやって、終わりと思った瞬間ロックンロールのパートに突入する。バックコーラスが舞い上がって、狂乱のエンディングとなるという構成だ。アンコールで16.「Carolina In My Mind」が演奏され、最後に17.「Sweet Baby James」を一人で歌う。歌詞でボストンの名前が出てくると、歓声があがる。このあと全員がステージに並び、肩を組んで挨拶してコンサートは終わる。
バック・ミュージシャンとの一体感が心地良いコンサートだ。
[2022年10月追記]
当時VHSビデオで販売されたが、その後DVD化されていない。
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E6 The Seventeenth Annual Telluride Bluegrass Festival (1990) |
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James Taylor: Vocal, A. Guitar
Jerry Douglas: Dobro Guitar
Mark O'Connor: Violin
John Jarvis: Keyboards
Edgar Meyer : Bass
Eddy Bear or Tom Roady : Percussion
Kate Markowitz, Valerie Carter, David Lasley, Arnold McCuller: Back Vocals
(2)
1. Ol' Blue [Traditional] C49
2. Shower The People A8 A15 B16 E5 E8 E14
収録 1990年6月24日 Telluride Bluegrass Festival, Telluride, Colorado
1991年発売
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テルーライドは、コロラド州の深い山に囲まれた小さな町だ。それこ毎年行われるブルーグラス・フェスティヴァルは名物となっていて、豊かな大自然の中で演奏されるブルーグラス、フォーク、ブルース、ロック、ゴスペル、ケルトといった様々なルーツ音楽のトップ・アーティストによる演奏が魅力。ここでは1990年の第17回フェスティバルを収録したビデオで、当該フェスティバルの実行組織による製作で、日本ではブルーグラスやフィンガースタイル・ギターの作品や教則本・ビデオなどの通信販売で定評のある京都の「プー横丁」で輸入販売された。JTの他にショーン・コルヴィン、メリー・チェピン・カーペンター、デビッド・ウィルコックス、ピーター・ローワン、ハーヴェイ・リードといった渋めのミュージシャンのプレイが収録されている。なかでも見どころは、ベラ・フレック(バンジョー)、サム・ブッシュ(マンドリン)、ジェリー・ダグラス(ドブロ)、エドガー・メイヤー(ベース)と一緒に演奏するマーク・オコナー(バイオリン)の超絶プレイだ。単なる技巧のみにとどまらない、魂の奥底を揺り動かすような演奏は、天才と呼ぶにふさわしい人だ。
このフェスティバルにはマーク・オコナーに請われて出演したとのことで、1.「Ol' Blue」で「犬の歌を歌います」とアナウンスすると、観客が一斉に遠吠えの真似をし、JTがそれに応えてユーモアたっぷるに「Shut
Up !」とやりかえすなど、観客の反応もよく、JTはまことに気持ち良さそうに歌う。C49 (1989)のゲスト出演で歌っていた時と同じメンバーによるもので、ほんとうに素晴らしい曲であり演奏だ。2.「Shower
The People」はJTの弾き語りから始まり、バックが加わってゆく。バックコーラスのケイト・マコーウィッツおよびヴァレリー・カーターの二人にとって、ここでの演奏がJTとの最初のステージだったそうだ。ちなみにこれらブルーグラス界の名手たちの共演として、1989年ニューヨークにおけるコンサートの音源が残っている。マーク・オコナーとJTの交流はその後も続き、ヨーヨー・マ(チェロ)も加わって2000年の「Appalachian
Journey」C72に結集してゆく。なお、2003年に同フェスティバルの13周年を記念して発売されたオムニバスCD (B20) に同じステージでの録音「Wild
Mountain Thyme」が収録された。こちらの演奏も最高なので、是非聴いてみてください。
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E7 Squibnocket (1993) Columbia Music Video |
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James Taylor: Acoustic Guitar, Vocal
Michael Landau: Electric Guitar
Don Grolnick: Keyboards
Clifford Carter: Keyboards
Jimmy Johnson: Bass
Carlos Vega: Drums, Percussion
Arnold McCuller: Back Vocal
David Lasley: Back Vocal
Valerie Carter: Back Vocal
Kate Markowitz: Back Vocal
1. Secret O' Life A9 A15 B27 B28 E1 E14 E25
2. Wandering A7 E4 E8
3. Traffic Jam A9 A15 E4 E10
4. (I've Got To) Stop Thinkin' 'Bout That [D. Kortchmar, J. Taylor] A14
B29 E8
5. You've Got A Friend A3 A15 B16 C3 C4 E8 E10 E13 E14 E15
6. Fire And Rain A2 A15 B3 B5 B16 B40 B41 E1 E4 E5 E8 E10 E13 E14 E15
E17 E21 E25
7. Sun On The Moon A13 A15 E10
8. Frozen Man A14 E10 E14
9. Shed A Little Light A14 A15 B42 E10 E13
10. Copperline A14 A15 B33 B41 E10 E11 E14 E20
11. Sweet Baby James A2 A15 B3 B5 E1 E4 E5 E10 E14 E15 E17
12. Country Road A2 A15 B6 E14 E15 E25
13. Mexico A7 A15 B16 B34 E1 E8 E10 E22
14. Your Smiling Face A9 A15 E1 E2 E4 E5 E8 E10
15. You Can Close Your Eyes A3 B3 B4 E4 E8 E10 E14 E15
収録時間:約65分
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Squibnocketはマサチューセッツ州マーザ・ヴィンヤード島南西部の地名で、JTの家があるところだ。「スクィブノケットの古い納屋は、私の家の馴染みの風景の一部だ。我々は1991年の春にここでリハーサルを行い、翌年ここに戻ってきてこの番組を収録することに決めたんだ。」というケースに記されたJTのコメントを引用する。広々とした草原と石垣、その背景に広がる海、灯台のシーンが美しい。そして開け放された納屋の遠景から、リハーサルの様子に入る。剥き出しになった木組みの梁の下で、楽器や機材を並べ、行きかうスタッフとともに犬や子供が座っているという家庭的な雰囲気で、皆周囲を気にしない普段着の振る舞いだ。
ドン・グロルニックと二人で演奏される 1.「Secret O' Life」。JTのギターは「New Moon Shine」 1991 A14から使用されるようになったアメリカの個人製作家、ジェームス・オルソンによるものだ。ピックアップの技術発展のせいか、従来のギターよりアコースティックな響きが豊かで、とてもいい音で録音されている。切れ目なく
2.「Wandering」に入り、4人のコーラス隊がフィーチャーされる。小柄なケイト・マコーウィッツは当時新顔で、あまりアップが写らない。ヴァレリー・カーターは飄々とした感じで、やはりアーノルド・マックラーとデビッド・ラズリーの男性二人の存在感が押している。4人の声質のコンビネーションは完璧で、当時のJTバンドはなんと贅沢であったか! ピアノ、ベース、ドラムスのアップテンポのリズムをバックにラップのように歌われるユーモラスな
3.「Traffic Jam」でもJTとコーラス隊との意気はぴったりだ。開かれた納屋の大きな扉には半透明なシートがかけられ、そこから透けて見える草原の緑が本当に綺麗だ。コーラス隊との音あわせのシーンの後、4.「(I've
Got To) Stop Thinkin' 'Bout That」ではドン・グロルニックがシンセサイザーで、アコーディオンのような音を出している。演奏の背後でスタッフが行き来しているのが見える。さらっとした
5.「You've Got A Friend」の後に、離れで収録されたJTの独白シーンが挿入され、歌うこと、作曲の動機が語られる。「困難な状況から脱するまでの過程を表現することが私にとってのアートだ」というコメントが印象的。A14に収録された「Like
Everyone She Konws」のイントロのアコースティック・ギターソロが少し流れたあとに、おなじみの出だしが聞こえて 6.「Fire
And Rain」が始まる。この頃には日も落ちて屋内はランプやろうそくが灯り、多くのスタッフが見つめるなかで演奏される。静粛な感じがひしひしと伝わってくる。マイケル・ランドウのスティール・ギターのようなエフェクトがいい感じだ。7.「Sun
On The Moon」ではJTはアコギを置いて歌に専念、自由な歌いっぷりを見せる。クリフォード・カーターとドン・グロルニックの2台のシンセサイザーが大活躍。コーラス隊も前面に出て頑張っている。8.「Frozen
Man」ではイントロがやり直される。マイケル・ランドウは超一流のセッション・プレイヤーで、何事もそつがなさすぎる感じがするのだが、ここでのギターは繊細で、JTが彼を好んで起用する理由がわかる。
灯台と海の夜景のシーンの後、明るくなり翌日の場面になるが、ミュージシャンの服装は同じ。本作は夜を徹して収録しているものと推測される。9.「Shed
A Little Light」もコーラス隊が強力な曲で、JTにしては歌詞のメッセージ性の強い曲だ。ここで自作曲のついてのJTの独白のシーンが入り、10.「Copperline」ではコパーラインが架空の町であることが語られる。クリフォード・カーターのシンセサイザーのイントロに続き、JTとマイケル・ランドウのギターの絡みが素晴らしい。レコードではマーク・オコナーのヴァイオリンだった間奏はランドウが担当する。演奏中にスタッフの一人がJTのすぐ傍を通り過ぎるのがいかにもリハーサルといった感じで面白い。11.「Sweet
Baby James」は外の強い日差しのせいか、逆光気味の暗めの室内でひっそりと演奏される。ここでもランドウがスティール・ギター・エフェクトをつけている。ここで「英国アップルからデビューしてから次元が変わった」というデビューの頃を語る独白が入り、
12.「Country Road」が始まる。ベースのジミー・ジョンソンと向かいあってイントロを決めるところがかっこいい。この曲ではチューニングが違う(ドロップドD)せいか、ドレッドノート・サイズのオルソンに持ち替えている。13.「Mexico」のランドウのギターは抑え気味で、「(Live)」
1993 A15の演奏よりも出来がいい。ほぼ切れ目なく始まる 14.「Your Smiling Face」では、後半のキーチェンジでJTがカポを上にずらすシーンがしっかり写っていて、ファンとして何故か感動してしまう。
ここでいままで独白のシーンが撮影された、草原の中に立つ白い離れ家が写り、中で15.「You Can Close Your Eyes」を演奏するJTのシーンとなる。ボーカルもギターも至近距離のマイクを使わず、部屋の中に響いた音を録音しているので、とてもナチュラルなサウンドだ。途中からクレジットが表示され、曲の終了後にカメラに目線を合わせるシーンでモーションがストップして終わる。コンサートの演奏とは異なるリラックスした雰囲気が独特の作品となった。
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E8 Live At The Beacon Theatre (1998) Columbia Music Video |
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James Taylor : Acoustic Guitar, Vocal
Bob Mann : Electric Guitar , Percussion (9)
Clifford Carter : Keyboards
Jimmy Johnson : Bass
Steve Jordan : Drums, Percussion
Luis Conte : Percussion
Barry Danielian : Trumpet (13,14)
Dave Mann : Sax (13,14)
Owen Young : Cello (2,12)
Arnold McCuller : Back Vocal
David Lasley : Back Vocal
Valerie Carter : Back Vocal, Percussion (24)
Kate Markowitz : Back Vocal ,Percussion (9, 24)
1. You Can Close Your Eyes A3 B3 B4 E4 E7 E10 E14 E15
2. Another Day A16
3. Daddy's All Gone A8
4. Everyday [Norman Petty, Charles Hardin] A12 E4 E5 E10
5. Mighty Storm [Traditonal]
6. Only A Dream In Rio [James Taylor, Brazilian Translation J. Maraniss]
A12 C59 E4
7. Don't Let Me Be Lonely Tonight A4 A15 B16 C67 C74 E1 E5 E25
8. Your Smiling Face A9 A15 E1 E2 E4 E5 E7 E10
9. Jump Up Behind Me A16 B37
10. Shower The People A8 A15 B16 E5 E6 E14
11. How Sweet It Is (To Be Loved By You) [Holland, Dozier, Holland] A7
A15 B16 E1 E4 E5 E10 E13 E21
12. Fire And Rain A2 A15 B3 B5 B16 B40 B41 E1 E4 E5 E7 E10 E13 E14 E15
E17 E21 E25
13. Me And My Guitar A6
14. (I've Got To) Thinkin' 'Bout That [Danny Kortchmar, James Taylor] A14
B29 E7
15. Handyman [Otis Blackwell, Jimmy Jones] A9 A15 E1 E4
16. You've Got A Friend [Carole King] A3 A15 B16 C3 C4 E7 E10 E13 E14
E15
17. Mexico A7 A15 B16 B34 E1 E7 E10 E22
18. Little More Time With You A16 B35
19. Line 'Em Up A16 B36 E14
20. Up On The Roof [Gerry Goffin, Carole King] A10 A15 B16 B40 C1 C4 E1
E5 E15 E28
21. Steamroller A2 A15 B10 E1 E5 E10 E11 E14
22. Belfast To Boston A17 E20
23. Wandering [Traditional] A7 E4 E7
24. Not Fade Away [Buddy Holly, Norman Petty] A20
Frank Fllipetti, James Taylor : Music Producer
収録: 1998年5月30日 ニューヨーク、ビーコン・シアター
発売: 1998年10月
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ビーコン・シアターは、ニューヨーク・マンハッタンのブロードウェイと74丁目の角にある収容人員2800席、3階建て観客席の古い劇場だ。1928年に建設された建物および構内は、アールデコ風の装飾が素晴らしい。コンサート会場としては小さめであるが、多くの有名アーティストが出演するのは、この場所の歴史と品格によるものだろう。JTのコンサートは、1998年5月29日(金)と30日(土)の2回行われ、後者がPBS放送ネットワークによりアメリカ全国にテレビ放映された。本作は後にビデオまたはDVD化されたもので、その際に放送されなかった3曲を追加した完全版と解説にあるが、私が知っている限り、テレビ放送された「I
Was A Fool To Care」は、ビデオ・DVD化の際にカットされたようだ。長期にわたりJTバンドのレギュラーメンバーだったドラムスのカルロス・ヴェガが、本作収録日の少し前の1998年4月に急死したため、急遽代役としてニューヨークを中心に活動するセッション・ドラマーのスティーヴ・ジョーダンがピンチヒッターを勤めている。彼は、テレビ番組「Saturday
Night Live」のハウスバンドのメンバーだった他、ブレッカー・ブラザース、ブルース・ブラザース、スティーリー・ダン、ジョン・スコフィールド、デビッド・サンボーン、キース・リチャーズ、渡辺香津美など、ジャズ、ソウル、ロックと幅広い音楽の録音に参加している。JTとは「New
Moon Shine」 1991 A14や前述のテレビ番組で共演の実績がある。ドン・グロルニック亡き後、一人でキーボードを担当するクリフォード・カーターの奮闘と、よりファンキーで跳ねたリズム感覚を持つドラマーの参加で、いままでのライブとは微妙に異なる演奏を味わうことができる。
いつもは最後の曲になる 1.「You Can Close Your Eyes」から始まり、JTのギター1本とコーラス隊だけで、5人並んで厳かに演奏される。2.「Another
Day」でチェロを演奏しているオーウェン・ヤングは、ボストン交響楽団のソリスト。ステージの背景に敷き詰めた白いカーテンに様々な色が反映して、赤・茶・黄・緑・紫・青と様々に変わるという、変化に富んだライティングだ。スティーブ・ジョーダンのドラム・セットは、シンバルやタムタムが少なく意外なほどシンプル。でも叩き出すリズムは躍動感にあふれていて、4.「Everyday」でもバンド全体が跳ねるようなプレイだ。
5.「Mighty Storm」は、アメリカのルーツ音楽を記録したアラン・ロマックスが1934年にテキサス州で採集した伝道師シン・キラー・グリフィンの歌「Wasn't That
A Mighty Storm」が原曲。JTは1960年代にボストンで活躍していたフォークシンガー、エリック・フォン・シュミット(1931-2007)の演奏で覚えたらしい。その他、JTのアイドルでもあったトム・ラッシュや、最近ではカントリー音楽のナンシー・グリフィスがカバーしている。1900年に起きたハリケーンの悲惨な災害を描いた歌(エリック・フォン・シュミットの作品で有名なものは、ボブ・ディランがカバーした「Baby
Let Me Follow You Down」や、JTが演奏している音源もある「Joshua Gone Barbados」などだ。ちなみに彼は画家として大変有名で、数多くのレコードのジャケット画も担当している。私が知っている作品としては、ジョン・レンボーンの「Live
In America」 1982、「Ship Of Fools」 1988や、ジェフ・アンド・マリア・マルダーの「Sweet Potatos」1972などがある)。ボブ・マンのワウワウを使用したギター・ソロ、クリフォード・カーターの嵐を表現したシンセサイザーが面白い。6.
「Only A Dream In Rio」は「ブラジル滞在時にジルベルト・ジルから借りたギターの中に入っていたんだ」と紹介される。ボブ・マンはナイロン弦のエレアコ(おそらくカーク・サンド製)に持ち替えて演奏。コーラス隊と歌うポルトガル語のブリッジの響きがエキゾチックだ。7.
「Don't Let Me Be Lonely Tonight」では、クリフォードの落ち着いた音選びによるピアノソロが味わい深い。曲間に、遠隔操作により動く天井に吊るされたカメラによる臨場感あふれる会場の鳥瞰ショットが挿入される。アップテンポの
8.「Your Smiling Face」は、スティーブのドラムスがここぞとばかりに大活躍し、大変生き生きとしたプレイとなった。JTとしてはちょっとパワフル過ぎるかな?エンディングのキー・チェンジでJTがカタポストのポジションをずらすシーンもしっかり写っている。「新曲です」と紹介される
9.「Jump Up Behind Me」では、ケイト・マーコウィッツがルイス・コンティの側に移動して円筒形のシェイカーを、トライアングルのボブは、カウベルを叩くスティーブと並んで、各パーカッションを担当する。クリフォードによるシンセサイザーの演奏は、ブラジル音楽に傾倒していた頃のパット・メセニーの雰囲気とよく似ている。10.「Shower
The People」のエンディングにおけるアーノルド・マックラーのソロ・ボーカルは、毎回異なるアドリブで、 感極まった聴衆の歓声が起きるのはいつもの事だ。11.「How
Sweet It Is」もパワフルなドラムスと、ボブのハードなギター・ソロ、コーラス隊の頑張りで大いに盛り上がり、ここで休憩が入る。
12.「Fire And Rain」は、オーウェン・ヤングが再度登場し、JTとの二重奏となる。ここでのチェロの演奏は心に染みわたる素晴らしいものだ。アレンジはギタリストのボブ・マンによる。ライブでの演奏が珍しい13.「Me
And My Guitar」では、バリー・ダニエリアンとデイブ・マンのブラスセクションが加わり、ボブ・マンのギターソロ、エンディングなどソウルジャズ風だ。JTが弾き始めたギターのイントロで、最初は何の曲かな?と思ったところに、14.「(I've
Got To) Thinkin' 'Bout That 」が始まる。この曲の後に一人のファンが駆け寄って、JTに彼のポートレートのイラストをプレゼント、JTは恥ずかしそうに受け取る。15.「Handyman」では、JTとボブが向かい合ってイントロを決めるシーンがカッコイイ。16.
「You've Got A Friend」はJTのアコギの他はピアノ、ベース、パーカッションのみのシンプルな伴奏。17.「Mexico」ではスティーブ・ジョーダンがティンパレスを叩き、クリフォードとボブがサルサのリズムを奏で、コーラス隊のボーカルから歌い始めるオリジナルとは異色のアレンジだ。パーカッションのルイス・コンテはキューバ生まれで、ラテンジャズ・スタイルの自己名義のアルバム、無数のスタジオセッション、クリニックなどで名声を成したアメリカ屈指のパーカッショニストだ。エンディングでは、レイ・チャールスの「Hit
The Road Jack」のコーラスの一節が飛び出す。 コーラス隊が活躍する 18. 「Little More Time With You」、クリフォードのピアノが冴える 19.「Line
'Em Up」、しっとりと演奏される 20. 「Up On The Roof」に続く 21. 「Steamroller」は、ハードなアレンジで、JTによるブルース・ハープのソロ演奏を楽しむことができる。彼のハーモニカ演奏を聴くのはここが初めてだ。この曲が終わった後で、メンバーが楽器を置き、一列に並んで挨拶をする。アンコール最初の曲
22.「Belfast To Boston」は、当時未発表曲で、北アイルランドのベルファストで書いたと紹介される。トラッドの 23.「Wondering」はアコギ、キーボードとコーラス隊のみによる演奏。
最後の曲 24.「Not Fade Away」はロック創世期の中心人物で、1959年コンサート・ツアーのため、悪天候の中、無理に飛ばした飛行機の事故で非業の死を遂げたバディ・ホリーの作品のカバーだ。結構ハードな演奏で、ボブ・マンのスライド・ギターが歌いまくり、コーラス隊はヴァレリー・カーターがクレバスを、ケートはマラカスを持って歌い、エキサイティングな雰囲気を盛り上げている。最後の字幕の冒頭に「Dedicated
To Carlos Vega」と表示され、思わずジーンときてしまった。プロデュースはJTと「Hourglass」 1997 A16と同じフランク・フィリペッティーの共同作業だ。
公式発売されるだけあって、演奏、照明、録音、撮影どれをとっても素晴らしく、JTのコンサートの魅力を余すところなく伝えている作品。なお私は持っていないが、DVDバージョンは、JTのプロモーション・ビデオ「Copperline」、「Enough
To Be On Your Way」の他に、インタビューが収録されているそうだ。
[2007年2月作成]
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E9 Appalachian Journey Live In Concert (2000) Sony Classical |
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James Taylor : Acoustic Guitar, Vocal
Mark O'Coonor : Violin
Yo-Yo Ma : Cello
Edgar Meyer : Contrabass
1. Hard Times Come Again No More [Stephen Foster] C72
Live At Avery Fisher Hall, New York City, April 5, 2000
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2000年3月21日に発売されたCD「Appalachian Journey」を記念して開かれたコンサートにゲスト出演した。本コンサートは、「Lincoln
Center's Great Perfomance Series at Lincoln Center for the Performing Arts
in New York City」と銘打って2000年4月5日ニューヨーク・マンハッタンのセントラルパークの西にあるアヴェリー・フィッシャー・ホールで行われた。その模様は収録されTV放送されたが、本作はそれに4曲のボーナストラックを追加してヴィデオ/DVD化されたもの。ミュージシャンや作品に関する詳細はCD盤(C72)に譲ることにします。コンサートの中盤、黒ずくめの格好でギターを持ったJTが登場すると、観客は大喜びで。JTによる曲の紹介の後、1.「Hard
Times Come Again No More」が始まる。クラシックのコンサートなので、緊張感に満ちた演奏風景だ。CDの演奏とほぼ同じ内容であるが、映像が観れるだけで感動的。
コンサート全体では、バイオリン、チェロ、コントラバスで、アメリカの伝統音楽を極めようとする姿勢はそれなりにアグレッシブで、本作では視覚効果が加わりダイナミックな音楽作品となった。特に相手の表情を読み取ってニコニコしながら弾きまくるヨーヨー・マが圧巻で、それにつられてマーク・オコナー、エドガー・メイヤーが各自の能力を最大限に発揮しているのがよくわかる。本作ではJT以外にブルーグラス、カントリー音楽界からアリソン・クラウスが、歌とバイオリンで各1曲ゲスト参加しており、そちらも見ごたえがある。
JTの参加は僅か1曲だけど、曲の良さ、メンバーの豪華さで購入の価値は十分あると思う。
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E10 Pull Over (2002) Columbia Music Video |
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James Taylor : Acoustic Guitar, Vocal
Bob Mann : Electric Guitar, Mandolin (11)
Clifford Carter : Keyboards
Jimmy Johnson : Bass
Russ Kunkel : Drums, Percussion
Luis Conte : Percussion
Walt Fowler : Trumpet, Frugelhorn, Synthesizer
Lou Marini : Alto Sax, Tenor Sax, Soprano Sax, Flute (4,13), Whistle (11)
Arnold McCuller, David Lasley, Valerie Carter, Kate Markowitz : Back Vocal
(1,2,3,5,6,7,8,10,12,13,15,17,19,20,21,22)
1. Everyday [Norman Petty, Charles Hardin] A12 E4 E5 E8
2. That's Why I'm Here A12 A12 E4
3. Only One A12 A15 E4 E5
4. Frozen Man A14 E7 E14
5. On The 4th Of July A17
6. Whenever You're Ready A17 A22
7. Raised Up Family A17
8. Mexico A7 A15 B16 B34 E1 E7 E8 E22
9. Steamroller A2 A15 B10 E1 E5 E8 E11 E14
10. Carolina In My Mind A1 A1 A15 B3 B10 B16 B22 B25 B26 B41 B46 E1 E5
E14 E15 E25
11. Millworker A10 A15 B30 E1 E19 E20
12. Sun On The Moon A13 A15 E7
13. A Junkie's Lament A8
14. Copperline [Reynolds Price, James Taylor] A14 A15 B33 B41 E7 E11 E14
E20
15. Shed A Little Light A14 A15 B42 E7 E13
16. Fire And Rain A2 A15 B3 B5 B16 B40 B41 E1 E4 E5 E7 E8 E13 E14 E15
E17 E21 E25
17. You've Got A Friend [Carole King] A3 A15 B16 C3 C4 E7 E8 E13 E14
E15
18. Your Smiling Face A9 A15 E1 E2 E4 E5 E7 E8
19. How Sweet It Is (To Be Loved By You) [Holland, Dozier, Holland] A7
A15 B15 E1 E4 E5 E8 E13 E21
20. Traffic Jam A9 A15 E4 E7
21. Knock On Wood [Steve Cropper, Eddie Floyd] A21 B16
22. You Can Close Your Eyes A3 B3 B4 E4 E7 E8 E14 E15
23. Sweet Baby James A2 A15 B3 B5 E1 E4 E5 E7 E14 E15 E17
録画: Rosemont Theatre, Chicgo, August 3 & 4, 2001
発売: 2002年11月
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2001年の夏から秋にかけて行われた全米ツアーからのライブ・ビデオ。画面や箱には記載がないが、2001年8月3、4日のシカゴ・ローズモント・シアターでの2日間のコンサートを編集したもの。非常に穏やかな雰囲気のコンサートで、バンドメンバーによる派手なソロはパーカッションのルイス・コンテを除きほとんどなく、コーラス隊が大半の曲でフィーチャーされ、カドがない大変聞きやすいサウンドメイキングだ。本作のドラムスがラス・カンケルということもあり、カルロス・ヴェガやスティーブ・ジョーダンよりも、どっしりとした重い乗りのせいかもしれない。
ビデオは楽屋のシーンから始まり、バンドによる長めのイントロが続き、JTがステージに登場、1.「Everyday」が始まる。サックスのルウ・マリニは、フュージョン、ロック系のセッション・プレイヤーで、サタデイ・ナイト・ライブなどのテレビ番組や映画音楽、そして数多くのアルバムに参加しているが、一番有名なのはブルース・ブラザーズだろう。テナー、アルト、ソプラノ・サックス、フルートなど、何でもこなす職人。トランペットとフリューゲルホーンを吹くウォルト・ファウラー(1955年生まれ)は、ジョニー・ギター・ワトソンやフランク・ザッパなど多くのバックをつとめている。本作では彼は右手にペットを持って吹きながら、左手でシンセサイザーを弾くというスゴイ技を披露している。クリフォード・カーターがピアノまたはオルガンに集中する一方で、彼のシンセサイザーはバンドの音に彩りを与え、ストリングス的な音の背景を描く大事な役目を担っている。セットはシンプルで、中央にイメージ写真を映し出す大きなスクリーンがある以外は、倉庫か納屋の中にいるかのような作りだ。ライティングも黄、緑、赤、青を微妙に混ぜたもので、曲毎に基本的な色調を変えている。
2.「That's Why I'm Here」はテンポを落とし、かなりリラックスしたプレイだ。 3.「Only One」でも、各楽器が手堅い演奏でまとめている。ここで聴衆のリクエストを聞いたJTがセットリストのプラカードを見せて、「それは後でね!」と応じるシーンがユーモラス。曲の紹介のあと、4.「Frozen
Man」が始まるが、最初はピアノ、フルート、フリュゲルホーンの演奏で、オリジナルと少し異なり、途中から例のJTのギターが加わる。「新曲をいくつか演奏します」というアナウンスの後に演奏されるボサノバ調の
5.「On The 4th Of July」は、スタジオ版よりもかなりテンポを落としている。間奏のウォルト・ファウラーのフリュゲルホーンのソロが最高。軽快な
6.「Whenever You're Ready」、R&B的な 7.「Raised Up Family」と新曲が続く。 8.「Mexico」はパーカッションのルイス・コンテによる、コンガとボンゴを使用した長いソロから始まリ、その間JTはしゃがんで彼の演奏を見守っている。ブレイクの後にサルサ調のイントロが流れ、リズムが跳ねたゴキゲンなプレイとなる。間奏ではアーノルドとケイトがステージでダンスを踊るのが微笑ましい。
9.「Steamroller」はいつもと異なり、ニューオリンズ風ブルース の味付けで、オルガンのクリフォード・カーターとギターのボブ・マンがソロを展開するが、アクのない比較的さらっとした演奏になっている。盛り上がった後で、JTが最初弾き語りで
10.「Carolina In My Mind」を演奏し、次第にバックが加わってゆく。11.「Millworker」はチューニングが違うようで、ドレッドノート・サイズのオルソンに持ち替えている。曲の解説の後にジミー・ジョンソンを紹介し、アコギとベースのデュオによるイントロが始まる。ルウ・マリニはホウィッスルを吹き、ボブ・マンはマンドリンを弾いている。JTがギターを持たずに歌う
12.「Sun On The Moon」は急速調で、13.「A Junkie's Lament」はしっとりとした曲。14.「Copperline」でアコーディオンのような音を出しているのは、ウォルトのシンセサイザーだ。
15.「Shed A Little Light」でもJTはギターを置き、コーラス隊と並んで歌う。4人によるバックコーラスは抜群の安定度を誇り、最強のライブバンドの中で他のミュージシャンの演奏が控えめであるのに対し、特に輝いている。このツアーの後、ヴァレリーが自分の音楽キャリアを追及するため、バンドから離れてしまうため、これが聞き納めとなった。曲の終了後、JTが彼らを一人ずつ丁寧に紹介する。
淡々と演奏される 16.「Fire And Rain」を聴いていると、この演奏がセプテンバー・イレブンの約3ヶ月前に行われたことに気づき、衝撃を受けてしまう。当時はアメリカが一番穏やかだった時期で、9月11日を境に世の中が一変してしまうのだ。17.「You've
Got A Friend」ではJTとコーラス隊は椅子に座って歌い、ラス・カンケルはカホーンと呼ばれる木の箱に腰掛けて、それを叩いている。ライブの定番曲
18.「Your Smiling Face」では、曲の中盤で一瞬レゲエのようなアレンジの部分があり可笑しい。乗り乗りで演奏される 19.「How
Sweet It Is」では、ルウ・マリニがステージの前に出てサックスソロを披露する。 コーラス隊と並んで歌う 20.「Traffic Jam」は、バックの演奏のレベルの高さがはっきり分かる。
21.「Knock On Wood」はエディ・フロイドによる1966年のR&B ヒット曲(全米28位)で、コンサートは最高潮となる。ここでバンド全員がステージに並んで挨拶し、アンコールになる。22.「You
Can Close Your Eyes」はJTのギターとコーラス隊だけでの演奏。最後にJTが一人で椅子に座り、しんみりと 23.「Sweet
Baby James」を歌ってコンサートは終了する。最後のクレジット表示のパートでは、コンサート終了後に会場の外で「You've Got A
Friend」を歌うファンに応えて、握手やサインをし、車に乗り込んだJTが会場を去るシーンでビデオは終わる。
良質の音質・画質、演奏、歌唱。「Live At The Beacon Theatre」 E8を意識した選曲(曲の重複を意図的に避けているように思える)、聴衆の表情を捉えたシーンも含め、キメ細かいカットが丁寧な製作姿勢を感じさせる。演奏的には冒険がなく、破綻のない堅実なパフォーマンスであるけど、とにかく安心して楽しめるライブであることは間違いない。
なお本作は2002年11月に発売されたが、それよりも以前の2002年1月17日に、NHKの衛星放送BS2で「ワールド・スーパー・ライブ」というタイトルで、8月4日のコンサートの模様が放送された。詳細は「その他映像の」コーナーで紹介するが、一部の曲につき、本作と異なるテイクの演奏であったり、本作に含まれていない曲(アウトテイク)があったり、全く同じ演奏でも各カメラのカット割り編集が全く異なる内容となっており、大変興味深いものだった
[2007年4月作成]
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