B8 The Bitter End Years (1974) ROXBURY |
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[Various Artists]
James Taylor: Guitar, Vocal
1. Riding On The Railroad A3 A15 B3
解説、アーティスト紹介のブックレット付
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ニューヨークのグリニッジ・ビレッジにあって60〜70年代にかけて新人アーティストの登竜門となったライブハウス「Bitter End」へのトリビュート盤。Early
Years(ジュディ・コリンズ、エヴァリー・ブラザース、ピーター・ポール&マリー、カーリ・サイモンがいたサイモン・シスターズ、トム・ラッシュなど)、Comedy
Years(ウッディ・アレン、リリー・トムリンなどのトークショウ)、Rock Years(ジョン・デンバー、アーロ・ガスリー、カーチス・メイフィールド、メラニー、ベット・ミドラー、ヴァン・モリソン、ジョン・セバスチャン、ジェリー・ジェフ・ウォーカー)の3枚組からなる。ビターエンドでのライブを収録したものではなく、参加アーティストの収録曲はライブ、既発表のスタジオ録音など様々で、サイモン・シスターズの曲など貴重そうなものもあるが、かなりのマニアでないと食指が動かないだろう。
3枚目のRock YearsのトリをつとめるJTは、何故か未発表のライブ録音を提供。これは1972年カリフォルニア州オークランドでの録音で、当時ライブアルバム製作のために録音されたがボツになったというコンサート音源と同時期・同場所になる。現在出回っている音源の資料によると、4本のテープのうち3本しか入手できなかったとあるが、他の音源から当時のコンサートの構成を再現すると、1.「Riding
On The Railroad」はちょうど入手できなかった中盤での演奏曲で、正にこの曲が失われた曲のひとつであり、この曲を本作に収録するために持ち出されたテープが、他のテープと生き別れになってしまった経緯が推測される。
私的レースにより賞金を稼ぐドライバーに扮した映画「断絶」への出演経験を話し(あまり楽しくはなかったようだ)、本曲を弾き語りで演奏する。リラックスして自由な雰囲気で、JTのボーカルも好調、エンディングでは彼お馴染みのラララが聞こえる。
大変に入手が難しいアルバムで、私も見つけるのに10年以上かかった。
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1976 In The Pocket (1976年6月発売)の頃 |
B9 I Can Dream Of You (1976) Warner Brothers
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James Taylor: A. Guitar, Vocal
Lee Sklar: Bass
Craig Doerge ?: Keyboard
Russ Kunkel ?: Drums
1. I Can Dream Of You [Livingston Taylor]
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1976年に全米22位のヒットを記録したシングル盤「Shower The People」(「In The Pocket」A8に収録)のB面で、これまでいかなるLPにもCDにも収められていない。作曲者のリビングストン・テイラーによるオリジナル録音は、1973年の作品「Over
The Rainbow」C12に収録されている。
アコースティック・ギターとエレキピアノ、ベースとドラムスだけのシンプルな編成に、ストリングスがついている。バック・ミュージシャンのクレジットがないが、よく動くメロディックなベース・ラインは、リーランド・スクラーに間違いない。そしてエレピの音使いも、クレイグ・ドーキーにほぼ間違いないでしょう。とすると、残るドラムスはラス・カンケルに決まり!JTのバージョンのアレンジは、リブのオリジナルよりもはるかに出来が良い。「あの曲だけどさー。僕だったらこうしちゃうぞ。どうだ、いいだろう!」という感じか?
「つらくても、君の夢を見る事ができるから平気さ」といった内容の歌詞で、とにかくメロディーがスウィート。JTはそれをもっと甘く歌う。本当に、こんなに優しい雰囲気の歌はあまりないぞ。何度聴いてもウットリしてしまう。ちょっと甘さが口の中に残る感じがするけど、もう何回聴いたかな〜と思うほどの愛聴盤だ。もちろんレコードで聴いているとすり減ってしまうので、カセットテープに落としてますけどね!
ファンの間でも知る人ぞ知る名曲・名演。最近は配信サイトでダウンロードできるので、お勧め!
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B10 Greatest Hits (1976) Warner Brothers |
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James Taylor: A. Guitar, Vocal
Danny Kootch: E. Guitar (3)
Dan Dugmore: Steel Guitar (1,2)
Clarence McDonald: Piano (2,3)
Lee Sklar: Bass
Russ Kunkel: Drums (2,3)
Byon Berline: Fiddle (2)
Andrew Gold : Harmonium, Back Vocal (2)
Herb Pedersen: Back Vocal (1)
Peter Asher: Producer
Lenny Waronker & Russ Titeleman (3)
1. Something In The Way She Moves A1 A15 B3 B18 B41 E5 E14 E15
2. Carolina In My Mind A1 A1 A15 B3 B16 B22 B25 B26 B41 B47 E1 E5 E10
E14 E15 E25
3. Steamroller Blues A2 A15 E1 E5 E8 E10 E11 E14
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JTがCBSソニーに移籍した後に発売されたワーナー時代のベスト盤。「Sweet Baby James」A2 より3曲、「Gorilla」A7より2曲、「Mud
Slide Slim」A3、「One Man Dog」A4、「Walking Man」A5、「In The Pocket」A8より各1曲が選ばれたほか、未発表ライブが1曲、本作のための新録音2曲が収録された。LP時代の発売のため、収録曲が12曲と少なく約30年前のものなので、その後発売されたベスト盤に比べて曲目では見劣りするが、上記3バージョンが聞けるため廃盤にならず、後にCD化されて現在も、お手頃な値段で店頭に並んでいる。その後発売されたベスト盤にも1.2.3のいずれかが含まれているものはあるが、3曲全部というのはここだけだと思う。
1.2.はアップル時代のデビューアルバム A1に入っていた曲で、契約の関係で収録できず、新たに録音し直したものと思われるが、おそらく彼自身、当時の出来栄えに満足していなかったこともあると思う。1.「Something
In The Way She Moves」の演奏は基本的にJTの弾き語りで、バックは控えめ。彼のギターおよびボーカルは、録音の良さもあり A1のものよりずっとクリアーだ。2.「Carolina
In My Mind」では A1でのオーバープロデュース気味のストリングス・アレンジはなく、淡々とした丁寧な演奏で、オリジナルよりも遥かに出来がいい。アンドリュー・ゴールド、ダン・ダグモアなど、リンダ・ロンシュタットのバックを務める人達が参加しているのが興味深い。プロデューサー、マネージャーが同じピーター・アッシャーだもんね。ちなみに自身シンガー・ソングライターとしてヒット曲を放っているアンドリュー・ゴールドとJTの共演はここだけだ。
3.「Steamroller Blues」は、1975年8月ロスアンジェルス、Universal Amphitheatreでのライブ録音で、JTのアドリブ・ボーカルの他、ダニーのギター、クラレンスのピアノソロをたっぷり聞く事ができるエキサイティングな演奏だ。この曲はライブで必ず演奏されるため、海賊盤やビデオ等で数多くのバージョンを楽しむことができるが、その都度ボーカルのアドリブが異なり、その変化の妙を味わえる。なかにはレゲエ・バージョンもあるぞ!ちなみにこの曲のプロデューサーはレニー・ワロンカーとラス・タイトルマン、しかもエンジニアがリー・ハーシュバーグというA7
A8のスタッフが名を連ねていることから、本曲が当時盛んに噂されながらリリースされなかったライブ・アルバムのために録音された曲のひとつと推測することができる。
[2011年6月追記]
アンドリュー・ゴールド氏は、2011年6月3日亡くなりました。ご冥福をお祈り致します。
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1978年 JT(1977年6月22日発売)、Flag (1979年5月1日発売)の頃 |
B11 Honey Don't Leave L.A. (1978) [Single] Sony |
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James Taylor : Vocal, Acoustic Guitar
Danny Kootch : Electric Guitar
Clarence McDonald : Keyboards
Lee Sklar : Bass
Russ Kunkel : Drums
Arnold McCuller or Philip Ballou (Probably) , David Lasley : Back Vocal
1. Honey Don't Leave L.A. [Danny Kootch] A9 B12 E1
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「Handyman」、「Your Smiling Face」に続く、アルバム「JT」からの3枚目のシングルカットであるが、発売にあたりバックボーカルがオーバーダビングされている。以前よりこの曲のシングルバージョンはアルバムと違うな〜と思っていたのだが、今回デビッド・ラズレーのホームページから裏づけがとれ、バックボーカルを担当したのが彼と恐らくアーノルド・マックラー(またはフィリップ・バルー)であることが確認されましたので、本HPに追加しました。
アルバムでのオリジナル・バージョンではおそらくダニー・クーチがコーラスを付けているものと思われるが、シングル盤製作にあたり曲のインパクトを増すためにオーバーダビングを施したものと思われる。デビットとアーノルドは、1977年よりJTのコンサートツアーに参加しており、同年発表のデビッドが在籍したコーラスグループ、Rosieのアルバム「Last
Dance」 1977 C22 にJTがゲスト参加しているが、JT名義の録音では、本曲が初めてと思われる。アルバム単位の参加では「Flag」1979
A10が最初。
JTのボーカルおよびバックバンドの演奏は全く同じなので、別テイクではなくリミックスの位置づけになるが、ここでのバックボーカルはまさにプロの仕事で、厚みのあるコーラスにより曲の雰囲気をかなりハイにすることに成功している。
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1979年 Flag (1979年5月1日発売)の頃 |
B12 No Nukes (1979) [Various Artists] Asylum |
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James Taylor: Acoustic Guitar (2,3,4), Vocal
Carly Simon: Vocal (2,5), Back Vocal (1,6)
Graham Nash: Vocal (2), Back Vocal (1,6)
Danny Kootch: Electric Guitar (4,5)
Waddy Wachtel: Electric Guitar (3,4,5)
John Hall: Electric Guitar (1,6), Back Vocal (1,6)
Leland Sklar: Bass (4,5)
Don Grolnick: Keyboard (2,3,4,5)
Russ Kunkel: Drums (4,5), Percussion (3)
Rick Marotta: Percussion (4,5)
David Sanborn: Sax (4,5)
Rosemary Butler: Back Vocal (1,4,5,6)
Bonnie Raitt: Back Vocal (1,6)
Brenda Eager: Back Vocak (1,6)
Cleo Kennedy (6)
Doug Haywood: Back Vcal (1,6)
Gloria Coleman: Back Vocla (6)
Jackson Browne: Back Vocal (1,6)
John Hall: Back Vocal (1,6)
Niclette Larson: Back Vocal (1,6)
David Lasley: Back Vocal (4,5)
Arnold McCuller: Back Vocal (4,5)
[The Doobie Brothers] (1,6)
Michael McDonald: Keyboard , Vocal
Patrick Simmons: Guitar
John McFee: Guitar, Pedal Steel Guitar
Tiran Porter: Bass
Cornelius Bumpus: Sax
Keith Kudsen: Drums
Chet McCracken: Drums
Ted Templeman : Percussion
1. Power [John Hall, Joanna Hall] (With Doobie Brothers) C33
2. The Times They Are A-Changin' [Bob Dylan] (With Carly Simon And Graham
Nash) E2
3. Captain Jim's Drunken Dream A8
4. Honey Don't Leave L.A. [Danny Kootch] A9 B11 E1
5. Mockingbird [Inez & Charlie Fox] C14
6. Takin' It To The Streets [Michael McDonald] (With Doobie Brothers) E2
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1979年9月19日〜23日にニューヨークのマジソン・スクウェア・ガーデンで開催された「No Nukes」チャリティーコンサートのライブ。収益金はJT、カーリー・サイモン、ジョン・ホール、ボニー・レイットらが設立したMUSE
(Musicians United For Safe Energy) Foudationに寄付された。その他ジャクソン・ブラウン、ドゥービー・ブラザーズ、クロスビー・スティルス・アンド・ナッシュ、ブルース・スプリングスティーン、トム・ペティー、ライ・クーダー、ニコレッタ・ラーソン、チャカ・カーンなどが参加し、大変豪華なショーとなった。
テーマソングというべき1.「Power」は、最初のヴァースではジョン・ホール、JT、マイケル・マクドナルドが中心となって、カーリーやグラハム・ナッシュ、ジャクソン・ブラウン等がバックコーラスで加わる。歌詞の2番はマイケル・マクドナルドとJTが半分づつリードをとる。ドゥービー・ブラザーズあるいはジョン・ホールによるギターソロの後、最後のヴァースは全員による合唱で盛り上がり、とても感動的だ。文句なしの名曲。ボブ・ディランの傑作2.「The
Times They Are A-Changin'」はJTのアコースティック・ギターの伴奏で、JT、カーリー、グラハム・ナッシュが歌う。最初はJT一人で、次にグラハム、そしてカーリーが加わり、力強い合唱となる。映像版
E2ではジョン・ホールも歌っているが、ここではクレジットのとおり、3人だけで歌っているようだ。
3.「Captain Jim's Drunken Dream」は2台のアコースティックギターとピアノ、パーカッションによるシンプルなバックによる演奏。4.「Honey
Don't Leave L.A」は、ダニー・クーチとワディ・ワクテルのギターがヘヴィーなリズムを刻み、ラス・カンケルのドラムスがパワフルなロック。デビッド・サンボーンのサックスが相変わらずソウルフル。デビッド・ラズリー、アーノルド・マックラー、ローズマリー・バトラーのバックボーカルも大きくフューチャーされている。5.「Mockingbird」でカーリーの声が聞こえると観客から歓声が起きる。スタジオ録音版よりもテンポがかなり速い。ここでも間奏はサンボーンのソロだ。二人のボーカル、特にJTは自由奔放。
マイケル・マクドナルドの代表曲のひとつである最後の曲6.「Takin' It To The Streets」におけるドゥービー・ブラザーズの演奏の躍動感は凄まじい。コーネリアス・バンパスのサックスソロがフューチャーされ、ウェストコースト・ロックとソウルの融合の極地だ。マイケルのリードに続き、JTが1ヴァース歌う。フィナーレなので、バックボーカルは出演者総動員だ。本作ではいたる所にJTのボーカルが出てくるし、ドゥービー・ブラザーズやマイケル・マクドナルドとの共演など盛りだくさんで、ファンには大変楽しい作品となった。
これら一連のコンサートの模様を収録した映画も当時封切られ、その後米国ではテレビ等で放映されていた(私はアメリカ在住時にそれをビデオに収録することができた)が、90年代後半にDVD
(E2)として発売された。そこに収められた曲のほとんどが、レコード盤とは異なる曲・テイクになっている。ただし映像版では1.がダウンタウンのバッテリー・パーク横での野外コンサートでの収録で、JTは参加していない。私は以前中古レコードショップで購入したため、残念ながらブックレットが付いておらず、曲毎のパーソナルの資料が手元にないため、上記のクレジットはインターネットでの取材をベースに、映像版を参考にして判断した。
[2022年4月追記]
パーソナルについての資料が入手できたので、修正しました。
[2023年4月追記]
9月19日、20日、23日の音源を聴くことができたため、1と6が9月20日の演奏であることがわかりました。また3.「Captain Jim's
Drunken Dream」は9月23日の演奏と同じでしたが、レコードではコーラス部分のハーモニー・ボーカルが聞こえず、ミキシングで取り除かれたものと推測されます。
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1980年 Flag(1979年5月1日発売)、Dad Loves His Work (1981年3月発売)の頃 |
B13 In Harmony (1980) [Various Artists] Warner Brothers |
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James Taylor: Guitar (2), Vocal (2)
Kate Taylor: Vocak (12)
Carly, Joanna And Lucy Simon: Back Vocal (12)
Hugh, Jame And Livingston Taylor: Back Vocal (12)
David Spinozza, Al Gorgoni: Guitar (12)
Don Grolnick: Keyboard (12)
Tony Levin: Bass, Tuba (2)
Steve Gadd: Drums
Sammy Figueroa: Percussion
Lucy Simon, David Levine: Producer
2. Jelly Man Kelly [James Taylor, Sarah Taylor] B14
12. In Harmony [Lorraine Alterman Boyle, Anne Roiphe, Lucy Simon]
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1960年代末から新しい子供向け番組として一世を風靡したTV番組「セサミ・ストリート」のために製作されたオムニバス・アルバムで、セサミ・ストリート・レコード製作、ワーナー・ブラザース配給。カーリーのお姉さんのルーシー・サイモンがプロデューサーに名を連ねている。参加者はドゥービー・ブラザース(サイモン・シスターズの代表作「Wynken,
Blynken And Nod」をカバー)、カーリー・サイモン、リンダ・ロンシュタットとウェンディ・ウォルドマン、リビー・タイタスとドクター・ジョン、リヴィングストン・テイラー、ルーシー・サイモンとJT
カーリ・サイモン人脈が勢揃いしている。他にアル・ジャロウ、ベッド・ミドラー、ジョージ・ベンソン、そしてセサミストリートのアーニーとクッキーモンスターの歌が1曲入っている。必ずしも同番組での使用のために作られたものではなく、イメージに合う子供向けの曲を集めた、資金集めのためのチャリティー・レコードといえる。
2.「Jelly Man Kelly」は娘のサリー・テイラーとの共作とクレジットされた、歌詞の語呂合わせが面白い小品。トニー・レヴィンのチューバが面白い味を出している。12.「In
Harmony」は妹のケイト・テイラーがリードをとるタイトル曲で、サイモン家の3姉妹、アレックスを除くテイラー家参加というアットホームな曲だ。なお同作に収録されているカーリー・サイモンの「Be
With Me」にはJTがギターで参加しているが、彼女のソロアルバム「Another Passenger」 1976 C20 のヴァージョンと同じなので、ここでは対象外とした。
[2023年8月追記]
他の曲について、簡単に説明します。
[Side A]
1. Wynken, Blynken And Nod [Eugiene Field, Lucy Simon] The Doobie Brothers
2. Jerry Man Kelly [James Taylor, Sally Taylor] James Taylor
3. Be With Me [Carly Simon] Carly Simon
4. Blueberry Pie [Bette Midler, Bruce Roberts, Carole Bayer Sager] Bette
Midler
5. Share [Joe Raposo] Ernie And Cookie Monster (Jim Henson And Frank Oz)
6. One Good Turn [Al Jarreau] Al Jarreau
[Side B]
7. I Want A Horse [Linda Ronstadt, Wendy Waldman] Linda Ronstadt And Wendy
Waldman
8. The Sailer And The Mermaid [Jacob Blackman, Libby Titus] Libby Titus
And Dr. John
9. Pajamas [Livingston Taylor] Livingston Taylor
10. A Friend For All Seasons [Cheryl Hardwick] George Benson And Pauline
Wilson
11. I Have A Song [Norman Martin, Lucy Simon] Lucy Simon
12. In Harmony [Lorraine Alterman Boyle, Anne Roiphe, Lucy Simon] Kate
Taylor And The Simon-Taylor Family
1.「Wynken, Blynken And Nod」は、詩人のユージン・フィールドが1889年子供向けに描いたララバイにルーシー・サイモンが曲をつけたもので、ルーシーとカーリーの姉妹によるデュオ、ザ・サイモン・シスターズのデビュー作
「Meet The Simon Sisters」1964がオリジナル。本曲はシングルカットされ、全米73位を記録している。ザ・ドゥービー・ブラザースはカバーにあたり、シンプルなフォークソングを洗練されたポップにアレンジしている。本アルバムからシングルカットされ、こちらは全米76位。子供達が木舟に載って星を漁りにゆく歌詞がファンタスティック。4.「Blueberry
Pie」は、ブルース・ロバーツとキャロル・ベイヤー・セイガーが共作者で、彼氏とブルーベリーパイのイメージをごっちゃにした歌詞がユーモラス。ドクター・ジョンがピアノを弾き、ブルース・ロバーツ、ルーシー・サイモン、ウェンディ・ウォルドマンがバックボーカルを付けている。5.「Share」はセサミ・ストリートのマペットによる掛け合いで、ジム・ヘンソンとフランク・オズが語りと歌を入れている。
6.「One Good Turn」はいかにもアル・ジャロウといった感じの凝ったメロディーの曲で、本作のなかでは少し異質の感あり。これもシングルカットされたが、チャートインしなかった。彼はその後
1977年のライブアルバム「Look To The Rainbow - Live In Europe」で再録音している。
B面最初の曲 7.「I Want A Horse」の共作者ウェンディ・ウォルドマンは、シンガー・アンド・ソングライターとして1970年代にマリア・マルダー等に曲を提供した他、数枚のソロアルバムを発表。1980年代以降は、ナッシュビルに移り作曲家に専念。ヴァネッサ・ウィリアムスの「Save
The Best For Last」 1992 全米1位が代表作。自分の馬を欲しがる女の子の心情を歌ったピュアな曲。船員役のドクター・ジョンと
8.「The Sailer And The Mermaid」を歌う人魚役のリビー・タイタスについては、彼女のソロアルバム 1977 C25の記事を参照してほしい。JTの弟リブの
9.「Pajamas」は、彼のアルバム「Man's Best Friend」1980とは別録音で、ジャズベースの巨匠ロン・カーターとデビッド・スピノザのギターをバックに歌い、軽妙洒脱なジャズ・フィーリングが最高。10.「A
Friend For All Seasons」のジョージ・ベンソンは、ここではハワイのフュージョンバンド、シーウィンドのボーカリスト、ポーリン・ウィルソンと歌っているが、1979年5月24日放送の「セサミストリート」では、番組のレギュラー出演者で、俳優・歌手のアライナ・リード演じるオリヴィアとデュエットしている。11.「I
Have A Song」はプロデューサーのルーシー・サイモンの歌。
プロデューサーのルーシー・サイモンの人脈と、ワーナーブラザースに関係あるアーティストのラインアップをフルに生かした面々による豪華なアルバム。以降この手の企画ものアルバムが次々と発表されることになる。
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B14 Songs FromThe Street (2003) [Various Artists] Sony Legacy |
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James Taylor: Guitar, Vocal
Howard Johnson : Tuba
Sesami Street Kids: Back Vocal
1. Jelly Man Kelly [James Taylor, Sarah Taylor] B13
収録: 1980年
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セサミストリート35周年を記念して製作された3枚組CDボックス。おなじみのテーマソングをはじめ、昔観たマペット達による傑作ソングがいっぱい入っている。なかでもビリー・ジョエル(ひねくれ者のオスカーに歌う「Just
The Way You Are」!)、スティーヴィー・ワンダー、ポール・サイモン、グロリア・エステファン、セリーヌ・ディオン、デスチャなどの豪華なゲストがスタジオで歌うこの番組ならではの趣向が収録されている。
JTの1.「Jelly Man Kelly」は前作 B13とは異なり、スタジオで子供たちと一緒に歌う。黒人プレイヤーがチューバを吹いていて、クレジットはないが、ハワード・ジョンソン(ザ・バンドのライブ「Rock
Of Ages」に参加していた人)だ。B13で多重録音していたバック・コーラスは、ここでは子供達が担当。少し遅れ気味のテンポが微笑ましい。映像版は2005年初めに発売されたDVD
またはビデオ「Sing Yourself Silly」に入っているとのこと。本作のクレジットでは作曲JT、作詞サラ・テイラーと表示されており、子供ながら面白い詩を書くもんだ。
私は幸いにもこのシーンのテレビ放送を録画する機会があったので、以前からよく知っていた音源だった。JTのギターはマーク・ホワイトブックで、彼の前髪はすでに薄くなりかけている。今回CDで聴ける正式音源ということで敢えて購入した。JTは他にも同番組に出演していて、屋根裏イメージしたセットで撮影されたスタジオライブで「Up
On The Roof」、マペットのオスカーとの替え歌デュエット「Your Smiling Face」についてはNHK放送から録画することができた(この番組のファンで、毎月ガイドを購入していたためラッキーでした)。ただしインターネット資料では、もう1曲「You've
Got A Friend」があるというが、ガセネタのようだ。
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1981年 Dad Loves His Work (1981年3月発売)の頃 |
B15 In Harmony 2 (1981) [Various Artists] Sony |
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James Taylor: Guitar, Vocal
Sarah and Ben Taylor: Back Vocal
Hugh McCracken: Guitar
Ron Carter: Bass
Rob Mounsey: Keyboard
Errol 'Crusher' Bennett: Percussion
Lucy Simon And David Levine: Producer
1. Sunny Skies A1 A2
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B13の続編で1981年発表、今度はCBSレコードから配給された。参加者はビリー・ジョエル、ジャニス・イアン、クリスタル・ゲイル、ドクター・ジョン、ルー・ロウルズ、ケニー・ロギンス、カーリー・アンド・ルーシー・サイモン、そしてブルース・スプリングスティーン(彼が演奏する「Santa
Claus Is Comin' To Town」のライブは、ファンの間でコレクターズ・アイテムとなっているそうだ)。
ここではJTは、子供達の「Wake Up Daddy !」という言葉に導かれて、眠そうに歌う。何とも言えない孤独感に満ちていた「Sweet Baby
James」 A2のオリジナルに比べ、こちらはスウィートな雰囲気だ。前者の「That sunny skies hasn't a friend」という歌詞の大事な部分が、「That
sunny skies is my good friend」と書き改められ、曲想ががらっと変わり、子供向けの明るい歌になった。なおバックにはジャズ・ベースの巨匠ロン・カーターが参加している。
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1985年 That's Why I'm Here(1985年10月発売)の頃 |
B16 Live In Rio (1985) CBS (Brazil盤) |
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James Taylor: Guitar, Vocal
Dan Dugmore: Guitar (3,7,9,10,11), Steel Guitar (4,6,8)
Leland Sklar : Bass
Billy Payne: Keyboards
Rick Shlosser: Drums
Arnold McCuller, Rosemary Butler: Back Vocal (2,3,4,5,7,8,10,11)
[Side A]
1. Long Ago And Far Away A3 E1
2. Carolina In My Mind A1 A1 A15 B3 B10 B22 B25 B26 B41 B47 E1 E5 E10
E14 E15 E25
3. Up On The Roof A10 A15 B40 C1 C4 E1 E5 E8 E15 E28
4. You've Got A Friend A3 A15 C3 C4 E7 E8 E10 E13 E14 E15
5. Shower The People A8 A15 E5 E6 E8 E14
[Side B]
6. Fire And Rain A2 A15 B3 B5 B40 B41 E1 E4 E5 E7 E8 E10 E13 E14 E15 E17
E21 E25
7. Mexico A7 A15 B34 E1 E7 E8 E10 E22
8. Walking Man A6 A15 E1
9. Don't Let Me Be Lonely Tonight A4 A15 C67 C74 E1 E5 E8 E25
10. Konck On Wood [Steve Cropper, Eddie Floyd] A21 E10
11. How Sweet It Is (To Be Love By You) [Holland, Dozier, Holland] A7
A15 E1 E4 E5 E8 E10 E13 E21
Live At Rock In Rio January 12 and 14, 1985
注)写真上はレコード盤、下はその後発売されたCD盤
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JTがリオ・デ・ジャネイロのロック・フェスティバル「Rock In Rio」に出演した時のライブで、ブラジルのみで発売されたもの。ある日本の輸入盤専門店が販売していたのを運良くゲットできた。ジャケット裏写真にあるとおり、見渡す限り人また人で、「Three
Hundred Thousand」すなわち30万人とのことです。スゲー! JTは当地で大歓迎を受け、その強烈な印象と経験は彼の人生と音楽キャリアの再生ともいえる大きな転換のきっかけとなり、現地滞在中に作曲した「Only
A Dream In Rio」 1985 A12 という曲に結実した。
本作のバックバンドは、キーボード、ドラムス、ギターがいつもと違う人なので、大変面白いサウンドが楽しめる。リトル・フィートのビル・ペイン(以後BPと略す)は、ロック界5大ピアニストの一人だ(他はドン・グロルニック、リチャード・ティー、ドクター・ジョン、ガース・ハドソン)。この人のファンキーなピアノ、アーシーなエレピは本当に素晴らしい。ドン・グロルニックの味わいが上品な澄まし汁とすると、BPは豚汁、リチャード・ティーはこってりしたシチューといったところか?リック・シュローサーのドラムスは、ラス・カンケルやカルロス・ヴェガと異なる軽快な乗り。主にリンダ・ロンシュタットのバンドで活躍し、JTのアルバムやコンサートにもよく参加しているダン・ダグモアは、ペダル・スティール・ギターもこなす。このメンバーでの音源は、スタジオ録音では「That's
Why I'm Here」1985 A12、映像としては1985年の「That's Why I'm Here」のプロモーション・ビデオ、1986年のドイツでのテレビ出演「Ohne
Filter」 E4 などで、珍しいものだ。
1.「Long Ago And Far Away」におけるBPのエレキピアノは彼独自の音色で、いつものドン・グロルニックと全然違うのが面白い。エンディングのJTのアドリブボーカルは通常よりも長く、彼の精神が高揚しているのがよくわかる。2.「Carolina
In My Mind」はギターのみをバックに、バックコーラスを含む3人で歌う。録音のせいか、アーノルド・マックラーとローズマリー・バトラーの声が何時になくリアルだ。3.「Up
On The Roof」のBPのピアノも最初はレコードと同じ感じだが、だんだん勝手流になる。4.「You've Got A Friend」はダン・ダグモアの控えめなスティール・ギターがいい。コーラスで観客が一緒に歌っているのが聞こえる。JTのボーカルもアドリブ満載だ。5.「Shower
The People」はギター1本とコーラス隊(ここではアーノルドとローズマリーではなく、ルボックスのテープを使っているようだ)との演奏。エンディングのアドリブはアーノルド・マックラーではなく、JT本人が歌っている。
6.「Fire And Rain」はテンポを落とし、じっくり歌われる。大会場のPAのせいか、一部ヴォーカルの音量が不安定になる所がある。ダン・ダグモアのスティール・ギターとBPのピアノにより、いつもとはかなり違う「Fire
And Rain」となった。7.「Mexico」のイントロのJTのアコギはかなり電気処理されている。サウンドおよびジャケット写真から使用ギターはマーク・ホワイトブック。間奏部分はBPのシンセによるマリアッチ風サウンド。8.「Walking
Man」のBPのエレキピアノは曲の色彩をがらっと変えるほど刺激的だ。ダグモアのスティールギターもいいですね。9.「Don't Let Me Be
Lonely Tonight」は私の大好きな曲で、いつも聞くたびにゾクゾクする。BPのエレピは伴奏・最後のソロともに最高!エディ・フロイド1968年のヒット(全米28位)10.「Knock
On Wood」はバックボーカルがフューチャーされた軽快なロックだ。 11. 「How Sweet It Is」では、リック・シュローサーのドラムと、リー・スクラーのベースによるリズムセクションの乗りが楽しめる。BPのピアノは極めて自由奔放。JTとコーラス隊ボーカルのアドリブ、掛け合いも大変熱がこもっいる。
JTのライブはかなり聴いたが、これほどワイルドで乗りのいいボーカルは聞いたことがない。さぞかし気持ちが良かったのだろう。いささか躁的なまでに盛り上がっている。惜しむらくは、少し歪み気味な録音の悪さだ。なお本作は後年CD化(これもブラジルでのみ)され、その際は異なるジャケット写真が使用された。なお、本コンサートの模様を放送したテレビ番組の映像があり、そこでは本アルバムに収録されていない曲の演奏を観ることができる(「その他映像」のコーナー参照)。
(2012年6月追記)
本コンサートの映像を見ることができたので、追記しました。
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