Call Me (Chris Montez) 1966 (米22位 英なし)
[Tony Hatch]
カバー曲:
1. 1965 Petula Clark
2. 1966 Tony Hatch
Orchestra
3. 1966 Chris Montez
4. 1966 Astrud
Gilberto
5. 1966 Frank Sinatra
1989年の映画「When Harry Met Sally(邦題 「恋人達の季節」だったかな?)で、ビリー・クリスタル(ロバート・デ・ニーロと共演した「Analyze This」1998 のラストでトニー・ベネットの歌に合わせてダンスするシーンが傑作だった)が、なかなか電話をしてくれないメグ・ライアン(私の好きな女優。「Sleepless
In Siattle」、邦題忘れました、「貴女に降る星」だったかな?「You've Got Mail」などトム・ハンクスとの共演作で、ありそうもない話をそれなりに見せてくれる存在感・説得力がいい人)の留守電にささやく歌として効果的に使われていた。1994年にブロンディがヒットさせたものとは、同名異曲。
作詞作曲は、イギリスのバカラックと呼ばれるトニー・ハッチ。彼はペトュラ・クラークの「Downtown」の作者として有名。1.のオリジナル・バージョンは、彼女の歌が健康的、まとも過ぎて曲の良さを引き出すにいたっていない。2.は作者によるインストルメンタルで、1.と同じ雰囲気のアレンジだ。この曲の決定版が3.のクリス・モンテス。ハーブ・アルバートのアレンジによるボサノヴァのリズムに乗せて、少し退廃的でけだるい感じ、ジャズっぽいテンポの崩し方、そしてオカマっぽい中性的なボーカルが、この曲にぴったりだ。一節毎の転調によるコード進行が非常に独創的で、頭の中のアドレナリン出まくりの必殺曲。典型的なA&Mレコード・サウンドだ。そしてボサノヴァの女王アストラッド・ジルベルトの4.も素晴らしい出来。「もし悲しくて寂しいならば、遠慮しないで電話してね」という彼女の囁きを聴いたら、本当に電話したくなってしまう。そして思わず妻に電話して「何酔っ払っているのよ!」とどやされて、ふと正気に返るこの頃です。単身赴任時代の一人暮らしでジ〜ンときた曲です。5.は少し貫禄がありすぎ。従ってお勧めは 3.です。滅多にない名曲ですよ!
[クリス・モンテス その他のお勧め曲]
1.「The More I See You」(1966) 「Call Me」とほぼ同じアレンジ、雰囲気の曲で、1945年のヒット曲のリバイバル。全米16位、全英4位なので、こちらのほうが彼の代表作になるだろう。
2.「Let's Dance」(1962) A&Mレコードに移籍する前のロックンロール時代の代表曲。メキシコ系アメリカ人ということもあり、飛行機事故で夭逝したリッチー・ヴァレンスにとても近いスタイルの軽快な曲だ。全米4位、全英2位。
|