bad-8syo.html TEXTBlWd � � ｴ ﾃｷｴｼ
bad-8syo.html
------------------------------------------------------------------------------
第 ８章 基本ストロークから、確実ストロークへ
－上手いから巧いへの第一歩－
前章で述べたことのステップアップの章です。ここでは、ラケット
ワークの簡単な知識を養います。
まず、
１．回内運動と回外運動、
２．内旋運動と外旋運動
３．肘の使い方
を理解します。
１．回内運動と回外運動
バドミントンはよく手首を使った運動と言われていますが、これは
大きな間違いです。教える人が「ハイ手首をいれて」とか「手首を折
って」と言っていますが、そんなことを言う人から教わるものは何も
ありません。ただ、手首の痛みと故障を得るだけです。これは大きな
間違いだということを早く認識してください。それと、市販されてい
るいろいろなバドミントンの教本の写真で、「手首が折れていたり」
「手首を折り返していたり」に見えていますが、それは、たまたまそ
うなったところの写真を載せている だけで、見本・手本にしてはい
けません。これは見ることを通じて、誤った認識を与えてしまいます。
では、証拠をおみせしましょう。自分で試して見てください。準備は
よろしいですか。手のひらを開いて下に向けてください。横に向けて
も構いません。自分の手首を上下または左右に動かして下さい。腕（
アーム）の部分にだるいような痛さが生じます。痛いということは無
理な動きがある証拠です。ですから、手首を折ることは、無理をして
いるのです。やってはいけません。
次に、手のひらを少し前に向けて、何かを握るように軽くじゃんけ
んの「グー」を作ってみましょう。今「グー」は横を向いています。
では、その「グー」を縦にしてみましょう。腕（アーム）の方が動き
ましたね。外を向いていた肘が下に来ました。また、肩の二の腕が少
し回りました。つまり、結論として、手首は全く使っていません。こ
の動作は、丁度、腕を構成している２本の骨が交差から平行になった
ことを表わしています。詳しくは図解しますのでそれをみてください。
この「グー」が、横から縦になった動作これを回外運動と呼びます。
その逆の動きを、回内運動と呼んでいます。それで写真の話しに戻り
ますが、手首が折れているように見えるのは、この運動の速度が早い
がため、折れてしまったようにみえるとみるべきです。実際に早く動
かしてみてください。写真と同じようになるでしょう。では、全く手
首は動いていないではないかと質問されますが、もう一歩突っ込んだ
話しをしますと、手首の動きは、それを中心とした半径が「手のひら」
分の円を描く運動をするのです。つまり、回内回外運動は腕（肩から
肘まで）を車軸とした手首の回転運動を意味します。
図８ー１ 回内１ 図８ー２ 回内２ 図８ー３ 回内３
図８ー４ 回内１ 図８ー５ 回内２ 図８ー６ 回内３
図８ー７ 回内１ 図８ー８ 回内２ 図８ー９ 回内３
２．内旋運動と外旋運動
ここでは肩から肘までの腕（アーム）の運動の説明をします。特に
肩の動き、動かし方を説明します。「旋」という字はぐるぐると廻（
まわ）すことを意味します。左右の肩を廻してみましょう。いろいろ
な方向へ動きますね。ここから、頭を整理しながら考えていきます。
まず利き手、利き腕のある方を動かすことを考えます。体の胴体のあ
る内側に向かって腕を振ることを「廻す」と言い、その運動を内旋運
動と呼びます。逆に、体の胴体のない外側へ向かって腕を振ることも
廻すと言い、その運動を外旋運動と呼びます。簡単にいえば内旋外旋
運動は、肩を中心（軸）とし半径が「肩から手」にかけての円運動と
なります。
図８ー１０ 内旋１ 図８ー１１ 内旋２ 図８ー１２ 外旋
図８ー１３ 図８ー１４ 図８ー１５
ドライブ１ ドライブ２ クリアー
３．肘の使い方
肘の動きを考えて見ましょう。肘はあくまでも曲げることと伸ばす
ことしかできません。伸直運動ができるだけです。曲げてから伸ばす
までの運動は、スイングの早さに大きな影響がありますので、注意し
てください。また、シャトルは肘の向いている向きに飛びます。試し
にやってみてください。そうなるでしょう。肘の動きももちろん重要
ですので、忘れないでください。
図８ー１６ 図８ー１７ 図８ー１８
ドライブ１ ドライブ２ クリアー
図８ー１９ 図８ー２０ 図８ー２１
ドライブ１ ドライブ２ クリアー
以上の３点をうまく組み合わせるとスイング（ストローク）ができ
るのです。腕の動きはこういった運動の組み合わせなのです。また少
し例を挙げましょう。ボール投げ、水泳での腕の水かき、団扇・扇子
を動かす時。そのように動かしていますね。何も考えずに、自然に私
たちがしている行動はうまく理にかなっています。
ここから、確実なストロークへの知識です。早いシャトルを打つに
は、肩の回転を早くします。そして、肘を早く伸ばします。つまり内
旋外旋の運動を早くすることです。
次に、コートにシャトルを沈める様に打つには、手首の回転を早く
することです。つまり、回内回外の運動を早くするのです。そしてコ
ースを狙うには、肘を打つ方向に向けることです。つまり肩－肘の延
長線の方向にしかシャトルは飛びません。相手の打ち方の肘を見れば、
入るか入らないかすぐに解りますし、どこを狙っているかこれもすぐ
解ります。このことを、念頭において練習してみましょう。
仕上げに教えます。本当は、最初に動く部分は腰なのです。腰の回
転を速くしましょう。そうすると、その回転の運動が肩に伝わり、肩
が回転します。その肩の運動が肘を伸ばします。その肘の運動が手首
の回内回外運動を行います。その運動がさらにラケットに伝わり、シ
ャトルにあたって飛んでいくのです。