------------------------------------------------------------------------------ 第 5章 ラケットの握り方と基本ストローク ラケットの握り方は、以下に示すように基本的に「5種類」の握り 方があります。 1.ウエスタングリップ(テニス用語)と呼ばれているもの。 (図5ー1) これは前に出した手のひらとガット面が直角になるように握りま す。フライパン握りとも呼びます。 図5ー1 2.イースタングリップ(これもテニス用語)と呼ばれているもの。 (図5ー2) これは前に出した手のひらとガット面が平行になるように握りま す。シェイクハンド(握手)グリップとも呼びます。 図5ー2 3.コンチネンタルグリップと呼ばれているもの。(図5ー3) これは、前に出した手に対して軽く握手をするように、手のひら とガット面が平行になるように握ります。親指と人さし指で軽く ラケットを挟むのがポイントです。現在、このグリップが主流と なっています。 図5ー3 以上基本の握り方ですが、初心者は、自分がラケットを振りやすい ように、また打ちやすいように握ってください。しかし、ある程度 時間が経つと3の方法が良いことに気が付きます。 4.フィンガーグリップ(図5ー4) 下に示した握り型は、99年12月の筑波大バドミントン教室で教 わった握り型です。私はフィンガーグリップと呼んでいます。5本の 指で軽く握ります。特に、小指、薬指でしっかりグリップします。 筑波大の学生達はこれで振っています。 図5ー4 5.バックハンドグリップ(図5ー5) 次に、バックハンドのグリップは、握っていた親指を単に立てる だけでできます。 図5ー5 さて、ここから本番です。グリップの握り方の概要を図説してきま したが、どうすれば「打てる」のでしょうか?答えは「打てません」。 なぜなら、このバドミントンという競技は「打つのではなく」、「叩 (たた)く」、「叩(はた)く」、「拾う」ものだからです。打つと いう言葉は、バドミントンでは「叩く」という言葉に置き換えてくだ さい。競技になると相手がいますから、「叩き返す」、「拾い返す」、 「叩き戻す」、「拾い戻す」といったのが適切な表現でしょう。この 言葉を忘れずに、ストロークを追っていきましょう。 ストロークの厳密の意味は打法、「打つこと」となっています。し かし、もう一つ、『なでる』という意味もあります。このことは頭の 片隅にいれておいてください。あとで使います。 大きく分類すると 1.オーバーヘッドストローク 2.サイドストローク(サイドアーム) 3.アンダーハンドストローク の3種類になります。 そして、それぞれにバック側を加えて6種類、ドライブ、プッシュ、 ヘアピンとそのバックを加えて12種類のストローク方法があります。 厳密にいえば、プッシュはドライブの一種です。 次に大分類の4番目として、 4.アラウンド・ザ・ヘッドストローク があります。これは難しくて敬遠される13種目の打ち方としてあとで 図説します。このストロークはダブルス、シングルスに関係なく、また 高さに関係なく用いられます。この13種について説明します。 練習では、なるべくすべてのストロークを使い、シャトルが取りあえ ずネットを越えて相手側に落ちるようにしましょう。 1.オーバーヘッドストローク これは、頭の上に落ちてきたシャトルを打つ打ち方です。肩から手に かけての動きはボール投げと同じです。まずボール投げをやってみまし ょう。決して肩で投げる、砲丸投げにならないようにします。中学生が ビニールシャトルで技術を習得してくると砲丸投げ打ちになっています。 また、女性も砲丸投げ打ちになることが多いので、注意して練習しまし ょう。 シャトルの飛び方によりハイクリアー、ドリブンクリアー、スマッシュ、 ドロップといったショットになります。 図5ー5 図5ー6 図5ー7 ハイクリアー スマッシュ ドロップ ドリブンクリアー 各ストロークでのシャトルの飛び方 図5ー8 図5ー9 ハイクリアー ドリブンクリアー 図5ー10 図5ー12 ドロップ スマッシュ 2.サイドストローク これは、からだの横に来たシャトルを打つ打ち方です。シャトルの飛び 方により、ドライブになったり、クリアーになったりします。 図5ー11 図5ー12 図5ー13 ドライブ1 ドライブ2 クリアー 各ストロークでのシャトルの飛び方 図5ー14 図5ー15 図5ー16 ドライブ1 ドライブ2 クリアー 3.アンダーハンドストローク これは足元に来たシャトルを打つうち方です。シャトルの飛び方で、 アンダークリアーとも言います。殆ど、ネット前で使います。ロング サーブはこれで打ちます。ただし構えた時の足の位置が違います。気 をつけて下さい。 図5ー17 図5ー18 図5ー19 ロブ1 ロブ2 クリアー (ロングサーブ) 各ストロークでのシャトルの飛び方 図5ー20 図5ー21 図5ー22 ロブ1 ロブ2 クリアー (ロングサーブ) 4.ドライブ これは、体の正面に来たシャトルを打つ打ち方です。ダブルスで頻繁に 用います。 図5ー23 図5ー24 図5ー25 ドライブ1 ドライブ2 クリアー 各ストロークでのシャトルの飛び方 図5ー26 図5ー27 図5ー28 ドライブ1 ドライブ2 クリアー 5.プッシュ これは、ネット真上のシャトルを打つうち方です。 図5ー29 図5ー30 図5ー31 プッシュ1 プッシュ2 ワイパー 各ストロークでのシャトルの飛び方 図5ー32 図5ー33 図5ー34 プッシュ1 プッシュ2 ワイパー 6.ヘアピン これはネット付近のシャトルをネット際に落とす打ち方です。 図5ー35 図5ー36 図5ー37 ヘアピン1 ヘアピン2 クロス 各ストロークでのシャトルの飛び方 図5ー38 図5ー39 図5ー40 ヘアピン1 ヘアピン2 クロス 7.アラウンド・ザ・ヘッドストローク 最後に13種類目の打ち方にアラウンドザヘッドストロークがあります。 バックハンドができないときは有効な打ち方です。肘を直角に曲げて頭の 上でアームを回しながら、ハイクリアー、ドリブンクリアー、スマッシュ を打ちます。 図5ー41 図5ー42 図5ー43 ドライブ スマッシュ クリアー 各ストロークでのシャトルの飛び方 図5ー44 図5ー45 図5ー46 ドライブ スマッシュ クリアー