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第１６章　ゲーム運用術
　
　さて、技術的なことが理解できれば、それを、実践に移すことです。
それができないと何もなりません。そして、自分たちが不利であれば
あるほど、相手方が有利になりますし、その逆も然りです。だから、
自分達に有利になるように、試合を進める様にしなければなりません。
　ここでは、試合の例を挙げて一緒に考えてみましょう。
　
１．サービングサイドで試合を始める場合
　まず、サーブで始まります。サーブはショートとロングがあります。
ショートを選択してサーブしました。すると、相手のリターンは、次
の３種類しかありません。
　　１．プッシュ
　　２．ヘアピン
　　３．ロブ
そこで、自分達（サービングサイド）に有利な様にする（相手にさせ
る）には、
　
１のとき、前衛がドライブでどの場所でもよいから、プッシュを返す。
決して浮かないこと。これができないと判断した時は、後衛に任せ、
後衛が、下からのドライブで、両サイドに返す。そうすると、どちら
もトップアンドバックの陣営をとっているので、相手は、ネット際に
落としてくることはありません。相手は、必ずシャトルをあげてきま
す。相手はサイドバイサイドになります。これは、こちらが有利にな
っていることを意味しています。じっくりと攻めてください。
　
２のとき、前衛が浮いたところをプッシュできればそれにこしたこと
はありません。できない時は、前衛がロブをあげます。こちらがサイ
ドバイサイドで守っています。一度、相手の後衛にスマッシュかネッ
ト（ドロップ）を打たせます。
　スマッシュであれば、レシーブドライブで切り返してください。そ
うするとこちらはトップアンドバックの攻めの体形になります。そう
すると相手は上げてきますのでじっくり攻めましょう。ここで相手が
同じことを考えていたら、相手（後衛）を固定させて、同じ場所にシ
ャトルを上げて何度かスマッシュを打たせて様子をみるのです。その
うちの１つを切り返せばよいのです。そうすると、今度は相手が上げ
てきますのでじっくり攻めましょう。
　ドロップであれば、ネットの両端にヘアピンをして、相手にあげさ
せて、同様に攻めます。または、ロブを挙げて、切り返しを狙って同
様に攻めます。
　
３のとき、相手が、仕方なく上げたのか、２の場合の様子見なのかを
判断するため、軽く（５～７）の力で、真直ぐにスマッシュを打ちま
す。このときの自分のいる位置は、センターラインから動いているの
で、スマッシュを打ったあとは、戻ることに重点を措いておきます。
相手が、切り返してきたら、自分のほうが早く戻っているので、また
スマッシュが打てます。切り返さずに上げてきたら、６～８の力で打
ちます。まだ上げてくるようでしたら、８の力で固定して打ってくだ
さい。そのうち、リターンミスがありますので、その時は、１０の力
で決めにいって下さい。必ず決まります。
　また、別の攻め方として、センターネット前にドロップを落としま
す。相手にあげさせながら、スマッシュを打ち、リターンミスが前衛
に上がったところで、パートナーに打たせるように、スマッシュを配
給していく方法があります。
　本当はまた以降の攻め方がダブルスの一般的な攻め方です。
　以上から、最初のサーブからから最後のポイントを取るまで考えて、
動作に移すことを心掛けて下さい。来た球を意味なく相手に戻さない
ように！
　
　次の例として、ロングを選択しました。相手が試みるのは、
　　１．ハイクリア
　　２．スマッシュ
　　３．ドロップ
があります。
１のとき、シャトルの上がってきた方が後衛に回り、パートナーは前
衛に入ります。トップアンドバックの体形を作るのです。そして、攻
めましょう。
２のとき、前述の２と３と同じに考えて守り攻めます。
３のとき、これも同じです。
　
２． レシービングサイドで試合を始める場合
　レシーブのときは１．の逆を考えればよいのです。
　
３．守備と攻撃誰が作る？（いわゆるローテーション？）
　バドミントンをやっていて、また教えていて、ローテーションを教
えて下さいということをよく耳にします。陣営の作り方ですよね。こ
のローテーションの方法は、一言でいえば、どうでも良いのです。自
分達に不利にならなければ。
　ただ暗黙の了解があります。これは習得してもらうほかはありませ
んが、次がトップアンドバックとサイドバイサイドになるヒントです
というか役割です。
　
１．まず、前衛をとる人が、攻めと守りの型を作る主導権をもってい
      ます。シャトルの飛び方で前に出るか後ろの下がるかを決める、
      ことを意味します。
２．今度は、後衛の人が、ゲーム作りの主導権を握ります。
　   シャトルの扱い方で攻め（スマッシュ、ドロップ、ドライブ等）、
      守り（クリアー、ロブ）に決めることを意味します。
　   どちらかの形ができ上がると、ふたりの役目はそれぞれ果たした
      ことになります。この２つは、それぞれ、独立しているように見
　　えますが、そうではないのです。ほぼ同時に成立しないと、いつ
　　まで経っても、トップアンドバックの攻めの形のままで、ただ守
　　る一方になって、自分達は面白くありません。逆にサイドバイサ
　　イドの守りの型のままで、攻める一方になって、相手が有利にな
　　ってしまいます。
　
　この体形がスムーズにできると、もう上級者レベルは目の前です。
さて、レシービングサイドでは、相手と同じことをするのです。さあ、
考えてやってみましょう。