魔法屋

ウリエル「(何か視線を感じる…)。」
珊瑚「そこのお兄さん、見ないフリをして通り過ぎないように。」
ウリエル「……。」

ウリエル「お前、何やってるんだ?」
珊瑚「見てのとおり、魔法屋。」
ウリエル「魔法屋?(ガレージ・セールじゃないのか?)」
珊瑚「魔法グッズを売っているの。」

ウリエル「へえ。で、コレは何?」
珊瑚「呪いの食器よ。」
ウリエル「何?食べ物のっけると腐るとかか?」
珊瑚「食玩の食器シリーズの中で一番地味なタイプを三月うさぎは二度も続けて引き当てたの。呪われているの。」
ウリエル「(相変わらずクジ運の悪い人だなぁ。)」

ウリエル「これは?」
 珊瑚「エイリアンとコズミック・ガンよ。」
ウリエル「これのどこが魔法グッズなんだよ。どう見てもタコさんウインナーにしか見えんぞ。」
珊瑚「この銃で、にく〜い相手を思い浮かべながらエイリアンを打つのよ。」
ウリエル「銃?(ドライヤーの間違いでは??)」

ウリエル「これは何?」
珊瑚「パペットよ。面と向かって文句をいえない人に、腹話術で話をするの。」
ウリエル「それのどこが魔法なんだよ。」
珊瑚「魔法に感じる人がいれば、オッケーなのよ。」

ウリエル「このちび人形は?」
珊瑚「これは特別よ。気合がいるの。」

珊瑚「えいっ。」
ウリエル「…………。」
珊瑚「よくこんなふうにうす目を開けて寝ている人がいるわよね。」
ウリエル「それは確かにいるが…。(それが魔法なのか?よくわからん。)」

ウリエル「じゃあ、これは何?」
珊瑚「ああ、乾燥イモリの目玉。一個12円よ。」
ウリエル「ずいぶん半端な値段だなぁ。」
珊瑚「消費税がかかっているの。」
ウリエル「はあ?」
珊瑚「組合に上納することになっているから。」
ウリエル「(組合…、いったい何の?)」

ウリエル「いったい何に使うんだよ。」
珊瑚「毎日一粒ずつ飲むと、願いごとがかなうかもしれないんですって。」

ウリエル「かなうかもしれない…?ふむ、願いが、ねえ。う〜ん、少しもらおうかな。ま、お前の売り上げに貢献してやるよ。つきあいで。」

珊瑚「毎度アリ〜。(意外とロマンチストだったのね。」

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