ALICE 5 〜五月の薔薇〜

 前回作ったラフィーの服が大変だったため、次に作るものにどうしても気持ちがいかず、気分転換に帽子を編んでみた。

 ところが、出来上がったものをかぶせてみたところ、この帽子に似合いそうな服がない…。

 というわけで、ホビーラホビーレのパッチワーク用の布を四枚組み合わせて作ってみた。
 つぎはぎだらけのブラウスとスカート。
 帽子だけでは、マッチしているのかどうかビミョーだったので、巾着をおそろいで作って、無理にでも合わせてしまう…。

 デザインからおこしたわけではないので、けっこうイキアタリバッタリな展開。はぎ目にレースをはさんで、それだけではちょっと寂しいかな、と思って、赤い糸で刺繍してみた。
 こういう赤い色をいれると、フォークロア感が増すような気がする。フォークロアの赤って、生命感があると思う。

 首にぶらさげたメダイユは、ルルドの聖水を見つけた少女がお守りに身に着けていたという、奇跡のメダイユと呼ばれるもの。パリにある教会の自動販売機で買ったもの。(自販機で買うという行為によりアリガタミが半減するが。)

 白いマーガレット。

 帽子と巾着には、レースアミのモチーフをつけてみた。

 香り高いオールド・ローズ。
 薔薇の名前は、バリエガータ・デ・ボローニャ。
 ウンベルト・エーコの作品に、薔薇の名前というタイトルの本があったな…。これでもかというほど、キリスト教の知識が詰め込まれていて、一冊の本をめぐる物語だった。迷宮のような図書館があって、本好きにはくらくらするような素敵な図書館だった。

 いつもの草色の目を、青色に変えてみたら、色の強さで視線も強くなったような気がする。

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